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携帯の着信音にディスプレイを見れば懐かしい彼の名前が浮き出ていた。
風紀のお仕事中だったから恭弥に許可をとって廊下に出て、電話を取る。
その内容は彼がここ、日本にきているという嬉しいお知らせ。
すぐに行く、と返事して恭弥に先に帰ることを告げて、いざ―――彼に会いに。
14 大切な人、来る!
嬉しさで足取りが軽く、すぐに彼のいる場所、ツナの家に着いた。
ツナの家の前にはずらりと彼の部下達が待っていて、お久しぶりです!と挨拶すれば「美瑠お嬢じゃねぇか!久しぶりだな、元気にしてたか?」と頭を撫でられたりする。
相変わらず温かい人達で、はい!と大きく頷くとそうか、とみんな嬉しそうに笑ってくれた。
ボスはこの中だぜ、と言われて奈々さんに挨拶をしてから部屋の中に入る。
ツナの部屋のドアを開けて、まず目に飛び込んだのは…大きな黒革の椅子。
そしてそこに座る―――実の兄のように優しくしてくれた、ディーノ。
「ディーノ!」
「…!美瑠!」
ギシリ、と音を立てて椅子から立ち上がり、ぎゅっと私を抱き締めてくれる。
温かい…昔と変わらない、温かさにイタリアの事を思い出した。
会いたかったぜ、と呟いて私の頬にキスを落とすディーノに私も、と返す。
ニカッと変わらない笑顔を浮かべるディーノにホッとしているとロマーリオさんが「相変わらず美瑠お嬢バカだな、ボスは」と明るく笑った。
「し、仕方ねぇだろ?美瑠が小さい頃から知ってんだから」
「私もディーノがへなちょこだった頃から知ってるしね」
「ははっ!違いねぇな!」
「ただのシスコンだな」
リボーンのさりげない毒に否定できねぇ!と叫ぶディーノ。
それを言うなら私もブラコンっぽさが否めないというか……
どっちもどっちじゃないかな、と軽く頬を弛めた。
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