STAGE.17
『うぇーん、うぇーん』
小さな子どもが泣いている。
『ひっく‥、えぐ』
あぁ、アレは‥‥。
「気味悪いんだよ、化け物!」
「死んじまえェ!」
私だ―――‥
いじめられて、ただ泣いていただけのあの頃。
生まれてきてはいけなかったのだと、何度も己を否定した。
でも、
「名無しさん?またいじめられてしまったの?」
暖かくて、優しくて。
「こっちへいらっしゃい。傷の手当をしましょう」
大好きだった、あの人。
誰よりも大切にしてくれたのに。
それなのに、私は―――‥
あの人を、傷つけることしかできなった。