STAGE.4
『はい、どうぞ』
真選組早朝会議にて。
机の上に、熱いお茶を入れた湯呑みを順々に置いていく名無しさん。
毎朝の恒例となっているその仕事を終えて、部屋を後にしようとした矢先、何やら白熱した内容が飛び交っていた。
「副長ォォォォ!局長が女に振られた上」
「女を賭けた決闘で、汚い手使われて負けたって本当なのか?!」
「銀髪の侍ってのは何者なんだよ?!」
え、近藤さんが?
振られたの?
それは聞き捨てならない。
部屋を出るのは止めにして、本当はダメだけども討論されるその内容に耳を傾ける。
「会議中に喧しいんだよ。あの近藤さんが負ける訳ねェだろうが」
煙草の煙を吐き出しながら「くだらない噂を流してるのは誰だ」と呆れている土方さん。
あ、そうか。
近藤さんだもんね、そんな簡単に負けるはずないよ。
と、納得していると、会議に参加している全員がひとつの方向を指差した。
「沖田隊長がスピーカーで触れ回ってたぜ!」
「名無しくんキャプテンがチェーンメールで転送してました!」
いや、だからキャプテンって何?!
「「俺らは土方さんに聞きや(ま)した」」
ズズッとお茶を啜った2人が声を揃えた。