2018/07/30
没ネタ集D兼任司書かるであ 戦闘?
「生憎なんですが」
そう言って立ち上がった彼女は真っ直ぐにサーヴァントと魔術師をみた。服はぼろぼろで、あちらこちらに切り傷がある。
「私は藤丸くんを死なせるつもりはありませんし、私が死ぬ予定もありません。もっと言うと負けるつもりもありません。引く道がなければ前に進めばいい、道がなければ道を作ればいい。たった、それだけのこと」
「馬鹿な女だ。サーヴァントが戦えない今、何ができると?」
「馬鹿な女で結構ですーー藤丸くんに手出しはさせない、ただ、それだけのこと」
彼女はそう言ってちらりと俺を見下ろす。
「前田、平野、彼を守りなさい」
彼女の言葉に反応するように小さな刀が桜の花びらと一緒に現れてーー俺のそばにおちる。彼女はそれをみて微笑むと、また相手をみた。
「ナマエ、何する気なの?」
「一番いいのは相手を気絶させること、なんですが。その手前にサーヴァントがいることを考えると何処までできるやら。でも、まぁ、サーヴァントが動けないとなるとやるしかないですね」
彼女はもう一度、俺をみてーーエミヤ達を見る。
「ずっと見てたもので、覚えてしまいました」
そう言った彼女は、トレースオン、と告げた。桜の花びらを散らして刀が現れる。
「ただの人間がサーヴァントに敵うとでも?」
「生憎、ただの人間ではないので」
無茶だ、と思う。こちらのサーヴァント達がぎりりと動き出すのが見える。ます、たー、むちゃだ、と言ったのはエミヤだろう。
「藤丸くんは、どうすれば彼らが元どおり動けるのかを考えなさい。時間は稼ぎます」
「時間はって、」
「私が退けば貴方は死にます。貴方がサーヴァントを動かす方法がわからないのであれば私が死にます。そう言うことです」
ただ、淡々と彼女は告げる。もう一度俺を見下ろした彼女は、考えなさい、と優しい声で告げた。
「貴方にはできるはずだから」
優しく笑ったその顔、しかしそれもすぐに表情が変わる。何かを刀で弾いた彼女の手から刀が投げ出されーーまた新たな刀が現れた。
「推して参りますか」
そう告げた彼女は。
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刀が投げ捨てられては新たな刀や銃なんかが彼女の手元に現れる。彼女の傷は増えていく一方だ。
どう、すれば。
そう考える。ズルズルとサーヴァント達は武器や杖なんかを持って起き上がる。どうすればいい?どうすれば。
最後の一振が彼女の手からこぼれ落ちる。彼女の首を掴んだ真っ黒なサーヴァントに、男は嗤った。
「人間のくせによくもここまで足掻いたものだな。サーヴァントが動かせるようになる方法がわかったのか?もう一人のマスターよ」
ゲラゲラと笑うソイツにナマエに渡された刀を握る。
ない、ないだろうなぁ!と嗤ってみせた男は言葉を継げた。サーヴァントはナマエを投げる。地面に伏せた彼女をサーヴァントが踏んだ。
ーーその瞬間、である。サーヴァントの額に穴が空いたのと、サーヴァントの首が撥ねられたのは。
動きを止めたソレは、黒いチリを散らしながら消えた。男は何も言えないのだろう。ただただ驚いたように後退る。刀は誰かが持っているかのように浮いている。彼女はゆっくりと起き上がると服の埃を払った。
「貴方が悪いんですよ、彼らを怒らせるから。あっという間に形勢は逆転、な、わけなんですが」
辺りを見渡して彼女は告げる。男は口を開く。
「形勢が逆転だと?まだサーヴァントは動けないのだろう!ならば、こちらの方がまだ優勢だ」
わらわらと湧き出るように骸骨が現れる。彼女はソレを見て不思議そうに首を傾げた。
「何言ってるんですか、こちらの方が頭数は多いでしょうに」
「ついに恐怖で狂ったか!」
「……あ、そうか、そうですね、普通の人には見えてないのか。ならあの言動は仕方がない」
刀が、或いは銃が宙に浮く。それは構えられているように。俺の手元にあった刀でさえも宙に浮くかぶ。
「ありはや、あそばぬともうさぬ、あさくらに、」
彼女は謳う。
「付喪の御神よ、おりましませ」
その言葉に、桜の花びらが吹雪いた。その瞬間、周りにたくさんの人が現れる。俺の正面には二人の少年だ。
「藤丸様や英霊様は下がっていてください!」
「主をお助けするのは僕らの役目です」
「小豆、おんしは主と退避しちょれ」
「ん?いや、それはきみのやくめだろう?おれはこのおとこのなずきをはねないときがおさまらない」
「ソイツの頭を撥ねたら彼らがどうなるかわからなくなるぞ、小豆殿。アインスもじゃ」
「ええい、私は元気だから。全員で骸骨の掃討、あの男は捕獲」
「主、捕獲だけだと撃ち殺すぞ」
「ゲベールまでそんなこと言う?色々情報欲しいから」
「OK、喋れる程度ってことだね」
「もう面倒だしそれくらいでいいよ」
ナマエはそう言ってため息をついた。男が何かを叫ぶ。その瞬間、歪な合戦が始まった。
「主様!」
「主!」
「大丈夫大丈夫、ただの切り傷」
「ただの切り傷ではないね、主。かるであとやらに帰ったら説教だ。勿論、僕だけで済むとは思わないで欲しいね」
そうナマエを連れてきた紫色の髪をした青年である。あからさまに顔をしかめたナマエは隣に座らされた。
「アインス、いるんだろう?主のそばにいてやってくれないか」
「相変わらずアンタ達は気配に聡いな」
「アインス様は参加されないのですか?」
「眉間に風穴あけていいならやるが、ダメなんだろう。興が削がれた」
そう言って物陰から現れた男性はガスマスクをつけた人だ。大きな銃を担いだ。
「サーヴァントの眉間に風穴はアインスかー、そうかー、心臓辺りの二発はドライゼと八重かな?」
そうぼやいたナマエさんは息を吐いておれを見た。
「ごめんね」
ぽん、と撫でられた頭に少しの安堵感が訪れる。
「マスター、バレちまったのはいいのか」
「今回は仕方がないと思いまして。アインスさん達は普通に動けるんですよね?」
「ああ」
「ということは、魔力的なものが原因ですかね。何か異常があった、とか」
「でも、サーヴァントの魔力ってカルデアから……あ」
俺はそこで言葉を止める。もしかしたら、カルデアから供給されている魔力に異常があるのかもしれない。
ふむ、と考えたナマエはエミヤを見た。
「血液は魔力を宿すんですよね」
「……きみがいわんとしていることはりかいできるが、まぁ、でもうごかないよりましか……」
ナマエはエミヤに近く。手から滴り落ちた血をエミヤが舐めた。その瞬間、動けるようになったらしい彼にああやっぱり魔力的な問題なのか、と理解する。
「
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