STAGE.1

STAGE.10

結局、私が出る幕もなく今回の件は解決。

名無しくんに連れられて真選組に保護されるそよちゃんを、神楽ちゃんはただ黙って寂しげに見送っている。
すると、隣にいた私の手を握り締めてきて、思わず強く握り返してしまった。


『今度、近藤局長にお城に行けないか頼んでみるね。すぐには無理だと思うけど、その時は一緒にそよちゃんに会いに行こう!ね、神楽ちゃん?』


私みたいな一般市民がお城の中に入れるかは分からないけれど、少しでも元気づける話をしたい。

俯いた神楽ちゃんの顔を覗き込んで、そう笑顔で提案する。

しかし、やっぱり神楽ちゃんは私なんかが推し量れるような子ではなくて、


「そんな気休めはいらないヨ。大人はすぐそうやって出来もしない嘘をつくから嫌いネ」

『‥‥‥‥』


おっしゃる通り。

私の安っぽい気遣いなんて必要ないと言わんばかりに吐き捨てた神楽ちゃんだったけど、その手は握ったままだったから何だかんだで寂しいのかなと思う。

それ以上は何かを口にすることなく、ただ神楽ちゃんの気が済むまで隣にいた。


Go to the NEXT STAGE.

「で、どういう事か説明してもらおうか」
『ひ、土方さん?!』

事情聴取in副長室。
8/8
(72/118)
ALICE+