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――代理戦争2日目。
風紀の仕事をしながら昨日のことを思い出す。
あの後チェッカーフェイスから代理戦争の結果が発表された。
骸たちのチームが圧倒的な力を見せているみたいだけれど…一体どうしているんだろう。
最近、骸は夢の中で会うことがない。…そういえばこの前フランが一緒にとか言っていたような……
「美瑠、どうしたの?」
「…ん?あ、ううん。何でもないの。そういえば今日からディーノが先生としてくるんだったね」
「………まぁね」
「…、な、なんか…一気に不安になってきた…ちょっと見に行ってくるね!」
「え、ちょっと、美瑠、」
恭弥に止められたけれど「すぐ帰ってくるから!」と伝えて応接室を出ていく。
一時間目の授業が英語だったことを思い出し、自分のクラスへ向かっていると金髪がふわりと揺れる後姿を見つけた。
「ディーノ!」
「…ん?おう!美瑠か!」
「おはよう。…ふふ、意外と似合ってるよ、センセイ」
「ははっ、うれしいぜ」
一緒に歩いていくと予鈴が鳴り響き、みんなが席につく音がし始める。
教室の前まで来たので後ろから入ろうとした途端、ディーノが盛大にこけた。
大丈夫!?と駆け寄ると「よく滑るな、この学校の廊下は」なんていうから思わず笑ってしまった。
「初日から決まらねーぜ」
「ははっ、がんばれ、ディーノ先生!」
「チャオ!じゃねーな、英語はハローか」
「(ディーノさん!!あ、美瑠ちゃんも!)」
結局堂々と前から入ってツナの隣の席に座り、おはよう、とあいさつする。
珍しいね、と小さな声で言われて「ディーノが心配で…」と苦笑する。
ツナも私の気持ちがわかったのか、小さく苦笑して「かっこいい!!」とざわつく教室の中に入っていったのだった。
ちなみに、その時の授業は意外に上手に教えてて少しだけ安心する。
これなら少しだけの間だとしても大丈夫だろう。…毎回生徒のカバンに引っかかってこけるのは心配だけど。
「いいアイディアだろ、教員なら学校で代理戦争が始まってもすぐに参戦できるぜ」
放課後になり、どういうことだ、と屋上に集まって話をすることに。
…背中に『なんでディーノ先生と』『不釣り合い』『ま、まさか美瑠ちゃん雲雀さんという彼氏がいながらディーノ先生も…!』なんて女の子たちの視線が突き刺さって痛かったが。
しかも私とディーノが浮気してるっていう妄想まで膨らませてるし…!!
そんな時、現れたのは…タランチュラに扮装したリボーン。
「始まんねーな、代理戦争」
「うわっ!リボーン!!キモすぎ!!」
「うわぁ…リボーン…それはさすがにいや…」
「ツナ、美瑠、ちっと面かせ」
突然の呼び出しにツナも私も小さく首を傾げる。
リボーンは情報収集をしに行くぞ、という言葉になるほど、と頷いた。
…そう、今の強いチームは骸だ。その骸とぶつかったのは…数字から推測するとユニちゃんたちのチーム。
つまり、ユニちゃんに骸たちの戦力を聞きに行こうというのだろう。
ディーノは学校の仕事があるということで、私たちだけでユニちゃんのところへ向かう。
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