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見るからに知らない人。怪しげな人にみんなが武器を一斉に構える。
それでも怪しい人は笑って「結果オーライ」と独り言をぶつぶつと呟き、帽子を脱いでいた。
「私は“虹の代理戦争”を企画した者の遣いで尾道と申します。フフッ。
虹の代理戦争をより具体的に説明しに参りました。ハハッ」
あの鉄の帽子の男の人の遣い……
それにしても笑い上戸でずっと笑い続けているなんて変わった人。
しかも物忘れが酷いからと手や腕までびっしりメモ…基カンペを書いている。
尾道さんは手に書いたカンペを読みながら虹の代理戦争のルール説明をし始めた。
代理戦争で各アルコバレーノとその代理メンバーを合わせた集団をチームと呼び、各チームには一つずつ箱を渡された。
その箱の中には3種類の時計が入っていた。アルコバレーノ用、ボス用、バトラー用の3つだ。
ルールはいたってシンプル。ボスウォッチとバトラーウォッチを装着した各チームの代理の人同士が戦い、ボスウォッチが壊されれば負けとなる。
戦いと聞いて予想通りだったからかヴァリアーのみんなは喜んでいた。
「僕らアルコバレーノは代理の戦闘中、見ているだけかい?」
「基本的にはそうなります。戦闘力の高いアルコバレーノが戦いに参加して同時に2つのおしゃぶりが破壊されるようなことがあれば大問題ですからね。
ただし私の上司は“懐かしいプレゼント”を用意しているから楽しみにしてろと申しておりました。ハハ」
「(懐かしいプレゼント…?)」
何だろう…?懐かしいってことは…まさか、体が戻るとかじゃないよね?
少しの疑問を抱えているとレヴィが「なぜ時計なのか」という質問をする。
尾道さんは何がツボに入ったのか、大爆笑し始めた。…うーん、やっぱり不思議な人。
笑いが収まった尾道さんが説明する時計でなくてはならない理由は「戦闘許可時間を知らせるため」だった。
今回の戦いには時間制限があり、一日に一回、一定時間だけ戦うことになるらしい。
しかもいつ始まるかわからないという変則的な時間だ。
さらに戦闘形態はバトルロワイアル。自分のチーム以外は全て敵ということになる。
だからこそ、戦略だって広がる。各チームで同盟を組んだりと駆け引きも可能となるのだから。
「あぁ、そうだ!大切なことを伝え忘れていました!ハハッ。
美瑠さんにはこれを預かってまいりました」
「え、私に…?」
ボス用ともアルコバレーノ用とも違う、少し華奢な時計。月の守護者用だと言われた。
尾道さんが説明するには、私の力は強大だからどのチームに属することも禁止された。
ただし、助っ人として参加することは可能らしい。そのための時計だと。
それだけ説明して、尾道さんは笑いながら部屋から退出していった。
「同盟とは面白ぇーな」
「ムムッ…ボス、どうかな?同じボンゴレだし、最初だけでも同盟を…」
「るせぇ」
「…!!」
「誰とも組まん!!かっ消す!!」
あらあら……まぁザンザスらしい。
楽しそうに笑うヴァリアーに、苦笑するツナ。
仕方ないと肩をすくめているとマーモンがふわふわ浮きながら私に近づいてきた。
「美瑠は僕たちの助っ人になってって言ったらなってくれる?」
「ん?うーん、そうね。マーモンを勝たせるための助っ人にはなれないけど、みんなの身の危険を守るための助っ人にはなるよ」
「…そっか。美瑠らしいね」
小さく笑ったマーモンに笑い返すとリボーンに行こうと声をかけられる。
またね、とヴァリアーのみんなに手を振ると私たちは一階へと降りて行った。
「びっくりしたね」
「うん…まさかヴァリアーがいるなんて…」
「ま、気を取り直してウマイ飯でも食おーぜ」
「ハラペコだぞ」
「ヴァリアー怖くて生きた心地しなかったよ…」
「あらま!偶然ねぇ!」
「あ、みんな!」
レストランにいたのは正装に身を包んだヴァリアーのみんな。
部屋が壊れたからレストランで食べることにしたのだとか。
何だか楽しく食べられそうな予感。…がしたのは私だけかな?
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