赤いリボンに君を想う
引き出しをあけると最初に目に入るのは僕の机の中にあるには似つかわしくない可愛らしい赤いリボン。
まだこのリボンを持っていると知ったら、君はどんな反応をする…?
〜メーデー、メーデー〜
「雲雀さんって髪綺麗ですよね」
髪もこんなにふわふわしてて、全然傷んでないし。
女の子として羨ましいです。
そう笑いながらいう姫に風紀の書類を手放して、自分専用の椅子からソファーに移り姫の隣に座った。
姫は真面目だから長い髪を赤いリボンで二つに結んでいる。
でも結んであっても充分姫の髪の綺麗さがわかった。
「姫の方が綺麗だと思うけど」
「そうですか?」
「そうだよ。…ほら」
するっとリボンを解くと重力に従って姫の髪がさらりと肩に散らばる。
あっ!という非難の声を無視して姫の髪を弄んだ。
くるくる、くるくる、
そんな音が出そうなくらい。
「…結ぶの大変なんですよ」
「なら下ろしておけば?下ろしてる方が……似合うし」
思わず。…いや、無意識に。
…可愛い、って言いそうだった。
でも姫は違和感に気づかず苦笑してもう片一方の髪を解いた。
「ダメですよ。仮にも風紀委員長がそんなこと言ったら」
姫は手早く髪を一つに纏めて手に持っていたリボンで一つ結びした。
…少し、残念だな……
(そう思っていても絶対言ってあげないけど)
手に残ったリボンを見て姫は何故か悪戯を考え付いた子供のような笑みを浮かべる。
…実際碌でもないこと考え付いたんだろうけど。
姫は僕が持っていたリボンを引き抜いてずいっと僕に思いっきり近づいた。
何、と言う前に姫が僕の髪に触れる。
(やめて)
(僕の心臓壊す気なの)
「……できたっ!
…ぷっ……すっごく可愛いですよ、雲雀さん…っ」
「…ねぇ、一体何笑ってるの」
「ふふっ…これ、どうぞ」
笑いを必死で咬み殺しているのか、肩をかなり震えさせて姫は自分が持ち歩いている水色の鏡を僕の前に置いた。
その鏡を覗き込むと……
前髪を所謂…ちょんまげというやつにされた僕が映る。
しかも姫の赤いリボンで。
「…っ、咬み殺す…!」
「逃げるが勝ち!」
悔しいことに姫は逃げる用意はできていたようで、僕がトンファーを取り出した時には既にドアの外だった。
この髪型のまま外に出るわけにもいかず、リボンを無造作に解いてはぁ、と溜め息をつく。
そしてその後に出てくるのは何故か、笑み。
本当…不思議な子。
僕にあんなことするなんて…ね。
後で存分に仕返ししてあげるから…覚悟してよ?姫…
(その時僕はそっとそのリボンをポケットに入れた)
(…なんとなく、無意識に)
赤いリボンに君を想う
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