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夕陽で真っ赤に染まった校舎の中、少し早歩きで応接室へ向かう。

この時間じゃ恭弥も帰っちゃってるかもしれない……
その時は夜まで私一人で書類を片付けるしかないかな。
恭弥に押し付けちゃった私が悪いんだし……
一日サボっただけでも風紀のお仕事って溜まっちゃうんだよね。

応接室の前に立つと鍵が開いていたからそのままドアを開けて、中に入っていく。

広がる世界は、恭弥のいない応接室。
…やっぱり、いないよね……
仕方ないけど、と苦笑して恭弥の机に近づいて溜まっていた書類を持ち上げる。

……あれ…?私が出ていったときから、進んで、ない…?

どういうことだろう?と首を傾げると同時に、後ろに気配。
ハッとして振り向く前に…ぎゅうっと強く抱き締められた。
誰、と身を固くするよりも早く頭がこの腕の温かさにホッとして、誰か、というのを理解する。


ううん……理解しているんじゃない。だって、間違えるはずもないから。

この温かさ……恭弥、だ。


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