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ボンゴリアン・バースデーパーティーというのはある意味厄介な日だ。
普通のパーティーとは違ってオレの誕生日を祝おうと必死になる奴らを嫌でもみないといけない日。
どいつもこいつもオレに気に入られようと必死な奴らばっかり。
オレから気に入られれば同盟ファミリーの中でも勢力をつけられる。
中には自分の娘を差し出して愛人、または婚約者に、という奴もいた。

即刻0点つけたけどね。

守護者達や昔から知ってる奴らなら、心のこもった物を持ってきてくれて、…それが例えポイズンクッキングだったとしても嬉しかった。

―――昔、平和だった中学の時のことを思い出される。
でも今が不幸せ、というわけじゃない。
中学の時に手に入れられなかったものが、手を伸ばせば触れられる距離にいるから。

誰も触れられない、一輪の薔薇のような子―――空翠徠。

オレが中学の時から愛している、子。


昔はずっと遠くから見ているだけだった。
中学の時はダメツナって呼ばれるほどダメだったから一人違う空気を纏った彼女に話しかけることすらできなかった。
地味で目立たないのに、オレの目には綺麗で美人な子に映る。
人に溶け込んでいるようで、一人だけ、異質で。
今考えると…一つの憧れだったのかもしれない。
一人でも凛と真っ直ぐ生きられる彼女が、格好良くて。…羨ましくて、オレとは全然違ったから。

でも高校の時翠徠だけがいなくなった。みんなは一緒だった、のに。
その時だったんだ。オレは翠徠が好きだったんだ、って気がついたのは。
それからオレは翠徠について調べて―――ヒットマンであることを知った。
ヒットマンだったことに大して驚きはなかった。寧ろ、納得した。

あぁ、やっぱり彼女はオレらと違って、オレらと一番近いんだって。

だから高校に入ってリボーンのスパルタに一生懸命ついて行った。

全部全部……翠徠に追いつくために。

そのおかげかオレは今の地位にいられる。翠徠も、手にいられた。
まぁあの愛人収集家であるリボーンが翠徠のことを愛していたっていうのは予想外だったけど。

今日も翠徠が来てくれるから面倒ごとも引き受けている。
一人壇上にある王座に座って高みの見物をしながら…翠徠の姿を探す。

まだ来てないのか……早く、来てほしいのに。

丁度同盟ファミリーの…名前も忘れた奴のプレゼントを受け取って、次、という声がかかった瞬間。
ザワリ、と会場内にざわめきが走る。
オレはまさか、と入口に目を向けて……言葉を、失った。

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