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二人でツナを追いかけていくと、ツナは家光さんとすでにぶつかっていた。
…でも、ツナの攻撃は家光さんに全く効いていなくて、投げ飛ばされてばかりだった。
「ち、ダメツナが」
「まだ、気付いて…ううん、認めていないんだね。…家光さんも拳でしか語れないんだから…」
「ったく…仕方ねーな」
「いってらっしゃい、先生」
家光さんがツナに対して岩の塊を持ち上げた瞬間、リボーンはフェニちゃんから飛び降りて…呪解する。
岩を投げつけられたのと同時にリボーンはその岩に向かって銃弾を何発か入れる。
それだけでその岩を彼のお得意の言葉にしてしまうのだから、やはりすごい。
その様子を見て、私は遠くで見ていたラルとコロネロのそばに着陸した。
「美瑠か、コラ」
「二人は様子見?」
「あぁ。危ないから美瑠もここで見ておけ」
「カオス、だな」
「だっ誰!?」
「苦戦してんな。――レッスンの時間だぞ、ダメツナ」
スーツに正確な銃さばき、…あれが、伝説のヒットマン、リボーンの本当の姿。
すごい、と小さく感嘆のため息をついているとツナは「誰ですか!?」と騒ぐ。
スーツに銃、特徴的なもみあげを見ればリボーンだとすぐにわかりそうなのに……
さすがツナ、と笑うとリボーンは呆れたように「カオスだな」とため息をついた。
「なんだツナ、わからないのか?この男は…」
「ダメツナに名乗る名はない」
家光さんがリボーンであることを伝えようとしたが、リボーンは教える気はないらしい。
家光さんの言葉を遮るリボーンに家光さんは苦笑まじりに肩をすくめた。
そんな家光さんの様子に気付くことなく、ツナは大人のリボーンに話しかけていた。
「何でオレのことダメツナとか知ってんの!?」
「オレ界隈では有名な名だ」
「なにそれー!?」
「あはは、確かにね」
「美瑠、笑い事じゃないぞ。…ったく、沢田の奴鈍感にも程があるな」
呆れたように言うラルにコロネロは「しかし、リボーンの奴、なぜ名乗らないんだ?」と首を傾げた。
それに、リボーンの言う“レッスン”とは一体なんなのか…と。
リボーンの目的を知っている私は軽く笑うだけで答えは言わない。
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