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「できたっ!!」
夜遅く、もうみんなが寝静まった頃。
私は夜な夜なキッチンに立って、一人甘い匂いの中立っていた。
すっごく疲れたー!でもすごく納得できるのができた。
よろこんでくれるかな……
18 チョコは甘くコーヒーは苦く
「サンキュー」
「てめーらついてくんじゃねぇ!」
放課後の教室ではすでに二つの女の子の山ができていた。
一つは武にチョコをあげる女の子達。
もう一つは隼人にチョコをあげたい女の子達。
すごい!二人もとモテるんだね。
そう感心しているとツナも感心したように私に同意してくれた。
「帰りまでひっきりなしだね」
「ツナ、チョコ貰った?」
「うっ……もらって、ない…」
すごく傷ついたような顔をしたツナによかった、と安心する。
二人みたいにいっぱいもらってるなら、私のなんてあげなくてもいいもの。
にっこり笑って昨日頑張って作ったチョコの箱を差し出した。
「はいっ!ツナにチョコ」
「………え!?」
『(えぇ――――!?[クラスの男子全員])』
「(ずりぃぞダメツナのくせに!!)」
「(オレも美瑠ちゃんからもらいてー!!)」
「ほ、本当にオレに?」
「うん。ツナのために作ってきたんだよ?」
『(羨ましい言葉までいってもらいやがって!!!)』
「あ、ありがとう…!」
私が差し出す箱をゆっくり受け取るとツナはその箱をじっと見つめた。
すごく、すごく嬉しそうに。
そんなに嬉しそうにされると私まで嬉しくなって、思わず微笑んでいた。
けれど、何故か弾かれたようにツナは顔をあげるときょろきょろと周りを見渡す。
そして京子の方を見て、少しだけ慌てるから、あぁそっか、と笑った。
「…!大丈夫だよ!」
「え?」
「京子には私がちゃんと言っておいたから。誤解なんてされないよ」
「よ、よかったーっ!…ってえ!?な、なんで!?」
「…?京子のこと、好きなんでしょ?」
「なんで知ってんのー!?」
「見てればわかるよ」
いっつも京子を見て顔を赤くしたり、しどろもどろになったり…わかりやすいもの。
小さく耳打ちすればツナが恥ずかしそうに俯く。
その様子に「かわいいなぁ」なんて同じ年なのに思ってしまった。
そして、再び京子の方を見るとどこか不安そうな顔。
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