STAGE.10
ガコンッ
自動販売機より缶が落ちる音を確認して、取出口からそれを取り出す。蓋を開けてグイッと一気に飲み干すと、渇いていた喉が潤された。
「あーやっぱ暑い時はコレに限りますねー」
「オイ何飲んでんだ、てめェ」
サンサンと太陽が照りつける中、街へと駆り出された真選組。
その隊士である名無しくんの隣には、いつの間にか土方副長のお姿が。
ワーオ!
「ワオ、じゃねェよ!何で人が買ったコーヒー飲んでんのかを聞いてんだよ!」
「えぇ?奢ってくれたんじゃないんですかァ?」
わざとムカつくような甲高い声で上目遣いに問う。
案の定、肌にさぶいぼを立てて顔を引きつらせた副長は「クソッ」と舌打ちをして、これ以上の反論は無意味と判断したのか、再び自動販売機へと小銭を投入している。
その顔には汗が滴っており、外の暑さを物語っていた。
何で自分たちの制服はこんなにカッチリしてんだ、とその暑さに苛立っている様子。
文句言うなら着なきゃいいのに。
「そんなに暑いなら、夏服作ってあげますぜ。お二人さん」
ふいに後方から総悟の声が聞こえたと思った、瞬間、勢い良く刀が振り下ろされた。
「「うぉああああ!!」」
オレと土方さんの間を掠めた総悟の刀は地面を砕き土煙をあげた。
何してくれちゃってんの!!
「危ねーなァ動かないで下せェ、ケガしやすぜ」
「「危ねーのはテメェそのものだろうが」」
制服をノースリーブへと変えるためにと、何とも危険なお節介を働いた総悟に対し、声を揃えて文句を放つ。