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ここはどこ。
目が覚めて第一声は、それ。
なぜか奪われていない愛銃を不自然な笑みを浮かべている彼に何の躊躇いもなく向ける。
素早く周りに目を向けると明らかにここは自分の知らない場所。
いや、何となく予想はついているけれど。
豪華ともいえるシャンデリアにふわふわとしたレッドカーペット。
華美でない、でもどこか品のあるソファーや机が並んでおり……何故か目の前に沢田綱吉。
「目が覚めて良かった」
「……ここはあなたの部屋?」
「うん。あ、これ紅茶。飲んだら落ち着くよ?」
「嫌。何入ってるかわからないから」
「ははっ!信用ないね、オレ」
「拉致してきたあなたをどうすれば信用できると?」
棘のある私、飄々とかわす沢田綱吉。
第三者が見れば私がなんて素っ気ない女なんだろうと言われるだろう。
でも実際、彼は私を拉致ってきたのだ。
自分でもきっと自覚しているであろう、甘い、毒の含んだ声と睡眠薬が仕込まれていた針を刺して私を気絶させてから。
キッと睨みつければ爽やかな、胡散臭い笑みを浮かべる沢田綱吉。
あぁ、もうこのやりとりも飽きた。
さっさと用件を済まして帰ろう、と決めた私の行動は早く。
寝かされていたキングサイズの(恐らく沢田綱吉の)ベッドから起きて居住まいを正す。
「率直に言うわ。何の用?」
「さすが、翠徠。度胸が据わってるね」
「茶化さないでさっさと答えて」
うーん、そうだなぁ、なんてのんびりと考える沢田綱吉に苛立ちが募る。
大体、私がズバリと斬り込んだ時も銃を向けた時も、とても満足そうに笑う彼が気に入らない。
どうしてこうも飄々とできるのか。
あぁ、あの家庭教師様が悪いのか、それとも地が悪いのか。
どちらでもいいけれど、時間稼ぎをしているようにしか見えない沢田綱吉に、苛々する。
わからないことが多すぎてしびれを切らした私は向けていた銃を今度は眉間に狙いを定めて、殺気を滲ませた。
「私、待つのが嫌いなの」
「……本当に中学の時の翠徠とは大違い。
それが素なんだろうね。最高の女性だ」
「言いたいことはそれだけ?なら、帰るわ」
「それは、ダメ」
パシッと腕を掴まれて、悔しいくらい澄んだ琥珀色の目が私を見つめる。
それでも負けじと彼を見つめ返した。……そうじゃないと、負けた気がして。
数秒だけ見つめて、はぁっと溜息をつく。
根気負けとはいいたくないけれど、こうしている時間が無駄な気がして目を外す。
離して、と腕を払えば何とも簡単に手が離れていった。
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