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「委員会の仕事があるんだ。手伝って」

「死体処理じゃないよね…?」

「クスッ。違うよ、ただの書類整理。
それにこんな仕事を美瑠にさせるつもりはないからね」

「なら、手伝うよ」




ニコリ、と微笑んで了承すると「じゃ、行こうか」なんて手を差し出される。
そして何故かふわりとした浮遊感が襲って、視線が少しだけ高くなった。

恭弥の手が私の足と背中に回されて……ってこれって、




「恭弥!?」

「ん?何?」

「何、じゃないよ!何でお、お姫様抱っこ…っ」




俗にいう、お姫様抱っこされていた。

カァッと羞恥で顔が真っ赤になっていくのが自分でもわかる。

ハルなんて顔を赤くしながらもこっち凝視してるし…!
みんなは突然のことで固まってるから余計に恥ずかしい!




「美瑠をここから一人で降ろすわけにはいかないでしょ。危ないし。
じゃあ後で風紀委員の人間よこすよ」

「委員会で殺しもみ消してんのー!?」




ツナ、ツッコミのキレは鋭いけど…お姫様抱っこにまずつっこんでほしかったよ…!

恭弥はスタスタと私を抱えたまま窓に戻り、枠に足をかける。
あ、靴!なんて思っていたらリボーンに「靴だぞ」って用意周到にも私の靴を渡された。

こんなときだけ悪ノリするんだから…あぁもう、いいや、諦めよう。

一つだけ諦めの溜息をこっそりついて恭弥にしがみつく。
すると少しだけ抱き締める力が強くなった気がした。




「またね」

「いや!ちょっ、あの!」

「10代目、どいてください!あいつだけはやり返さねーと気が済まねぇ!」




ぶわっと痛いくらい風が吹き抜けてスタン、と綺麗に地面に着地。
靴を地面において恭弥にゆっくりおろしてもらい、やっと地面が足につく。

…まだ浮遊感で頭がくらくらするよ……

うーん、とどうにか浮遊感を元に戻すと隼人のお決まり文句が聞こえて、爆発音。
え、とくらっとする頭で見上げれば無数のボムが降ってきていた。

いつの間にこんなことになってたの!?

まずい、とぎゅっと目を瞑って受け身の体勢を取るとシャキン、という金属音が耳を擽り。




「そう死に急ぐなよ」




降りてきたボム、全部恭弥がトンファーで打ち返していた。

打ち返して、向かう先は投げた本人達の所。
つまり隼人達の方に向かっていたからとっさに銃を取り出して何本か短くなった導線を打ち落とす。

全部消したかったけどそんな早撃ち、私にできるはずなくて、何本か残したままボムはツナの部屋の中に入ってしまった。

瞬間、鳴り響くのは爆発音。

爆風がこちらにもきてさっきの風とは違う煙が辺り一面に広がる。




「みんなっ……」

「大丈夫だよ。さ、乗って」

「でも…」

「あの火薬の量だったら軽い火傷程度だよ。
それにあの場には赤ん坊がいたんだ。彼らに酷い怪我は負わせないはずだよ」

「…そう、だね」




気配を辿ると一つ増えつつもみんな元気みたいだった。

そのことに安心して恭弥からヘルメットを受け取り(…本当にバイク運転してきたんだ…)
後ろに乗ると勢いよく爆音を鳴らしながら発進した。



(その後モレッティが死体ではないことを教えると「なんだ、つまらないな」って肩をすくめた恭弥がいた)

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