2018/07/30
没ネタ集C兼任司書かるであ幼児化
・幼児化した
ナマエがキャスター達の喧嘩に巻き込まれたらしく幼児化してしまった。恐らく一般職員を庇ったんだろうけど。しゅん、としながら心細そうに周りをみるあたり、中身までも幼児化していそうである。
「ここ、どこ?」
「あー、やっぱりかぁ」
そう頭を抱えた俺に彼女は目に涙をためた。
「むっちゃん!」
そう言って坂本さんの背中に突撃したナマエである。うわ、と声を漏らした坂本さんに、お竜さんはナマエを見下ろした。ナマエはそこでお竜さんに気づいたらしい。
「おねーさん浮いてる」
「お竜さんは龍だからな」
「みずがみさま!かしこみかしこみもーす」
「……あれ、ナマエかな?」
そう首を傾げた坂本さんに説明しようと口を開く。あぁ、なるほど、災難だったね、と告げた彼はお竜さんに謎の言葉を言いつつ遊んでもらっているらしいナマエを見下ろした。
「で、どうしたんだい?」
「むっちゃん!」
「むっちゃん?」
「むっちゃん!」
そう刀を指差したナマエはええと、と口を開く。
「むつの……むつのかみ、よしゅーき?」
「ああ、刀の名前か。よく知ってるね、陸奥守吉行はたしかにこの刀の名前だ」
「おにーさんは、さにわ?」
「なんだいそれ?」
「ちがうの?ナマエも、おなじのもってるよ?」
そう首を傾げたナマエに彼もまた首を傾げる。
「同じの……陸奥守を?」
「うん。むっちゃんはねー、ナマエのねー、おにーちゃんみたいなの」
ニコニコと笑ったナマエに坂本さんは困惑気味である。わかる、俺も意味がわからない。
「でも、おにーさんのむっちゃんにはむっちゃんいないね?なんでだろ」
「……よくわからなくなってきたな。逆に君がいうむっちゃんは誰だい?」
そう尋ねた坂本さんに、ナマエは首を傾げた。刀だよ?と言った彼女に俺たちも首を傾げる。
「ナマエ、会わしてやったほうがはやいとお竜さんは思うぞ」
「ん、そっかぁ!そうだね!」
ぱあっと笑ったナマエは手を叩いてくるりと回る。
「ありはや、あそばずともうさぬ、あさくらに」
それはナマエがよく召喚の時にうたうことばだ。たまに面倒だからか以下省略!と叫ばれるけど。
「むっちゃん、むっちゃん、おりましませ」
その瞬間、桜の花びらが渦巻いて刀の形になるそしてそれはまた人の形になった。唖然とする俺と坂本さんに、彼はナマエを見下ろす。
「主〜?ここじゃあ呼んじゃあいけん約束やったはずぜよ」
「だって、もうひとり、むっちゃんいるよ!それに、ナマエ、むっちゃんいたらさみしくないよ!」
そう宣言したナマエに現れた青年は彼女に抱きついた。主がきゅーとじゃ、とぼやいた彼はナマエを抱え上げて坂本さんと俺を見る。
「藤丸は、はじめましてじゃな」
「え?俺の名前」
「……龍馬は……久しぶりじゃあ」
笑ってみせた彼に、坂本さんの知り合い?と見上げる。坂本さんは彼を見たままだ。
「ワシは陸奥守吉行。おまんが使った刀ぜよ。正しくは、陸奥守吉行が何十年も何百年も大切に使われとったき、付いた付喪神じゃあ」
「ということは、君は……おまんは、この刀かえ?」
「そうじゃ、巡り巡って主とおるんじゃが……まさかこういう形で再会できゆう思わんかったき、ワシはまっこと嬉しいぜよ、龍馬」
明朗に笑った彼の笑顔は坂本さんに似ている。藤丸も主が世話になっちょるなぁ、と告げた彼はナマエを見た。
「主、小豆は呼ばんでええがか?」
「あずき?おとーさん?会えるの?」
「記憶が混ざっとるようじゃの……」
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