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人は誰しも誰かに影響を与えながら生きている。

それを忘れては、ならない。





12 周りの心境





―――side 綱吉



「おはよう、ツナ!」

「おはよう美瑠ちゃん!」




いつもと同じように笑って挨拶してくれる美瑠ちゃんにホッとしながら笑い返す。

よかった、昨日はどこか空元気だったから……
何かあったんだろう。けど…何も言ってくれなかった。

当たり前だよな…美瑠ちゃんとオレはまだ会ったばっかり。

そう簡単に相談してくれるっていう方が、変だ。

……でも、少しだけ…美瑠ちゃんに頼って欲しかった、っていう気持ちも、ある。

でももう心配はいらないみたいだ。
美瑠ちゃんは自分できっと解決してしまったんだろう。

解決っていうか……どこかいつも以上に笑顔が輝いてるから……




「美瑠ちゃん、何かいいことでもあった?」

「えっ!?」




オレに指摘されてカァァッと真っ赤になっていく美瑠ちゃん。

本当にいいことあったんだ…!

わかりやすいなーっと笑うとリボーンが「聞くだけ野暮ってもんだぞ」と言いながら現れた。

その笑みは何でも知ってるって笑み。
ちぇっ、オレだけ知らないのかよ…!

…けど、いいかな。美瑠ちゃんがとても幸せそうな笑顔をしているから。


(その笑顔にドキッとしたことは秘密だけどね…!)

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