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きっと……ここが、郁織の部屋。
幹部の部屋、つまりは守護者や私達専属ヒットマン達の部屋とは違って少し小さめ。
…一応私も専属ヒットマンだから部屋を貰ってるけど、一度も使ってない。
私には帰るべき屋敷があるから。…迎えてくれる部下達がいるから。

どうぞ、という郁織の言葉に私は無言でその部屋の中に入る。
さてと…郁織は一体どういうつもりで私をここに呼んだのかしら。

一つ、本当に純粋にお話をするために呼んだ。
二つ、リンチするために呼んだ。
三つ、殺すために呼んだ。

一番ありえるのは二つ目、一番ありえないのは一つ目、度胸があればできるのが三つ目。
くるり、と背を向けていた郁織は私を振り返る。

―――二番が正解かもしれない。
だって郁織の顔が……とても憎しみで歪んでいるから。




「あんた…何のつもり?」

「何が?……っ」




パシンッ!なんてそんな平手打ちの音が大きく鳴った。
きっと私の頬は赤く腫れているだろう。…殴られるとわかっていて、とめたり、避けたりしなかったから。
私は何の感情も浮かべず、郁織を見上げれば郁織はもう一度私の頬を殴った。

…まぁ、痛くないわけじゃないけど、あんまり痛くない。
やっぱり郁織は非戦闘員だから腕力がなさすぎる。




「“何が?”?とぼけないでよ!ツナに色目使ってるかと思ったら骸さんやリボーンくんにまで!
そんなに大して可愛くないくせに、調子に乗らないでよ!」

「乗った覚えも色目使った覚えもない」

「はっ!無自覚で使ってんの?すごいわね」

「…言いたいことはそれだけ?幼稚な苛めに付き合っていられるほど、私は暇じゃない」

「待ちなさいよっ!」




背を向きかけると郁織はぐいっと私の腕を掴んで自分の方を向かせる。
…なんて哀れな人。非力なくせに私に立ち向かうなんて。
私は反射的に掴んだ腕を逆に掴みあげ、ねじりあげた。
あまりにも手加減せずに躙りあげたからか痛いっ!と金切り声をあげる郁織を冷たく見下ろす。

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