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中学の時初めて現実で犬や千種に会って、その後に髑髏にも会った。
骸が復讐者に連れて行かれたって聞いたときは本当に悲しくて、一時期はイタリアに行って空の名前を使って骸達に会いに行こうかとさえ考えた。
こうみえて空の名前の力というものはイタリアでもかなり大きな意味を持つのだ。
でも夢の中で会えるから、と骸に宥められて名前を使うことはなかったが、そのぶん骸と夢の中でたくさん話した。

楽しかった……私にとって、骸達だけが私の心の支えだった。

でも私が当主となるとき、私は骸達との関係を一方的に絶った。
骸達といれば私は甘えたままの自分だったから……

だからきっと連絡の付かなくなった私を心配してくれてたんだ。
もう…忘れられていると思っていたのに。
落ち着いたのか骸はそっと体を離して私の目を優しく見つめる。




「…今はどうしてるんです?」

「家の当主になって、ヒットマンとして生きてるよ。通り名は…『neve nera』だったかな」

「君があの有名な…?」




そうだよ、と返しながら内心嬉しくて思わず頬が弛んでいた。
骸が有名な、と言ってくれた…あのマフィア嫌いの骸がだよ?

これは今までで一番の褒め言葉。




「…どうであれ、翠徠が元気でよかった」

「ふふ、一般人じゃないこと知っててそんなこと言うなんて骸らしくないね?」

「本音なんです。仕方ないでしょう?」




優しい優しい骸。

こんなにも心が温かくなったのは久しぶり。
ニコリ、と微笑むと骸も優しく微笑んでくれた。
この温かさに少しだけ浸って、そっと自分の胸の前に手を当てる。

(あぁやっぱり、温かい)




「そろそろ帰らないといけないの。
今度またくるからその時たくさん話そう」

「そうですか…絶対に、たくさん話しましょうね。
クロームと犬と千種も呼んでおきますから」

「うん、またね」




名残惜しそうにしてくれる骸に苦笑しつつも嬉しさで笑顔になる。
控えめに手を振れば気づいてくれたようで手を振り返してくれた。
さらり、と骸の綺麗な髪が風に揺れる姿を見納めて、私は玄関を出ていく。

未だに温かい胸を抱えて……




大切な彼
(変わらない優しさ)

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