2018/07/30

↓改変 嘆きの淵にて君を想う


・君僕主イフ
(ジャックと再会してない)
・千銃士現代銃側マスター
・痣は腹部から広がってる
・サチは帰ってきてない

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俺たちの『マスター』は生き残った人間の中で一番非力な人間だった。逞しい海兵だった男、見た目麗しいスパイだった女、勇敢な警察官、指名手配の快楽殺人者。そんな中で唯一の「学生」だった。彼らは先のマスターに引き継ぎ、世界帝により武器を振り分けられた。海兵だった男は戦艦や潜水艦、見た目麗しい女は戦車を選び、勇敢な警察官は飛行機、指名手配の快楽殺人者は刃物。子供でも扱えるだろうと情けをかけられ、学生だった彼女は『俺たち』のマスターとなった。

ーー俺たちのマスターは、その『石』に触れて生き残り、痣を宿した人間の中で一番非力だと『思われていた』。

「アインス」
そう緩やかに揺すられて目を開く。その先にいたマスターは俺を見下ろして笑みを浮かべた。気づけば止んでいたピアノの音。どうやら演奏は終わったらしい。
「ミカエルはいいのか」
「そろそろ寝る時間だから部屋までおくった。アインスも疲れているならそろそろ寝たほうがいい」
「書類、まだ終わってないだろ」
「あれくらいなら私でもこなせる」
「マスターも疲れてるだろう」
そう言って彼女を抱き寄せる。人は自分よりもうんと弱い。撃たれたら死ぬ。だが、マスターとなる人物は痣が侵食し過ぎても死ぬ。それは前のマスターがそうで、前のマスターは銃士を作りすぎて死んだ。必要以上に銃士を呼ばないマスターではあるが、それでも酷く心配だった。そっと服をめくり、彼女の痣を確認する。脇腹に咲いた薔薇は今にも蔓を伸ばさんとしていた。
「アインスは心配性だな。そうすぐ進行するものでもないんだろう」
おかしそうに笑ったマスターは、書類は明日しようかと告げた。
「明日ならファルもホクサイも89もゴーストも手伝ってくれるだろうし、期限は明後日だから十分に終わるだろう」
「俺がマスターを独占したいから、と言ったらどうする?」
俺の言葉にマスターは目を瞬いた。
「じゃあ、今日はアインスの部屋で寝るとしようか」
「それは嬉しいが、女としてどうなんだ」
そう言って彼女を担ぐ。彼女は抵抗もせず口を開く。
「アインスは紳士的だからな」
「どういう意味だ、それ」

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それは随分と昔のように思える。確か、世界帝に拉致されるように連れていかれあの痣を作ってそんなに立っていなかった頃のはずだ。街を歩いていた時である。真っ白なその花を見つけたのは。隣を歩いていたファルが足を止め、マスターどうかしましたか?と首を傾げた。
「花、私の部屋の庭になら植えてもいいだろうか」
「えぇ、あそこはどうぞお好きなように」

窓の外で真っ白な花が風に揺れる。最初は数株だけだったというのにいつのまにか庭が一面真っ白になっていた。頭の中で彼が浮かぶ。あの世界は幸せになったのだろうか。私はあいも変わらず必要悪を演じているけれど。
「ゴースト、どうしたんだ?」
真白の中にいる真白。それに可笑しくてクスクス笑いながら声をかける。マスターはワイを見つけんのがホンマに得意やなぁ、と言って服を叩いた彼に首を傾げた。
「何してたんだ?」
「この庭に違う花がさいとった駆除や駆除」
そう言った彼の手には赤い花がある。何処からか花の種が飛んできたんだろう。ゴーストを手招いてその花を受け取る。ゴーストの耳にかけてやれば、「何やってんの、自分」と言われたのだけど。
「いや、ゴーストは白と黒しか着ないから他の色も入れたくて」
「そのまんまブーメランやで、マスター」
「私は死ぬ時赤が咲くさ」
私の言葉に彼は目を見開いた。
「いやや、死なんといて、マスター」
子供のようだなぁ、と思う。抱き寄せてあやすようにしてやる。ファルとアインス、ミカエルは前のマスターが呼び出したものの一つだ。それ以外は私が呼び出したものである。
「マスター以外のマスターやなんて、いらへん」
そんなことを言われたって人には終わりがあるのだけど。

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「先程から周りを見渡しているが、どうかしたのか?」
偶には外に出るか、と周りの視線を掻い潜って外に出た。あまり見慣れない場所にキョロキョロと周りを見ていればかけられた声。世界帝軍か、と思ったが違うらしい。大柄な男性は「ああ、怪しいものではないんだ」と告げた。
「いえ、あまり街を歩いたことがなかったので物珍しくって」
「街を?」
「危険だからって。普段は誰かと一緒にくるんですが」
「付き添いは?」
「いません」
私の返答に彼は困ったような顔をした。何故彼が困るのだろう。
「目的地は」
「美味しいものを食べたいのと普段お世話になってる人のプレゼントを買いに」



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