2018/07/05

没君僕主で銃士

・君僕主達がやってきた

ーー君は選ばれたのだ!
そんな声と共にぼんやりと意識が覚醒する。ぼんやりとした視界の先、そこにいる男は一人の少女に手を伸ばした。少女は嬉々とその手をとる。
「新しいマスターよ、彼らと共に我らに恒久なる発展を」
男はそう告げて何人かの青年を連れ立って外に出た。ガスマスクをつけた男が黒い戦闘服をきた周りに捨てろ、と告げる。そのまま気を失ったフリをしていればトラックに積み込まれーーたまたま隣に積み込まれた知り合いをひっつかんでそこから回避した。
とりあえず綺麗な水場に向かい、背負った彼女を寝かす。水に移った服装は私服のままだ。とりあえずポケットからハンカチを取り出し、水に浸して彼女の顔を濡らした。いくつか幼い姿になっている彼女を揺らす。サチ、と呼べば彼女は目をゆっくり開く。
「苗字さん?」
そう告げた彼女は周りが草はらであることを理解したんだろう。起き上がると周りを見渡した。
「なに、なに!?え、なに!?また!?」
「そうだな、まただ」
もう一度水に手を入れようと水面に近づく。その瞬間、水から人が急に浮上するのだから持っていたナイフを構えてしまうのは仕方がない。よくよく見てみれば、ジャックと少年であるが。
「いきなりあの高度から飛び込む奴がいるか」
そう頭を抱えた少年に、ジャックは「それぐらいで怯流ようじゃまだまだ……」と言いかけて彼を見て動きを止める。彼もまたジャックを見て動きを止めた。
「おい、なんでアンタそんなにデカいんだ」
「デイビッドが縮んでるんだと思うが。大方サチが縮んでいるからそれに合わせてじゃないか」
そう私が突っ込めば二人はくるりと私を見た。ナマエ!と目を輝かせたジャックに手を貸して湖から上がらせ、デイビッドもまた手を貸そうとすればジャックが引っ張り上げる。サチがかけてきてーー転びかけてそれを支える。
「何が起きた?」
「二人が突き落とされたから俺たちは後を追った。ここは?」
「よくわからない。私が目を覚ました時は死体の山にいたからな。何処かから運び出されたのは確かだ」
「え?てことは私も?」
「ああ。となりに運ばれて良かったよ。そこからひっそり逃げて今だ」
サチが嫌な顔をしているが、それは真っ当だろう。死体の山、といった二人に肩をすくめる。
「黒い戦闘服をきた人物達が集まっていたが、何処の国のものでもなさそうだった。ああ、後、もう一人少女がいたが、その子は男に連れられて嬉々と出ていったな。なんでもーー」
そこで言葉を止める。そっと林の方を見る。同じくジャックもデイビッドもそちらを見た。
「ーーデイビッド、サチ。ダメじゃないか。ここは危ないと言っただろう」
「え?」
「今日はジャックがいたから助かったものの」
「……あぁ、そうだな。俺がいたから助けに水に入れたが、そうじゃないし、この付近は危ないといつも言ってるだろう?」
そう腕を組んだジャックにデイビッドが息を吐いた。
「俺だって行く気はなかった。サチがーー」
ガサガサと隠さない音。ジャックがそちらをみる。そこから現れた人に敵意はないらしい。周りを見渡した彼らは一般人?と首を傾げた。黒い戦闘服は着ていない。持っているのはかなり古い銃だ。
「一般人がどうしてこんな場所に……早く逃げるんだ。ここは世界帝の奴らがウロウロしてる場所だ」
何か言おうとしたサチの口をふさぐ。ジャックが言葉を続ける。
「あぁ、悪い、わかってはいたんだが、この子達が忍び込んでしまって」
「サチが変なトラックを見つけて忍び込んだんだ、俺は悪くない」
「反省しろ」
「……すまないが、変なトラック?」
「あぁ、それならこの子に聞いたよ。たくさん人が乗っていたトラックで、不思議に思ったみたいでね」
私の返答に彼らは顔を見合わせて頷いた。間違いない、おそらくそれは、そんな会話が広げられ彼らの中にいた一人が口を開く。丁寧にサチの視線に屈んで、口を開いた。
「その中に薔薇の形をした痣があった人はいなかったかい?」
「薔薇の形のーー」
そっと横目でサチの手を見る。手の甲にあったそれに目敏く気づいたのは彼の仲間だ。
「リーダー!その子だ!その子の手の甲に痣がある!」
「なんだって?」
眉間にシワを寄せた彼に、デイビッドがサチの前に立ち、ジャックが更にその前に立つのははやかった。ジャックが警戒を露わにして口を開く。
「ーー薔薇の形をした痣が何かあるのか?」
彼が息を飲んだのがわかった。私は彼の肩を叩く。まぁ、さりげなく背後を取ったのだが。それにきづいたデイビッドが苦笑いをした。
「すまない、あの子は家族で……」
「いや……こちらこそ悪い。少し話をさせてくれないか?」
「あいにく私たちは逃げてきて最近ここにきたばかりでね、何処が落ち着ける場所なのかわからないのだけど」
「それなら案内しよう」
そう言った彼に近くにいた誰かがあとは我々が、と口を開く。頷いた彼は私達に、こっちだ、と手招いた。

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彼曰く、サチの持つ痣はファンタジックなことができる人間に現れる痣らしい。聞いての通り、君達も知ってはいるとはおもうが、なんて言葉で色々と情報を与えてくれる彼はいい人なのか否なのか。
「子供を危険な目に合わせろと?」
「それは……しかし、その力が世界帝にバレでもしたらそれこそ厄介になる」
そう告げた



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