1
颯爽と現れた貴方はまるで正義のヒーローのよう。
でも正義の色とは正反対の黒が、鮮明に私の目に焼き付いた………
2 目を奪われる、瞬間
学校の校門前だけど話はどんどん進んでいく。
さっきから見ていて本当にツナとリボーンは仲がいいみたい。
リボーンは格下なんて相手にしないからツナを構うのは同等だと認めている証拠。
きっとツナは十代目に相応しい人なんだね。
「美瑠もここに通うんだろ?」
「うん!明日からね」
「えっ!?美瑠ちゃんって中学生だったの!?」
「…?うん。そうだよ?」
肯定すれば、みんな、といってもツナと武だけだけど驚愕する。
そんなに驚くことかな…?確かにイタリアでは小学生に見間違われていたけど……
それはイタリアの女の子達が私より大人っぽいからであって、私が童顔だったからじゃない!…と思いたい。
日本にくれば私も中学生に見えるって思ってたんだけどなぁ。
やっぱり小学生にしか見えないのかな…?
(それって私が童顔って決まったも同然…!?)
「…高校生かと思ったぜ……」
「え…?」
呆然と呟いた武の言葉に思わず聞き返してしまった。
だって……高校生だよ?
今まで小学生に間違えられてた私がもっと年上に見られたなんて…!
やっぱり私って童顔じゃなくて、ただイタリア人が大人っぽいだけだったんだね。
よかったー……じゃなくて!
「私、武達と一緒の年だけど?」
「えっ!?」
「まじで!?」
さらに驚かれた!?
信じられない、とばかりに目を見開くツナと武。
わ、私の方が驚きそうだよ…!
ツナに「どこからどう見ても年上にしか見えないって!」と叫ばれて、そうなのかな…?とピンと来なくて首を傾げた。
「本当に同じ歳だよ?ね、隼人」
「あぁ」
「同じ年には見えねぇって!」
「美瑠は大人っぽいからな」
リボーンが楽しそうにニッと口の端をあげる。
私もつられて笑うとみんなの顔が少し赤くなった。
ずっと話してたから今気づいたんだけど、もうみんな下校しちゃったみたい。
生徒の影が私達しかなくて、周りも寂しいくらい静か。
あ、私はまだ生徒じゃないけど。
そろそろ帰らないといけないかな?と思い始めるとなんだか違和感を感じる。
殺伐としている、というか……あ、微量の殺気……
どこからだろう…いろんな所から感じるから狙っているのは複数の人間。
リボーンも気付いているようで私に視線を投げかけてきた。
何て言うか…嫌な予感っていうものは結構当たるものだよね。
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