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“各々が自分の代理を立てて戦う”


それは有象無象…人・動物・幽霊でも科学の力でも企業でも構わない。
みんながアルコバレーノとなって手に入れた人脈や知恵や資材であるなら代理だと認めるという。

そんなゲームのような話にみんなが乗るはずがなく、信用のない彼の話を鵜呑みにすることはなかった。

信じられないと口々に否定するみんなの言葉を彼は黙って聞いていたけど、「なるほど」の一言が冷たく響く。



「君たちは自分の立場がわかっていないようだな。
信じようが信じまいが自由だがこれを逃せば一生虹の呪いは解けないぞ」



“一生呪いは解けない”

その言葉にみんなの空気が一瞬にして変わったのがわかった。
確かに彼の言葉は魅力的だ。みんなの体は呪いによって赤ん坊にされてしまっている。
しかもその呪いは誰もが望んでかかったわけではなく、不可抗力だった。

パワー、スピードなどすべてにおいてその卓越していたはずの能力は削がれ、不便に思ったことは一度や二度ではないはず。

一方的で自分勝手、真実なのかも疑わしいが、チャンスと言ったらチャンスであることには違いない。
彼は私たちの決断を促進させるかのように私たちから背を向けた。



「わかった。去ろう。もう二度と君たちの前に現れることはない。さらばだ、愚かな赤ん坊たちよ」

「…っ待って!僕はやる!!」

「マーモン!」

「何をやっても呪いは解けなかった!これしかチャンスはないんだ!!」



みんなが思っていたことを強欲なマーモンがいち早く口にしたことで気持ちが固まったのか臆病なスカルも「オレもやる!」と言い出した。
二人の意見も聞き、コロネロももう一度騙されてやるとこの戦いに参加すると言う。

風さんも真実に近づきたいと参加の意を示し、ヴェルデさんもこのメンツがいるなら退屈しないと参加することにした。

みんなの返事を聞いて彼はとても満足そうにうなずき、最後に残ったリボーンにも返答を促す。
リボーンはなぜかポケットの中に手を入れると少しだけ考えた末に「やる」と一言だけ返した。

まさかリボーンも参加するとは思わなかった。くだらないと一蹴するかと思っていたのに……



「あぁ、そうだ。美瑠君、君も参加しても構わないよ」

「え…私も?」

「参加条件は“死なないこと”だがね」

「それは、」

「まぁ、アルコバレーノの彼らが決めることだ」



彼は楽しそうにアルコバレーノのみんなを見渡して、日付と時間を伝える。

開始は一週間後。場所はみんなに縁のある日本。詳細は後日、とのことだった。

スカルが「人望がないから代理になってくれる人が思いつかない」と慌てていたが、彼は「心配することはない」と余裕の表情。
…スカル…自分で人望がないと言うなんて…正直といえば聞こえがいいが、情けないともいえる。
でもなぜか憎めないし、どこか応援したくなるところはきっとスカルの“人望”なのだろう。

彼はこの戦いを盛り上げるための協力は惜しまないと言った。さらに救済策もある、と。



「とはいえ、各々が早く代理を探す努力をした方がいい。また会おう」

「…っ!!」



ぷつり、と通信を切られたかのように夢から一気に目覚める。

…今の夢は…妙にリアルすぎる。きっとリボーンたちアルコバレーノと本当に同じ夢を見ていたのだろう。


代理人同士の戦い…アルコバレーノを一人減らす……鉄の帽子の男……



「…また…戦いが始まる…」



――なぜだろう、胸がざわつく。

アルコバレーノ同士の戦い、だけでは終わらない、何かもっと暗くて深い闇がじわじわと侵食されるような……嫌な予感。


どうか、この予感だけは当たらないでほしい。


そう願いながら再び私は目を閉じ、深い眠りへと落ちていった。


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