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みんなに別れを告げて、学校へと歩いていくと「美瑠さん」と声をかけられた。

振り向くがそこには誰もいない。…あれ?おかしいな。誰かに声をかけられたと思ったのに。



「こちらですよ」

「…あ、風さん!」

「こんにちは」



にっこり笑って恭弥そっくりの顔を緩ませていたのは、アルコバレーノの風さん。
こんにちは、と返して風さんと視線を合わせるためにしゃがみ込む。

可愛らしい顔つきだけど、風さんは本当に恭弥そっくり。
未来で会ったからかとても初対面だとは思えなかった。



「美瑠さんは今から雲雀恭弥のところに?」

「はい。…どうして恭弥のことを?」

「可愛い弟子からいろいろとね」

「あぁ、イーピンちゃんから。風さんももう代理を見つけたんですか?」

「まだ迷っているところです」

「そっか…いい代理が見つかるといいですね」

「はい」



ではまた、と風さんは再びにっこり笑って風さんはふわりと去っていく。
…風さんは一体どうして私に声をかけてきたのだろう。

私は代理になれないことを知っているはずだから、代理の話じゃないだろうし。

少しだけ不思議に思いながらも学校についたが、応接室に明かりは灯っていない。



「…ちょっと遅かったかな?」



たぶんもう帰ったか、見回りをしているんだろう。
仕方ない、と肩をすくめて帰ろうと踵を返すと後ろから「美瑠」と声をかけられて、驚きで振り向く。



「恭弥、帰ったのかと思った」

「仕事が溜まってるからね。…久しぶりに一緒に帰ろうか」

「うん!」



自然と恭弥が手を繋ぐから、トクンと胸が高鳴る。
何度も何度も繋いでいるはずなのに、未だにこの瞬間は慣れない。

幸せ、なんてありきたりな言葉だけど純粋にそう思える。

そっと恭弥を見上げると恭弥は不思議そうな顔をして私を見返す。
何でもないよ、と首を振って笑うと視線を前に戻した。



「変な美瑠」

「ひどいよ、恭弥」

「クス…そうだ、久しぶりに美瑠の作ったご飯、食べたいな」

「じゃあお買い物して帰ろう」



ハンバーグがいい?それとも和食にしようか?なんて話しながらスーパーへと向かう。
ハンバーグ作って、とリクエストがあり、冷蔵庫にあるものを思い浮かべながらお店へ入ろうとした。けど、



「よう、恭弥!お、美瑠も一緒だったか!」

「ディーノ!どうしてここに」



ロマーリオさんたちと一緒に歩いていたのは、ディーノ。

周りの主婦のみなさんがきゃーきゃー言っているのを苦笑しつつ聞きながらディーノに近づく。
恭弥は気に入らなかったようで、ぷいっと横を向いていたが。



「久しぶりに弟子に会いたくてな」

「あなたの弟子になった覚えはないよ」

「そう言うなよ。一緒に飯でも食わねぇか?」

「美瑠と一緒に食べる予定だから嫌だ」

「お、じゃあオレも一緒に「ダメ」…ちぇっ」

「ごめんね、ディーノ」



恭弥が嫌、ダメ、と言う時は本当に嫌なときだ。
私が説得しても無駄なとき。わかっているからこそ、苦笑するしかなかった。

ディーノもよくわかっているからしょうがねぇな、と笑って許してくれた。



「んじゃあ、単刀直入に言うぜ。恭弥、リボーンのチームに入ってくれねぇか?」

「それはもう断ったはずだよ」

「気が変わんねぇかなと思ってさ」

「変わらないね。君たちと群れるつもりはないよ」

「いろんな強ぇ奴と戦えるんだぜ?」

「……、僕は戦いたいときに戦いたい奴と戦う」

「無条件で強い奴と戦えるってわかっていてもか?」

「………」



珍しい。恭弥が黙り込んだ。

リボーンの時は迷いながらも嫌だと言って断ったのに。

やっぱりディーノは恭弥と戦い続けただけあって性格をうまく把握しているんだろう。
しばらく恭弥は黙っていたけれど、再びディーノから視線を逸らした。



「…考えてあげてもいい」

「おう!」



二カッと嬉しそうな笑みを浮かべるディーノに心の中だけで拍手を送る。

恭弥をその気にさせるなんて本当にすごい。

明日から始まるから明日までには考えておいてくれ、と笑うとディーノは爽やかに去っていく。
恭弥は返事しなかったけど、恐らくそれが返事なのだろう。


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