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「翠徠?」
信じられない、というような声音で私の名を呼んだ彼の声に私の足が止まる。
ふわり、と私の髪が頬にかかりその軽さから今のは幻聴じゃないかという懸念に駆られた。
でも、違う。
これは幻聴じゃないんだ。
ゆっくりと体ごと振り向けば…懐かしい彼の姿が目に入る。
白いシャツに黒いネクタイ、それに反してカジュアルな黒いパンツ。
長い藍色の髪を優雅に靡かせて青色と赤色のオッドアイを驚きで丸くしている。
本当に久しぶりに見た彼―――六道骸の姿に私は骸、と嬉しそうに彼の名前を呼んでいた。
「…っ、翠徠」
「久しぶ…きゃっ」
久しぶりにきゃ、とか女の子らしい声をあげたな、と冷静な頭がそう判断しつつ、ぎゅうっと抱きついてくる骸を抱き締め返している自分もいた。
少しだけ苦しかったけれど骸が本当に嬉しそうに抱きついてくるから何も言えず。
骸、と再び彼の名前を呼べば嬉しそうな声音で私の名前を呼んだ。
「逢いたかったです」
「…うん、私も」
「ずっと、探してて、」
「うん」
「クロームも犬も千種も、心配してました」
「…うん」
「…っ、逢いたかった…っ」
そう言ってくれる骸の背中を優しく撫でる。
骸は幼い頃からの親友。
私には能力なんてないけれど幼い時骸の精神世界に迷い込み、そこで友だちになった。
修行がキツくて死にたいとまで思ったときも骸に励まして貰って……
楽しい話や哀しい話…たくさん、たくさん話した。
それこそ現実世界なんかより、たくさん。
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