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「今日はどうしたの?」

「遊びにきたんだよ。美瑠とオレの弟分に会いたくてな」

「とりあえず座れ、美瑠」




そうリボーンに勧められ、コーヒーだぞ、と香り高いコーヒーを出される。

この香りの高さ……リボーンの愛用の豆をベースにしたブレンド…だよね。
ここまでのコーヒーを作るにはそれなりに本格的な機械を使わないといけない。

これを作るには…あ、もしかして。




「よかった。私があげたコーヒーメーカー使ってくれてるんだ」

「もちろんだぞ」

「おっ!もしかして噂のリボーン愛用コーヒーメーカーか?
へぇ、美瑠がプレゼントしたのかー!」




羨ましいなー、つーかオレにコーヒーねぇのか?と聞くディーノに、自分で淹れろ、と仰ったリボーン。

そんなリボーンに「ちぇ、相変わらず美瑠にだけ甘いよな」と拗ねた。

その言葉にリボーンは自信満々に「当たり前だ」って肯定。


…なんだか恥ずかしい……でも、嬉しさも半分。

そう微笑んでいるとディーノが小さく首を傾げた。




「そう言えば、まだボンゴレ十代目は来ないのか?」

「もうすぐ来ると思うぞ」

「うん、噂をすれば…」




何とやらってね。


ドタドタと階段を駆け上がる少し騒がしい足音と『リボーン!お前の仕業だな〜!』というボスの声。

その足音は次第にこっちに近づいてきて、ガチャリ、と勢いよくドアが開いた。

もちろん、私達が予想した通り、この部屋の持ち主がそこに立っていた。



「待ってたぞ、ツナ」

「お邪魔してます」

「美瑠ちゃんも!?一体これって何なんだよ…!」

「いよぉ。ボンゴレの大将」




ディーノの声…つまりツナにとっては知らない人の声にツナの視線がディーノの座っている椅子に向かう。

こんな高価なでかい椅子あったっけ!?とツナが驚きに目を見開くと、ゆっくり椅子がツナの方にくるり、と向き直った。




「はるばる遊びにきてやったぜ。
オレは、キャバッローネファミリー10代目ボス、ディーノだ」




さらり、と金髪が揺れて、小さく手を組んでゆったりとするために膝に腕を乗せた。

ツナはキャバッローネファミリー、の名前は知らなくてもマフィアということはわかったのか。
驚きの目をさらに丸くして、ディーノを見つめる。

そしてディーノは目の前にいる弟分、ツナをじっくり見て、その器量を見極めていた。


上から下へ、視線は下がり―――プッと噴き出す。




「こりゃダメだな!」

「…へ、?」




だ、ダメ?とツナが突然のダメ出しに首を傾げるより早く、

ディーノは組んでいた手を開き、ツナから目を逸らさずに右手に頭を委ねた。




「オーラがねぇ。面構えが悪い。覇気もねぇし、期待感もねぇ」

「足が短ぇ」

「(リボーン、しれっと付け足してる!)」

「幸も薄そうだ。ボスとしての資質ゼロだ」

「(初対面でいきなりダメだし―――!?)」




ツナの心のツッコミが聞こえてきそうでクスリ、と笑みをこぼす。

急にこんなこと言ったらディーノのこと、性格が悪いように思うかな?
…けどね、本当はこんなに偉そうに言えるような人じゃないんだよ。

寧ろ少し前までは自分もそう言われても可笑しくなかった人。

ツナと同じでね―――マフィアになるには余りにも優しい人だったんだ。


それに“へなちょこ”だったしね?


周りにいたロマーリオさん達も盛大に笑って、ツナが恥ずかしそうに顔を赤くする。

けど、怒っている様子はなくて。

普通なら「バカにした」って怒っても可笑しくないのに。…やっぱり、優しいね。


こういう所、私はボスとしての資質…というより懐の深さを感じる。




「ディーノ、私は期待感あると思うよ?」

「そりゃあ美瑠だけだと思うぜ!」




なんてそんな話をしている間にツナがこそっとディーノ達のことを聞いていた。


何なんだよ、このヤバイ連中は!って。

ヤバイ連中って……確かにマフィアだけど、みんないい人達ばかりだよ?


なんて、苦笑しながらリボーンの答えに耳を傾ける。

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