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「美瑠!?どうしてここに、」

「リボーン…ラルに、コロネロ…マーモンにみんな…」

「懐かしい思い出を楽しんでもらえたかな、アルコバレーノ諸君。
君たちは今、全員が一つの同じ夢を見ている」

「そんなバカな」

「信じられぬだろうがこの夢から覚めたとき、私の言っていることがすべて現実だとわかるだろう」



響き渡る重々しい声に、何者だと警戒心が強くなる。
コツリコツリと響く足音に、紳士的なスティックをつく音。

そして、近づいてくる気配。



「やあ諸君。久しぶりだな」

「てめぇ!」

「探しましたよ」

「殺してやるぜ!」

「慌てるな」



現れたのは鉄の帽子に市松模様が所々に飾られている男。
アルコバレーノのみんなは顔見知りの男だったようで、なぜか殺気立っていた。

初対面の私はよくわからず彼の動きに注目していると殺気立っていたみんなの動きが不自然に固まる。

…もしかして、この夢はこの男が見せているもの…?だから、自由に操れるの?



「残念だが、ここは夢の中だ。いくら君たちが最強の赤ん坊であってもその能力は使えない。
第一、私は君たちと戦いに来たのではない」

「じゃあ、目的は何?」

「あぁ、美瑠君は私の能力が効かないのだったね」

「どうして、」

「私の名を、かい?もちろん知っているよ。月の守護者、彼方美瑠」

「…いい気持ちはしないね。知らない相手に自分の名前を知られているのは」

「まぁ聞きたまえ、美瑠君。私は君たちの意志の確認、そして提案をしに来たんだ」

「提案?」

「まずはとてもシンプルな確認だよ。君たちアルコバレーノに変えたその呪い…虹の呪いを解きたいか!?」



どういうこと…?どうして、この人が虹の呪いを解きたいか聞いてくるの?

みんなは顔見知りだったようだけど…殺気立つってことは、まさか、この人が呪いを…!?



「さすが、いいカンをしているな、美瑠君」

「…っあなたが、みんなに呪いを…!?」

「まぁ詳しいことは彼らに聞くといいさ。それで、君たち、虹の呪いを解きたいか?」



市松模様の彼の問いにみんながもちろんだと頷く。

ヴェルデさんだけ「興味本位で」と言っていたが、本心は別にあるのだろう。
長年の夢だと風さんも言っていたし、みんな呪解したいと考えているのだろう。…いや、一人だけのぞいて。



「おや、リボーン君は?」

「オレは信用できねぇ奴と話したくねぇ。勝手に呪っといて呪いを解きたいかじゃねぇぞ」

「相変わらずクールな男だ。だが、君達が虹の呪いを嫌悪しているのはよくわかったよ。
話を進めよう。アルコバレーノを1人減らすつもりだ」



市松模様の彼の言葉にみんなが息をのんだのがわかった。

アルコバレーノを一人減らす。

呪いを解かれ、一般人に戻り、今の任からも解放されて、元の姿、元の生活に戻れるのだという。
そんなおいしい話…急にされても素直に喜べるほどみんな単純ではない。
事情を話してほしいという風さんに市松模様の彼は「いずれ話すつもりだが今は言えない」とだけ言って濁されてしまった。

押し付けるばかりで、知りたいことは何一つ教えてくれない。



「だが、これはいい話だ。私から君達への感謝の気持ちだととってもらいたい。
だからこそ、呪いを解く一人とは私が最も感謝できる者。最もアルコバレーノに貢献してきた者としたい」

「フフッ、笑わせてくれる。我々が貢献とは」

「お前に貢献しようと思ったことなど一度もないぜ!コラ!!」



市松模様の彼の言葉にみんな猛反発する。

私はみんながアルコバレーノになった経緯を詳しくは知らない。
リボーンやラル・コロネロやマーモンに会ったときにはすでにこの赤ちゃんの姿だったから。

でも、どうやらみんなの様子からアルコバレーノになったのは不可抗力であり、不本意だったようだ。

そんなみんなの猛反発に市松模様の彼は冷酷にも「君たちの気持ちなど関係ない」と切り捨てる。
大切なのは私がどう感じ、どう考えるかだ、と。

…なんとも嫌な言い方だ。人の気持ちを無視した言い方に少しだけ気持ちがもやりとする。



「そして私は考えた。最も貢献した者とは何年ものアルコバレーノという逆境状態の中で最も鍛錬し、最も力をつけてきた者。
つまり、呪いを解くべくは最も強いアルコバレーノだと」



最も強いアルコバレーノ…?確かにみんなそれぞれ最強のものを持っているけど、その強さは計り知れない。

ただし、その“強さ”とは一体どうやって決めるか、だ。

風さんが殺し合いでもさせるのか、と言えば、市松模様の彼は「いい線だ」と笑う。
だけど、ヴェルデさんがナンセンスだと一笑する。

戦士と科学者の戦闘力を比べたらどちらが強いかなんて一目瞭然。
みんなはあらゆる分野のトップであり、それぞれ得意・不得意分野がある。
特にヴェルデさんは最強の科学者であることは間違いないが、戦いにおいては素人同然だろう。
そうなるとヴェルデさんが圧倒的に不利になる。

逆に発明においてヴェルデさんの右に出る人なんていないだろうから頭脳戦となると圧倒的に有利だ。

それに力の拮抗したアルコバレーノ同士が戦い、万が一2つのおしゃぶりが同時に破壊されるようなことがあれば大問題という。


そこでアルコバレーノ同士の直接対決を避けるためにもあるルールを採用する。


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