1



家に帰れば部下達が心配していて過保護な幹部達が色々聞いてきたけれど大丈夫、の一言で黙らせる。
うるさい反面過保護すぎる、と苦笑すると「当たり前です!」と胸を張られた。
全然胸を張ることじゃない。けど、それはあえて言わないであげた。
理由は簡単で、これ以上言うと大の大人が拗ねるから。

ひとまずシャワーをもう一度浴びて私服に着替えると少し遅めの朝食を食べた。
イタリアだけど私が日本人だからかシェフはいつも日本食を作ってくれる。
今度板前さんを雇おうかな、と考えながら塩加減のいいおみそ汁を飲んだ。
はぁ、と至福の溜息をつくとピリリ、と内線が入る。
若干幸せの時間を邪魔されてムッとしたが何かあったんだろう、と思い直し内線の電話をとった。

部下達にはいつも

「私の幸せの時間(食事、睡眠の時間)を急用の時以外妨げるな。妨げたら…」

って無言の重圧まで使って脅し…いや忠告してるから。




「はい」

『も、申し訳ありません、お嬢。お食事の時間を邪魔してしまって……』

「謝罪はどうでもいいから用件をさっさと言いなさい」

『はい…実は…『ししっ、久しぶりー翠徠。王子がきてあげたよ』

「…!ベル」




電話口に聞こえる独特の笑い声と一人称に彼の名前を呼ぶ。
なるほど、確かに部下達にとっては急用かもしれない。
なぜなら彼はボンゴレ特殊暗殺部隊、ヴァリアーのメンバーだから。
部下達にとってはいわば戦ったら互角かそれ以上の力の持ち主。

しかも今回来ているのはスクアーロではなくあの、ベル。
自分の気分次第でナイフを大量に投げ始める彼じゃ部下達も慌ててしまうわけだ。
仕方ない、と思う反面、ベルくらい少しの間相手にできないのか、と情けなくもなる。




「なんでいるの?」

『えー会いに来た』

「嘘。ベルがそんなことでくるはずない」

『マジだって『先輩―絶対バレてますよー嘘』…うっせ、バカガエル』




ぴ、という電子音と共に電話が切れる。
その瞬間にナイフが投げられる音がしたのは気にしないことにしよう。
だって気にしていたら負けだから。

- 22 -

*前次#

back

ページ:


ALICE+