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ディーノに誘われてツナとリボーンと一緒にディーノが泊まっているホテルへと向かう。
ご飯をごちそうしてくれると言っていたので、とてもワクワクしながら。

リボーンとツナの話の内容は主に代理戦争のこと。

大人数になるのでは、と心配するツナに「それだけ特別な戦いってことだ」とリボーンは言った。



「そういえば、戦いって一体何をやるんだ?」

「鉄の帽子の男は追って説明するって言ってたがそれっきりだ…ただ、“強さ”を競うのは確かだな」

「強さ…?…それって普通、腕っぷしの強さのことじゃない…?」

「お前もそう思うか?」

「やっぱりそうだよね」

「そんな!殴り合いとか絶対やだよ!痛いし!」

「そうじゃないといいんだけどね」



でも99%戦いになるんじゃないかなぁ。

アルコバレーノは選ばれし7人…つまり、世界で強い人たちの集まりということだ。
その強さを比べるのであれば、やはり腕っぷしが一番手っ取り早いと思う。

そんな話をしていればあっという間にディーノが宿泊しているホテルに着く。

9代目も泊まっていた大きな有名ホテルだ。すごいね、なんて話しているとどうやら部下の人が間違えてとってしまったらしい。
キャバッローネファミリーらしいと笑うと白いスーツを着たディーノがエントランスで待っていてくれているのを見つける。



「よく来たな。たまには元・家庭教師と弟妹分にいいとこ見せねーとな。腹いっぱい食ってけよ」

「はい!」

「ありがとう、ディーノ」

「本当は間違って3人分多く注文しちまったんじゃねーのか?」

「飯はちげーよ!!」

「飯は、ね?」

「おいおい美瑠、揚げ足とるなよ」

「ふふ、ごめん」



ついついからかうのが面白くて突っ込んでしまった。

リボーンはディーノの肩に乗ると「そういやお前、他にもサプライズがあるって言ってたじゃねーか」と言い出す。
サプライズ?と首を傾げるとディーノは少しだけ苦笑交じりになる。



「なんとこのホテルには、オレ達のほかに…」

「ひゃっほー!!」

「!?」

「借りてくぜっ!美瑠も行くぞ!」

「わ!!」



突然の浮遊感。見上げてみれば、ベルが私をお姫様抱っこして走っていた。
ちなみにツナはマーモンが首根っこを掴んでいたのでツナは「痛い!しまるっ!」と叫んでいた。

ここにベルとマーモンがいるっていうことは…やっぱりマーモンはヴァリアーに頼んだんだ。

スーパースイートというとんでもない場所まで連れてこられて、ベルが蹴り飛ばしてドアを開ける。



「お姫様と面白いゴミ拾ったぜ!!」

「ちょ、何すんですかー!!」



叫ぶツナにみんなの視線が突き刺さる。
お酒を嗜むスクアーロに、筋トレをしているルッス、酔って踊っているレヴィ。

あぁやっぱりヴァリアー勢ぞろい。久しぶりーなんて笑うとルッスが「まぁ!」と嬉しそうに笑った。



「ボスはどこだい?」

「奥の和室だ」

「へい。ししっ、ボース♪みやげっ!」



奥の和室の襖をあけて、マーモンは手を離してツナを床に落とす。
私はベルにゆっくり降ろされて、畳の上に(申し訳ないことに)靴で立った。

鼻を打ったツナは鼻を押さえながら顔をあげ、目の前に座るザンザスに後ずさった。



「う…そ…ザンザス!!日本に…来てたの…?」

「ザンザス!久しぶり!」



恐れるツナとは反対に、私にとっては大好きなお兄ちゃんであるザンザスに向かって私は歩き出す。
ザンザスは私に視線を向けると少しだけ柔らかな表情をつくる。



「久しぶりだな、美瑠」

「元気そうでうれしいよ」

「あぁ」

「ザンザスも着流し似合うね」

「……」



照れたのか、ザンザスは何も言わずに持っていたお猪口を傾ける。
そんなザンザスも絵になるなぁ、なんて考えているとツナはようやくマーモンの代理がヴァリアーであることを知った。
反則だ!と焦るツナにディーノとリボーンがようやく部屋に到着する。

そうだよね、強さで言ったら殺しのプロなんだから殺しに関しては最強だよね。

ザンザスは騒がしくなった部屋にイラついたのかツナをぎろりとにらんだ。



「この代理戦争でてめぇをかっ消す!!」

「えええ!オレぇ!?」

「…っ!?」



突如自分たちの上に現れた怪しげな気配に思わず息をのんでいるとザンザスがすかさず「誰だ!」と銃を天井に撃つ。

“怪しげな気配”の人は微妙に避けていたようで、天井が壊れると笑いながら帽子を押さえて畳の上に着地していた。


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