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どんなに喧嘩が強くったって、どんなに最強の名をほしいままにしていていたって。
彼も私達と同じ人間。…風邪だってひくものだ。
16 最強な彼も風邪をひく
今日も恭弥とお茶をしたり、風紀の書類を片付けていたりして忙しくしていた。
でも最近は特に変わったこともないから…比較的平和。
街を管理する書類を見つけて、街まで管理するんだ、と苦笑しながら書類を纏めて、恭弥専用の机に持っていけば、恭弥が「ありがとう」と……、…あれ…?
さっきの恭弥の様子、少しいつもと違った…?
でも表情はいつもと変わらない気もするけど…気のせい、だったのかな。
「…ねぇ、恭弥」
「ん…?」
「体調、悪くない?」
出てきた言葉に、自分で吃驚。
体調が悪い、なんて思っていなかったのに…自然とでてきていた。
でも一度言葉に出すとなんだかそんな気がしてくる。
じっと恭弥の顔色を観察すると…いつもより、顔色が悪い……
恭弥は表情が変わりにくいからわかりにくいかもしれないけど、確かに顔色が悪いように見える。
恭弥は一瞬考え込むような仕草をして、
「…そういえば気分悪いかも」
と、とても曖昧な答えをくれた。
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