たった今、俺が決めた



あの衝撃的な日から私は何故かトラファルガー先輩の彼女になった。

いや、私は承諾した覚えはないんだけど。ていうか何でこんなことになったんだろう…!

そう頭を抱えながら過ごしていた土曜日のお昼。
でも、こんなこと考えている暇はないな、と思い直して着替えていると「だーだーだーんだだだーんだだだーん!」という某ダースベイダーのテーマが私の携帯から流れてくる。

あぁ、この着信音は…!昨日設定したばかりの着信音だからすぐにわかる。取りたくないけど、仕方がない。
取らなかったときの仕返しの方が一番怖いもの。




「…はい」

『今すぐ家から出ろ』

「何でですか?」

『決まってんだろ、デートだ』

「えええ、激しく行きたくないです」

「…というと思って俺から会いにきてやった」

「ちょ、何してるんですか!?」




何か電話と二重に聞こえるな、と思っていれば私の部屋の窓にトラファルガー先輩が座っていた。
よぉ、と挨拶する先輩はすごくかっこいいけれど…いやいやおかしい、ここ私の部屋だから!しかも二階!

何ともつっこみたいことはたくさんあるのだが、如何せんトラファルガー先輩につっこんでいたらきりがない。
ため息をつきたいのをこらえて、先輩の靴をとりあえず脱がせる。
案外綺麗に片付いてるな、と私のクローゼットを物色しようとしたからとりあえずトラファルガー先輩の頭を殴ってやめさせた。
ふざけんな、彼女の部屋の隅々まで見て何が悪い、と並び立てる先輩に「プライバシーです!」と怒ると先輩を座らせる。
未だに興味津々なのか私の部屋を見渡す先輩に、気絶させようかと思ったのは無理はない。




「…で、先輩。何しにきたんですか?」

「何って、デート」

「私そんな約束した覚えないですけど」





「たった今、俺が決めた」







「先輩、」

「ロー」

「…はい?」

「ローって呼べ、姫」

「あの、今このタイミングでそれ言い出します?」

「先輩って呼ばれるのも悪くねぇが…姫にはローって呼んでほしいんだよ」

「…………」



とりあえず、先輩からの要求はかなり多いです。

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