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「これなんてどうです?情熱的な赤!」
見かねた部下は奥から真っ赤なドレスを引っ張り出してきた。
情熱的で、鮮明な薔薇色。
透明感もあるようだけど、どこか上品で。
くびれが強調されていておとなしめなマーメイドドレス。
でもどこか華やかさを忘れない、大人っぽいドレスだった。
……胸元が少し開きすぎるような気がするけど、気にしないことにした。
素敵でしょう?と笑う部下にそうね、と同意する。
私がそうね、と同意すればそれは決まったも同然。…実際、気に入っちゃったんだけど。
それを合図に部下達が一斉に動き出してこのドレスに似合う靴やネックレス、ピアスなどを決め始めた。
楽しそうに選ぶ部下達に私より女らしい、と小さく笑ってベールを見る。
あのドレスで踊るのも悪くないかな……その為には、このベールを使わなきゃね。
「着がえてくるから選んでおいて」
『はい!』
元気のいい声を聞いて私はその部屋を出て自室に戻る。
着物を脱ぎ捨てて真っ赤なドレスに着替えて化粧と髪をアップにした。
華やかなドレスだから髪の毛も華やかにしないといけないから大変。
その後部下達が入ってきて次々に着飾らせられる。
あんまり派手にしないでよ、なんて言わなくてもわかってるから装飾品は小さめだった。
できた、という部下の声に私はミュールを履いて立ち上がる。
「やっぱりお綺麗っす、お嬢…」
「ありがとう。あと、みんな…準備、手伝ってくれてありがとう」
ふわり、と微笑むと部下達は感極まったように泣き始めた。
そういえば久しぶりかもしれないわね、こんな風に笑いかけたの。
男のくせに、と苦笑して泣かないでよ、と言ったけど部下達は首を振って「泣いてません」なんて言う。
彼ら曰く「心の汗」だとか。
そんな下手な……まぁ、彼ららしいけど。
行ってくるわ、と伝えて部屋を出て行く。
その時に「いってらっしゃい」という声が聞こえて、小さく笑った。
私のファミリー
(少し間抜けなとこがあるけど、自慢のファミリー)
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