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Dの余裕の笑みにみんながDを倒そうといきり立つが、髑髏がそれを止める。

あれは、骸の体。つまり、みんなが攻撃してしまえば、骸の体が傷ついてしまうことになる。

骸の体を傷つけることなんてできないけど…でも、今そんな話をしていられるだろうか。
骸も同じ考えのようで、髑髏に「そのようなレベルの話ではない」と止める。

骸の体…つまり骸の能力とDの能力を掛け合わせた体……
力だけで言ったらもはや人ならざる者。…化け物、だと。

全員でぶつかっても勝てるかどうかわからないほど。



「今もてる限りの戦力で全力で立ち向かわなければ、すべて失う」

「…、わかった!」

「では、始めましょうか」



一瞬で私たちの前に現れた、D。その手には、トランプのジョーカー。

…っ、何か、くる…!!危ない!!

危険を察知した私はすぐさまツナを遠ざけ、恭弥とともに後ろへと飛びのく。
ツナとランボをかばった隼人、髑髏を遠ざけた武がそのまま。

二人の名前を呼ぼうとしたが、その瞬間爆発が起こり、煙幕が晴れると…みんなの姿がなかった。



「みんな…っ一体どこに…!!」

「さしあたっての手品です。…美瑠にもこちらに入ってほしかったのですがね。まぁ、いいでしょう」



Dが説明するには、カードに入り口を作り、そこからDの作った幻覚世界へ飛ばされてしまったらしい。
そこからみんなにこの戦いを見てもらい、新たな伝説として後世のボンゴレに残すことが目的だと。

Dは、ツナを殺すつもりなんだ…!!そんなこと、絶対にさせない…!

するとDに向かって恭弥のボンゴレギアが飛んでいく。



「語り継がれるのは、君の死の方だよ」

「雲雀さん!」

「手を出さないで、小動物。美瑠もだ」

「恭弥…気を付けて」

「雲雀は前にツナの戦いに手を出さずに見守ったんだ…ここは譲るべきかもな」

「ヌフフ…似ている。見れば見るほど初代雲の守護者アラウディに。
この時代にそのような男と戦えるというのは全くもって―― お つ で す ね 」

「…っ」



Dの横腹には口、足には無数の目が現れて、グロテスク。
シュールが過ぎました、とDは謝るけど、それはとても楽しそうだった。

…これは…安易に言いたくはないけど、本当に、化け物、みたい…っ

ぞわり、と身の毛がよだったが、恭弥はなぜか楽しそうな笑みを浮かべていた。



「いいね♪」

「さすがは10代目候補の最強の守護者ですね。その調子で何があっても驚かないでくださいよ」



突然巻き起こったのは、葉っぱの嵐。どうやらシモンファミリーの紅葉さんの能力らしい。
さらに恭弥を襲う沼のようなもの。これもシット・ピーさんの能力らしい。

どうやらDは復讐者の牢獄で大地のリング以外のすべてのシモンリングを取ってきたらしい。

一つでなく、6つの属性を一気に使うことができるなんて…並大抵のことじゃない。
それでも恭弥は「それがどうしたの?」と何でもなさそうに言い放ち、Dに殴りかかりにいく。

…でも、恭弥の攻撃は止められていた。


恭弥と同じ、トンファーと、雲のボンゴレギアによって。


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