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―――side リボーン



おはようツナ!と挨拶している美瑠に内心ホッとしたのは事実だ。
よかった…いつもの、…否いつも以上の笑顔だ、と。

昨日は美瑠のことが心配で美瑠をつけていれば上級生らしき人間に連れて行かれてしまった。
慌ててその場所へ行けば、半ばいじめのように取り囲まれながら美瑠を罵る女達に心底怒りが積もった。

もし雲雀が現れなかったらオレの愛銃が火を噴くところだったぞ。

でも…美瑠がはっきりと雲雀のことが好きだと。

さっきまで俯いていた美瑠が女達に向かってはっきりと言ったときには、正直感心した。


あの……幼い頃、よく泣いていた美瑠があんなにも成長したんだ、と。

流石オレの自慢の生徒だ、と誇らしくも思えた。




「おはよう、リボーン!」

「ちゃおっス。よかったな」




雲雀のこと、と口に出さずともわかるのか美瑠ははにかみながら「うん」と頷く。

その笑顔は最近見た中でも一番輝いていた。

一番、幸せそうで。
…美瑠が雲雀のことを好きになった、というのは予想外だったが、それでもいいかと思えるくらい。

オレは美瑠の笑顔を守るためならなんだってする。

この手がいくら血を塗り重ねようとも構わない。

ただ、あの純粋な…どこまでも人を幸せにする笑顔を守れれば、それだけでいい。

あの笑顔を曇らせるような人間は、オレが許さねぇ。


実はね、とツナに雲雀とのことを教える美瑠の横顔を満足げに見つめる。

少し恥ずかしいのか頬を軽く赤く染める美瑠は今まで一度も見たことない笑顔を浮かべていた。

これがビアンキの言う『愛』とかいう奴の力か?




「恭弥と付き合うことになったの」

「…………えぇええっ!?」




……まぁ、何にせよ。

美瑠には笑顔が一番。それが守られているのなら、オレは応援するぞ。


(緩やかに、オレの口元が笑みを浮かべていた)

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