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「気にしないで!リボーンの冗談だから」

「冗談じゃねーんだけどな」

「そんなこと言われちゃったら他の愛人さん達に殺されちゃうよ」




ビアンキ以外に他にも愛人いるの―――!?

た、確かに世界最強のヒットマンだからモテるかもしれないけどさ……
オレ…赤ん坊に負けてるってこと……?…やめよう、考えたら哀しくなるだけだ。

彼女は「先生であり、大切な人の一人かな?」と明るく答えてくれた。
愛人かどうかはともかく…2人が知り合いだってことはよくわかった。

って…あれ……今、先生って言わなかった…?




「もしかして……」




ふいに呟いた言葉に彼女の雰囲気が柔らかいものから、どこか凛とした―――張りつめた、空気へと変化する。

ニコリ、と笑っているのにどこか大人びていて……自然と背筋が伸びそうな、そんな雰囲気。

彼女はスッと姿勢良く立って、そのまま優雅にゆっくりとお辞儀する。




「初めまして、沢田綱吉くん。
私は彼方美瑠。殺し屋とマフィア、両方をしています。
これからよろしくおねがいします、十代目」




彼女も…マフィアなんだ。

しかも殺し屋までしてるなんて…人は見かけによらない、っていうけれどまさにその言葉がぴったりだと思う。

もし彼女が街を歩いていても誰も殺し屋とかマフィアとかそんな風には思わないだろう。
むしろモデルとか女優とか、芸能人と間違えられてしまうんじゃないかな。
それくらい可愛いのに…マフィアで殺し屋なんだ。

信じられないけれど現にリボーンの元(…だよね?)生徒だったみたいだし……
ちょっとだけ信じられなかったけど、この凛とした表情を見てたらそうかもしれない、なんて思った。




「え、えっと、よろしく。…って十代目じゃないから!!」

「ぷっ…あはは!聞いたとおりの人でよかった!」

「え…?」

「あ、ごめんね。笑っちゃって;
でもリボーンが『ツナはボスになる気がない奴』って言ってたから」

「お前…っ!そんなこと言ってたのかよ!?」




た、確かに事実だけどさ…!
でも、だからってそんなこと美瑠ちゃんに言う必要ないだろ!?
ていうかもっと他に言うことなかったのかよ!

恨めしそうにじとっとリボーンを睨めばさっきの美瑠ちゃんに向けた優しい笑みはどこへやら。

たちまちニヒルな笑みを浮かべて飄々と「事実を言ったまでだぞ」と言いのけた。

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