2018/06/24
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追加で銃士を召喚するにも、何からするか迷うわけで。修理を見極めるのも兼ねて銃士達が使っていた銃が並んでいる部屋に入る。結構な数である。桜隊の銃も見つけたが、どうしてもあの人達のイメージが抜け出ない為にちょっと後回しにさせてほしい。食器とかキセルとか杖もある。これは仕込み銃だろうか。
「やっぱ銃士同士にも相性があるのか?」
「元が戦争の道具のものが多いからな」
そう困ったように告げたドライゼさんは言葉を続ける。
「それに加えて、『マスター』に関することでもいざこざが起こったこともある」
「う、ぇ、それ俺達に協力してくれんのか?というか、そもそもドライゼさんって推測するに前のマスターに酷い目にあわされた感じだろ?よく俺について来てくれてんな」
素直に言えばドライゼさんは「マスターは前のマスターとは違うからな」と告げてくれた。
「偶々俺はあのシェルターに捨て置かれていたが、前のマスターはあんなことはできないだろう」
「偶々?」
「あの方は縁があった、と言っていたが……」
「ナマエさんがねぇ……」
そう言いつつ、銃を手に取る。
「六人編成でチーム組んでたんだっけ」
「プラスメディック……マスターで七人の場合もあった」
「あー、編成、俺入れて六人だと思ってた。なら、アリサの護衛含めて召喚は後五人くらいか」
「マスターはどの銃を持つ気だ?」
「それは後で倉庫見て考える」
これは迷うな、と思いつつ銃を眺める。こういう時は協力してくれる銃を探すしかないだろう。とりあえずドライゼさんを廊下へ押し出す。そして部屋に向き直って口を開いた。
「新しい『メディック』の一人、ローランドです。よろしくお願いします!」
そう頭を下げたらアリサが近寄ってきて真似をする。
「あたらし?」
「新しい」
「あたらしい!あたらしいめでぃっくのもうひとり!アリサです!よろしくおねがいします!」
「と、いうことで力を貸してください!」
「かしてください!」
顔を上げて部屋の中を見る。反応はない。ただの屍のようだ。ナマエさんが困った時はなのってはっきり言えばいいと思うよ、と言ってたからやって見たけども。これは自分で選ぶしかなさそうだとドライゼさんを見る。しかし、その瞬間、ガタッといくつかの銃が落ちたらしかった。
「これはオッケーって事だと思う?」
「あぁ、恐らくは」
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ケンタッキー・ライフルにスプリング・フィールド、タバティエール、二連拳銃にレリーフが施された銃……結構落ちてきたな、と思う。最初の様子からして一丁落ちてきてくれたらいい方だと思ったのだけども。他は様子見なのかわからんが。ちなみにアリサ曰く誰も落ちないのを見てタバティエールが落ちてきてくれたらしい。そのあとにスプリングフィールドとケンタッキーライフルと続いたらしいけど。とりあえずそれらを持って式神さんのところへ向かって入ればベスとシャルルがやってきた。
「あ、スプリングじゃん!直してくれるの?」
「頼んだからオッケーくれたっぽいから直そうと思って」
そう言いつつ銃を担ぐ。アリサが銃持ってるのが結構危なっかしい。ベスが俺たちを見て首をかしげる。
「というか、その数直すつもりか?」
「協力してくれるらしいから。ちょっと式が……ノームさん達と相談してみる」
「それなら手伝う、アリサはシャルルと一緒に後で飴玉を持ってきてくれ。キョースケと勉強する時間だろ?」
そう言ってアリサの手から銃をもらったベスに、アリサは大きく頷いてシャルルの手を取って駆け出した。その瞬間、少し安堵したようなシャルルに俺は首をかしげる。
「……明らか安心したなぁ、シャルル。俺なんかした?」
「わかるのか?」
「なんか繕ってるというか、俺の前では無理してるように見える」
俺の言葉に少しの沈黙の後、ベスが答える。
「戦場に行くのが嫌なんだろ」
「あぁ、なるほど。なら、アリサの護衛してもらった方がいいのか」
俺の言葉にベスが目を瞬いた。
「立たせなくていいのか?戦場に」
「無理はさせたくないというか……どっちにしろ、アリサの護衛も必要ですし、そっちの方が向いてそうっていうか」
返答にベスは安堵したようにため息をつくと俺の背中を叩く。
「お前まともでいい奴だな」
「後、勇敢だ」
ドライゼさんがスラリと放った褒め言葉に悶絶した俺は悪くない。
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式神さんと銃の構造書やらを見つつ話し合った結果、とりあえず直せそうなものから直すことにしたらしい。ケンタッキー・ライフルとスプリングフィールド、タバティエールは予備があったのでそれを拝借しつつ部品をああだこうだと作ってもらう。俺も銃の構造を知りたいがためにドライゼとベスに説明されながら勉強である。次第に部屋の温度があがり、鉄を打つ音が聞こえはじめると式神さんが紙を持ってきた。3と書かれた時に、三時間かかるって事?と聞けば頷かれ、部屋の外を指さされた。邪魔ってことね。
「さて、三時間どうやって時間を潰すか……あ、ベスと同型の銃の使い方知っときたいし、教えてもらっていいか?ついでに」
「ん?あぁ、構わない。そういやローランドは銃を持てるんだったな」
「まぁ、でも持ったことあるやつは和製の銃とドライゼ銃だけだからな。戦術考えるにも知ってた方がいいだろうし。確か同型予備あったよな。ちょっと倉庫から取って来る」
そうヒラリと手を振って倉庫へ向かう。あいついい奴だな、とヨイショするのはやめてほしい。
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熱中しすぎてだいぶ時間食ってしまった気がするよな!日がくれてるからな!いやぁ、だってベスとドライゼにも熱が入ったもんだから仕方ないと思う。それに感化されて普通のレジスタンス兵もまざったし。苦笑いしながら修理部屋に行けば五つとも銃が治っていて、アリサが式神さんに飴玉をあげていた。俺たちが入ってきたことに気づいたシャルルがムッとする。
「もー、何してたの!遅いよ」
「悪い悪い、訓練に熱中し過ぎて……ノームさんもありがとう」
そう頭を下げればいいってことよ!とサムズアップされた。なんかこの式神さん達ナマエさんとこの式神さんよりノリ軽いな。
「さて、呼び出すか」
「あぁ、と、ローランド、悪い。言うのが遅れたが、アリサは出来れば一丁に抑えて欲しい。この前俺たち二人を呼び出したのはいいが、倒れて……」
「あー、子供だからか。なら、気性穏やかなのを……」
「全員気性は穏やかだ。しかし、配慮するならスプリングがいいだろう」
ドライゼさんの言葉に、そういやスプリングフィールドはシャルルの弟みたいなものってベスが言ってたっけ、と思う。
「じゃあ、スプリングフィールドはアリサな」
「うん!」
そうにこやかに笑ったアリサにシャルルが銃を渡す。触れた瞬間発光したそれ。光がおさまるとそこに一人の青年がいた。ん?ん??
「やっほー!マスター!俺はスプリングフィールド!アメリカで初めて作られた銃なんだ!よろしくね!って、今回マスター二人いるんだっけ」
「あ、俺はローランドでいい」
「アリサはアリサ!」
そう言った幼女先輩にスプリングフィールドはローロとアリサだね!と笑った。
「なぁ、ドライゼさん、もしかして」
「ん?ああ、マスターが特殊だ。恐らく彼女の影響だろう」
で、す、よ、ね!!知ってた。ナマエさんか呼び出すとき桜の花びらが人型作るもんな。ナマエさん本人もたまにやってるけど!!半ば死んだ目でとりあえずタバティエールを持つ。目を瞑れば漂った薔薇の香り。目を開けば薔薇の花弁が人の姿を作り上げ、蝶のようなものが止まったことで花びらがちりそれは人になる。
「ボンジュール、マスター。俺はフランス生まれのタバティエール。こんなにいるようなら俺はいらなかったかな?ま、盾ぐらいにはなるさ」
「そんなことはないし、バリバリ主戦力になってもらうから。ちょっと全員呼び出すから待ってくれ」
アリサのキラキラした目が辛い。とりあえずさっさと呼び出すか、と思いつつ、ノリが軽い後輩系ヤンキーケンタッキーを呼び、拳銃のカールと装飾が綺麗なオジ様レオポルトを呼び出す。めちゃくちゃ疲れる。
「とりあえず、マスターは二人いるし、俺はローランドだから好きに呼んでくれ」
「アリサはアリサ!」
相変わらず元気な幼女先輩に、ケンタッキーが?を大量に飛ばしている。
「マスターが二人??」
「いやはや、本当に二人ともだとは……」
「まぁ、今考えてんのが俺が実戦部隊でアリサが拠点に止まって銃士の治療に専念してもらおうかな、と」
息を吐いて腰に手を当てる。ベス曰く、アリサの治療速度が尋常じゃないらしい。で、俺が平均よりちょっと下なのをみると力が二つに別れたとき俺に召喚の方が、アリサに治療の方が偏ったんだろう。あとは衛生室の簡単な手伝いぐらいならできるだろうという推測だ。勉強もさせたいし。シャルルが首をかしげる。
「そんなこと考えてたの?」
「何百も銃として生きてた銃士はともかくさ、アリサぐらいの年の子供を戦力としてカウントしたら終わりだと思うんだよな、綺麗事かもしれないけど」
そう頭をかきつつ告げる。
「それより今から医学とか外国語とか覚えたほうが将来のためになると思う。平和になることを考えればそう言うことの方が小さい子には有効かなって」
わりかし真面目なことを言った気がする。静まった周りに恥ずかしさがこみ上げてくる。タバティエールが肩を竦める。
「こっちのマスターは名前の通りってわけだ。まともで勇敢なのいいが、周りに頼ってくれよ。俺からしたらアンタも子供だからな、ローラン」
ぐしゃぐしゃと頭を撫でるタバティエールさんに、レオポルトさんが笑う。
「まぁ、その時は私たちが止めようじゃないか」
「なに?なんの話?」
「ローロも僕たちが守る、ということだ」
カールの言葉に首をかしげる。なにがどうなってそうなったんだ。
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実際の戦場に出たらめちゃくちゃ疲れるのとメンタルやられそうになるのは中身が日本人というかそう言う感じだからだろう。結局覚悟もない甘ったれなんだよなぁ、と一人衛生室でぼんやりする。誰かが引き金を引けば誰かは負傷して死ぬわけで。そいつらにも家族はいるわけで。
「戦争とかさっさと終わればいいのにな」
レジスタンスが戦争を長引かせてんのはわかるが、レジスタンスが反政府部隊をなだめ統括してるのもわかる。レジスタンスが手を引けばそれこそやばいことになるだろう。と言うことは戦い続けるしかないわけで。というか、そもそも、マスターが変わってるってことはそれだけ年数が経ってんのか。前の資料を見ても文字が読めないから詰んだ。
「マスター、眠るべき時間だ。無理をすると明日の能力が劣る」
そうやってきたドライゼさんに、そうだなと大きく息を吸う。明日聞いてみるか、と伸びをして自室に向かった。
寝れねぇ、と思ったら白い空間にやってきた。どこからともなく桜吹雪が舞い、ナマエさんが現れる。
「疲れた顔をしてるなぁ」
そう言ったナマエさんに色々考えることがあって、といえば彼女は正座をして膝を叩く。これはもしかして:膝枕。この人未だに俺をガキ扱い……と思ったが、短刀と脇差にまじってたまに八重さんやら芳乃さんやら陸奥さんやら加州さんやらエクセトラが膝枕で爆睡している時があるからこの人誰にでもやるらしい。大きくため息をついてそこに向かい膝に頭を乗せる。頭を撫でた彼女に安堵すれば、徐々に眠気が襲ってきた。おやすみなさい、という優しい声が聞こえて意識は沈む。次目が覚めたら朝で、自分の部屋だった。
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戦場であったガスマスクつけたオネエ言葉曰く、前のマスターは粛清されたらしい。その前のマスターを殺されたり負傷した傷から病気になったり失踪したりエクセトラ。これを敵から教えてもらう俺である。まぁ、みんな話したがらなかったのはそういうことだろう。
「オネエの友達ちょっと欲しかったけど、今は事態が事態だし許せよ」
そう言って隣で負傷したKFCのライフルを借りてオネエの顔面を狙う。破損したガスマスク、敵が怯んだ瞬間にドライゼ銃を借りてほかの一般兵の足元と手元を狙って撃てば命中したそれ。これで一般兵は使い物になるまい。
「シャスポー!」
そう言えばハッとした彼は銃を構えてオネエを狙撃した。しかし動揺もあってか眉間ではなくマスクに当たる。オネエは「部が悪いから引くわ、」と言って消え、部下は置いていった。なんて奴だ。まぁ、引いてくれたのは良かった。
「サンキュ、シャスポー。さすがの飛距離だ」
ポンポンと背中を叩き、他を見る。うむ、一番ひどいのはKFCだ。
「ホール、ケンタッキー担いでやって。基地に帰って衛生室の治療受ければ街に行っていいし」
「さっすがマスター!わかってるー!さて、」
「ローランドさん!俺自力で歩けるっす!」
「うるせぇ、ガタガタいってっとほんとにフイドチキンにして狙撃部隊に突っ込むぞ。コードネームはKFCな。動ける奴はアイツらに手を貸してやってくれ。捕虜だ、捕虜」
そう言いつつ敵に近づく。殺さないでくれ、と叫んだそいつらに「身ぐるみ剥がさせてもらうぜ」と手を鳴らした。ヒィッと叫んだそいつらも立派な人員である。身ぐるみ剥ぐのは発信機付いてたら厄介だからと装備を拝借したいからだ。ドライゼさんに銃を返し、一番小柄な人物のマスクを取れば子供で。終わってんな、世界帝。ちなみに捕虜はそうです、パンイチです。他の二人もドライゼさんとタバティエールさん、ベスさんが抱える。
「全員撤退」といえばゾロゾロと帰り始めた。
味方が少ないなら敵を味方にすればいいんじゃない。とマリーアントワネット的な考えを思いつき、たまにしている俺である。半年も経てば銃士も全員なおり、なんとか協力してもらっているなうだ。捕虜に関しては最初は反対されることが多かったものの、なんか知らんが俺に懐くというか付いていきます!的な奴ばかりで一応用心深いアリパシャやエセンなんかが睨みを効かせている。ナポレオン?アイツは早々に俺の意見に賛成しましたね。ムハマドは神父してるよな。捕虜相手に。てなわけで、捕虜に畑仕事を任せたり衛生兵を増やそうとしたりしている今だ。アリサはノエル達に勉強を教えてもらったり、捕虜達にご飯を渡したり無邪気に捕虜達の故郷の話やら言葉を聞いたりしている。幼女先輩強い。ちなみにアリサには妖精の加護がこれでもかというぐらい付いた髪留めとナマエさんに聞いた守護的なアレをしてるのである意味最強である。目下の問題は、だ。
「シャスポーめちゃくちゃ機嫌悪くない?」
俺の言葉にタバコを吸っていたタバティエールさんが苦笑いした。
「あー、あれはな、ほら、最後の一撃」
「あー、位置ずれちゃったやつね」
そう言えば彼は「さすがローラン」と告げた。
「いやでもそもそも、俺がいきなり声かけて動揺させたのが悪かったんだし、動揺してあの位置って凄いと思うんだけど」
そういえばタバティエールさんは、俺を見下ろす。
「ローランはなんで自分で撃たなかった?ドライゼ使ってたろ?」
「残弾数確認せず手前の兵士撃ってたから、撃ったけど空砲の可能性もなきにせずもあらずだったし、あの距離だったらシャスポーの方が威力強いだろ?それに俺より命中率高いしな」
はっきり言えば、タバティエールさんが目を瞬いた。
「俺は銃士達を信頼してる。自分の銃に関しては銃士たちが一番知ってるだろうし、腕前なんかもな。一回のミスくらい取り戻すだろ」
「はー、ローラン、アンタって人は」
そうぐしゃぐしゃと頭を撫でたタバティエールに、なんだよ!という。子供じゃないんだぞ。
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オネエに会うたびにオネエ今日肌の調子いいんじゃない?とか軽口叩いてたらオネエに懐かれた気がする。相入れない運命!と言われた俺である。ちなみに他にも懐かれた気がしないでもない。敵にデレんなや。そもそもデレるならレジスタンス加われよ。まあ、捕虜から話を聞くに結構酷いらしいしな、世界帝も。どうやら世界帝に新しくやってきた人物があまりにも傍若無人わがままらしい。
「ご愁傷様ですとしかいえねぇ」
そう言いつつ銃撃する。なあにが「やん、ダーリン、過激」だよ、語尾にハートつけんな。それを見ていた89が「そもそも」と告げる。
「元々あの人、レジスタンスにいたらしいし、そいつと交換すればいいんじゃね?」
「バーカ俺が世界帝に行くか。お前らが下れ……って、は?」
そう言って銃撃を止める。他も銃撃を止めた。ちょっと待て。隣にいたドライゼさんが俺を引っ掴んで物陰に隠れたけど。
「前のマスターか?」
「は?前のマスターって粛清されたんじゃなかったのか?」
「妖精に粛清された。力を奪われたんだ。そうなれば彼女はここにはいられないからね、追い出されたよ」
レオポルトさんの言葉にそういうことかよ、と思う。
「復讐したいとかで手を貸してんのか?」
「あら、ダーリン察しがいいわね。そうよ、復讐したいってマスターに申し出たの。困ったことにマスターはあの子にメロメロなのよねぇ」
「心情はお察ししますが、ローランドをあげるわけにはいきませんね。僕らのマスターなんですし」
そう言ったエセンが銃撃にうつったのをきっかけでまた銃撃が始まる。まぁ、静かでしかしながら重い音がしてまた止んだけど。
「エフ、89、撤退だ」
現れたのはアインスである。俺に唯一デレない奴である。
「89はアイツが呼んでる」
「うわー、まじかよ、死にてぇ、」
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