2018/09/18
ボツ案
ひぇっ、今日も推しがカッコいい。
そう言いたいのをぐっと我慢して、ひぇっとだけ告げる。まぁその小さな声に気づいた万斉さんはこちらを見て首を傾げたのだけど。
「どうしたでござるか?」
「あ、むり、今日も万斉さんがカッコいい」
そう言った私に万斉さんはため息をついた。
××今日も推しがカッコいい
・史実河上さんの刀だった(捏造刀)刀剣女士が迷い込んで鬼兵隊にいる
・なので陸奥となかよし。本人は長曾根さんにも構ってほしい
・同田貫とも仲良し
・長船派最年少の打刀だが、謙信は弟扱い。偶に僕の方が年上なんだぞ!と怒られる
・歴史が関係ないのでほとんどひゃっはーしてる
・前世が人だったらしいよ
・審神者はショタ
・なんとなくで書いてたら全然違う方向に入った
なんで武市さんと同列に並べられてるんだろうか。どうせならべるならまた子さんと並べられたいというか。私は万斉さんがとてもとてもカッコいいと言ってるだけで、変態じゃないんですよと言いたくなる。ちなみにまた子氏には一緒にするなッス!と言われた。あれぇ。
まぁ、私はいかんせんこの世界のモブであるのだからそんな扱いも仕方がない。万斉さんは元主とイコールではないけれども、どこかは同じだ。
まぁ、変態云々はこのありさまをさすのかもしれないと、血の海の中に佇む。私は刀だ。所詮、人を斬る道具であり、そもそも元主が使ったことで私は由緒正しい刀から人斬りの刀に変わったわけなのだから、そこんところが忠実に再現されてるわけである。
血の海から外に出れば来ていたらしい岡田さんと出会う。相変わらず綺麗な切り口だねぇ、と言った彼に、そうですかねぇ、と惚けていれば普通の志士がやって来て岡田さんがやったのだと判断した。まぁ、そうなりますよね。普段の私みてたら。岡田さんも否定しないし。
「ナマエ、何してんだ、帰るぞ」
そう私を手招いた彼らに、はーい、と気だるげに返事をしておいた。怒られたけど。
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目の前の刀は意思を持つ刀らしい。らしい、というのは私が制作者からきいたわけではなく他から伝え聞いたからだ。意思を持つ刀。普通の刀が意思がないみたいだな、と思ったが、普通の人にはわかりかねないことなので吐き出すことなく黙っておく。深紅の刃は美しいとは思うが。
「気になるか、この刀が」
背後からかかった声に振り返る。わぁ、鬼兵隊のトップがいる。そう目を瞬いて、苦笑いした。
「使ってみたいとは思わないんですけどね、意思があるというのを聞いて」
そう言って赤い刀をみる。コポリと泡が浮かび、水でくぐもったような声がした。
「不思議なものですね、コイツには確かに意思がある。でも、魂がない」
彼にそう言って通じるのかとは思うが、彼はしばらくの沈黙の後にそうだな、と肯定した。
「……お前にも褒美を考えないとな」
「なんのですか?」
「最近の幕府相手の辻斬りは岡田の仕業だけじゃあるめぇよ」
ばれてらぁ、とおもいながら彼をみる。まぁ、彼は煙管を燻らせるだけだが。
「万斉が春雨に交渉に行く。お前はついていけ」
「やっったーー!!」
ガッツポーズを決めた私に彼は呆れたように「よくわからねぇやつだな」と告げた。
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帰ったら紅桜が破壊されてたらしい。魂がない刀が魂のこもった刀に敗れたらしい。まぁ、そうなるのは仕方ない。でも、散らかった刀の残骸はあまり好きではないのだけど。
偶に自分は人ではないのだなぁ、と思い知らされる時がある。主がいないため、鍛冶屋に本体を持っていくしかないが、どうも歯がゆい。しかしながら壊れるのは嫌だ。ピシリと腕に入ったヒビを隠すように包帯を巻き、鍛冶屋に足を運ぶ。何も聞かない鍛冶屋はただいい刀だと言って私を治す。それをただぼうっと見つめた。
ーー岡田以上に気味が悪いんス。
そう言ったのはまた子さんである。いつも、万斉先輩万斉先輩ってアタシみたいに追いかけるくせに、平然となんともないように人を斬るのが。
その言葉に、それは元主の影響だな、と思う。いつこちらを裏切るか、といった彼女にそんなことはしないのだけどとは思いはしたが、口を出すことでもないかと踵を返そうとしたのだ。
「そんなことあるめぇ」と高杉晋助が否定したのを聞いて、足を止めたが。
「アイツは俺たちを裏切らねぇさ」
結局は彼もお人好しなのである。
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陸奥守とあった。同じ本丸からやってきたらしい彼は私がを見つけてくるくると嬉しそうに回る。会いたかったぜよ、と言って抱きついた彼に坂本辰馬と鬼兵隊、万事屋やらがこちらをみた。
「吉行、知り合いかえ?」
「同郷の仲間じゃあ!」
「おぉ、噂の探し人かえ!」
「おん!」
そう大きな声で陸奥守は頷いた。
「さ、これが終われば帰るぜよ。みんなまっとおよ、特におんしの兄弟なんかずーっと心配しとう。主なんか毎日毎日おんしが居らんゆうて泣いちょるんじゃ」
彼はそう眉尻を下げる。その言葉に私は頭をかく。
「もうちょっとだけ、だめ?」
その時包帯が見えたのか、彼は目を細めた。私が言葉を発する前に彼は腕を掴む。
「……いうことを聞きぃ。おんしの方が年上じゃ、物分かりはいいはずぜよ」
「物分かりがいいからこそのワガママってだめかい?」
そう苦笑いしながらいう。陸奥湾はまっすぐな目で否定する。
「いかん。おんし、このままじゃ死ぬぞ」
「死に場所くらいは自分で決めたいなぁ、なんて」
真剣な目に苦笑いして肩をすくめる。彼は眉間にシワを深く寄せた。
「ナマエ、アンタ、病気なんスか?」
「万斉さんに恋患い中だね!」
そうはっきり言えば彼女は怒ったように私をポコスカ殴る。そういうことじゃないッス!!と。痛くはないけど、いたいいたいといっておいた。
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戦闘中、ピシリと顔に入ったヒビに、あぁ、これはやばいな、と思う。陸奥守が私の名を叫ぶ。まわりは驚いたように私をみた。それは敵もだ。
「お前、地球人じゃないのか!?」
「地球生まれ地球育ちだから地球人じゃない?あぁ、でも、人じゃないね」
そう言って刀を振るう。バッサリと斬られた敵は死んだ。陸奥守がかけてくる。かけた刃に私の一部もかけた。刃を空に透かすように掲げれば、たしかにヒビが入っている。それを大人しく鞘に戻す。体がぼろぼろだ。鍛冶屋でも戻せるかはわからない。
「無理ぜよ、ナマエはもうさがっちょれ!」
「吉行、その娘、人じゃなか?」
そう尋ねた茶色のモジャモジャに、周りの奇異を見る目がむく。私は緩く笑って、陸奥守の背後から襲ってきた敵をまた斬った。その度にヒビが深くなるのがわかる。陸奥守が銃をうつ。
「話を聞かん女じゃ!!おんし、折れるぞ!!」
「いいんだよ、折れて」
そうあたりを一掃して広がった血の海で手を見る。ひっ、と誰かが息を飲むのがわかった。やってきた陸奥守は私の手を掴むと無理やり私の本体を鞘に収めた。ただ、それだけでも体がから破片がおちる。同じくやってきたまわりは息を飲んだようにこちらを見る。
「天人だったんスか、アンタ」
「違うね、私はただの人斬りだよ」
そう笑みを浮かべれば、陸奥守が私に何かを貼り付けたのがわかった。
「恨みっこなしじゃ。ワシの言うことを聞かん花光が悪い」
桜がひらりと舞う。体が消える。そうして私の本体は陸奥守が受け止めーー陸奥守共々、そこから消えた。
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その刀は、元は何処か由緒正しい、それもお殿様のような人物が持つ刀だった。それがどういう経緯で人斬りの手に落ち着いたのかはわからない。由緒正しい刀は人斬りの刀に堕ちたのだ、と誰かが嘲笑ったこともある。主の首を見て、人斬りの刀は何を思ったのだろうか。
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目が覚めたら見慣れた天井だった。どうやら本丸に帰ってきたらしい。そばで寝息を立てている子供は主と謙信である。あらまぁ、ぐっすりしちゃって、とナマエはため息をついた。立ち上がろうとすれば流石に起きたのか、まわりは騒ぎ出す。思いっきり怒られたけど、腑に落ちない。あのまま折れてしまいたかった、といえばそれはそれはひどく怒られることは予想がついたけども。
「私はやっぱり人斬りの刀なんだよなぁ」
そうぼんやりと呟く。唯一と言っていいほど私の気持ちを理解する同田貫が、私を見た。あのまま折れたかった、といえば、わかるぜその気持ち、と言われる。畑番である。夏野菜をもぎって、一本齧れば同田貫も同じことをした。
「陸奥守が怒ってんのはそれか」
「うん、今だに口聞いてくれないから困った。長船は一周回って呆れてる。新撰組の風当たりがきつくなった」
「だろうな、あの様子じゃ。つーか、お前何処にいたんだ」
「この世界の過去じゃない江戸時代?」
「なんだそれ」
「主だけど主じゃない人がいた。すっごいカッコよかった。一生ついてく!って思ったけど今に至る」
「あー!!主ー!長谷部ー!まーた同田貫と花光がサボってるー!」
そう叫んだ乱くんに、サボってないよ、食べてるだけで、と言えば主と長谷部がかけてきた。
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演練中である。今だに口を聞いてくれない陸奥守と私に対してツンしかない新撰組と歩いてたら突き飛ばされた。咄嗟のことでバランスが取れないため、倒れる、と思った先にはゲートである。花光!と叫んだのは私の本丸の刀剣たちだろう。何故なら私は主の家族がたまたま手に入れた存在で、主の本丸にしかいないからだ。陸奥守が私の手を掴もうと手を伸ばす、が、それは届くことなく私はそのゲートに落ちるくるりと視界が変わり、そこは砂埃にまみれた野外である。
「なんだなんだ!仮名!外道丸!何が起こってんだ!」
「わかんない、でも、何かが召喚された」
感じた気配に刀を抜き、襲って来た敵を叩っ斬る。次第に晴れて来た砂埃に、見知った気配に声をかける。
「呼ばれて飛び出てじゃジャジャジャーン」
そう言って刀についた血を振り払い鞘に納めてくるりと彼らの方を見た。
「人斬りナマエちゃん、現るー」
少しの沈黙、そして、叫び声が聞こえた。それを華麗にスルーして、推しに手を振る。
「ばーんさーいさーん!!会いたかったよー!」
まぁ、その返答は、「どーいうことっすかー!!!!」というまた子さんの叫びに変わったけど。
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どうやら式神的なのと戦ってるらしい。それで私が引っ張り出されたというか。偶然か否かはわからないが。向こうも向こうで何か起きてる気がしないでもない。鬼兵隊が一番最弱レッテル貼られてるなうである。まぁ、鬼の子だか幽霊っぽいのまで何だか色々いるからなぁ、と思いながら頭を書いておく。結局のところ、付喪神って神様なのか妖なのかどっちなのかね、と思ったけれど、神域にいるのだから妖寄りの神、というところか。唯一、人型の鬼の子はこちらをじっと見たままである。いや、一言、厄介なものを、と呟いたのが聞こえたけれど。
周りはトッシーより使えるだろう、という返答になったが、当のトッシーも真選組の後ろからこちらを見たままだ。
「つーかお前は何コソコソ隠れてんだっ!」
そう連れ出されたトッシーとやらは「酷いでござる、土方氏ィ」と声をあげた。
「無理でござる無理でござる、ただこの刀についてる僕とは違って格上でござるよ〜」
「あぁん?」
やり取りが面白い。なにあれ、友達になりたい。そう思ってにこり凝視していたらトッシーに隠れられた。やってきたのは万斉さんである。
「……今更、ではあるが、主は人ではなかったか」
「ええ、まぁ、主と逸れて迷子になって鬼兵隊に迷い込んだといいますか、そのまま鬼兵隊たーのしーしてたら、同僚に無理やり連れ戻されたというか」
肩をすくめておく。
「……でも参ったな、どうして私が呼ばれたんだ?言っちゃなんだけど、私、別に主がいるから呼び出されるなんて普通はないはずなんだけど」
「あ、えーと、私が手助けしました」
そう恐る恐る手をあげた女の子に首をかしげる。
「そのサングラスのお兄さんがなにかのカケラ持ってて、何かは呼び出せるなって思って……」
「かけら……」
「ごめんなさい、まさか、他の人の式神だなんて思わなくって!」
頭を下げた彼女。
「顔上げて。怒ってないよ、驚きはしたけど。ああでも、主とか友人とか家族が煩いかもだから、来たら説明してくれるかな?」
とりあえず女の子に諭すようにそう告げる。
「えっと、ナマエさん、わがままだということは理解してるんですけど、力を貸してください!」
「力を貸すのは構わないよ。私は鬼兵隊の一員なんであるし、鬼兵隊が協力してるなら協力するさ」
「ありがとう!じゃあ、ちょっとのあいだだけ契約を……」
「仮名様、それは式神じゃないでござんす」
ひしり、と両手を握った女の子。それを見た鬼の子はこちらを見た。眼鏡くんが首を傾げた。
「どういうことですが、外道丸さん」
「そのままの意味でござるよ、志村氏。もっと格上でござる」
「人に使わられるんだから変わらないと思うよ」
「仮名様が名を紡いでも何もならん。その名も偽名か」
鬼の子の言葉にニコリと笑っておく。
「苗字ナマエは偽名じゃないよ。人間ごっこのつづきの名前だ。特別な名前なんだ。でも、そうだね、私を指す名前は他にある」
「これだからシリアス担当の鬼兵隊は。回りくどいんだよ。お前は何処の誰なんだ」
銀色さんの言葉に名乗らないといけない形かぁ、と頭をかく。感じた気配に私は片手で抜刀する。現れた異形の首を綺麗に切断して、彼らに向き合った。
「お初にお目にかかります。某、長船花光が一振り、紅葉花光」
地面が揺れる。背後にやって来たそれに、もう一度抜刀した。
「毘沙門より堕ちし、人斬りの『刀』でございます。いご、よしなに」
刀をしまい、真顔で告げる。珍しく真面目モードである。でも、面白くないのでやめて、いつもみたいに笑っておく。
「まぁ、君たちにわかりやすくいうと、刀の付喪神だから。よろしくね」
「う、ぇ、ちょっとまって、神さま」
固まってる女の子にニコニコと笑っておく。
「別に敬わなくていいよ。同じ付喪神でも百鬼夜行にいる奴もいれば、神社に祀られてる奴もいるし、博物館にいる奴もいれば、誰かの家の蔵に眠ってる奴もいるわけだ。私は人に使役されることはできるけども、誰かの願いを叶えることはできないわけだから。願いを兼ね得て欲しけりゃ他を当たった方がいいよ。私は人を斬ることしかできないわけだし」
そう何か祈祷しそうな連中に言えば彼らはそそくさとそれをしまった。
少し昔を思い出す。最期はお前で斬られたいとつげたあの人を叶えた。そして、私は。
しかしながら高杉晋助は驚かないらしい。
「驚かないんですね?」
「似たような何かだとは思ってた。普通の人間は体にヒビが入ることもなきゃ、触れてもない紅桜とも会話しねぇよ」
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彼は私との会話で魂というものを求めたのだろうか。機械に心があるかはわからない。しかし、あってもおかしくはない。誰かは付喪神は魂の寄せ集めだとも言った。その道具を使ってきた人の魂を寄せ集めたーーだから私の斬り方は河上彦斎のそれと同じであり、ただ、ちゃんとした使い方もできる。ならば、この似たような物の斬り方は恐らく。
勢いよくまた子さんと武市さんを引っ張り、トッシーと土方を蹴飛ばし刃を刃で防ぐ。あまりやりたくないが、そのまま相手に蹴りを入れれば、彼は距離をとった。殺気立っちゃってまぁ、とは思う。
「久しぶりだね」
そう声をかけてみれば、彼は何も言わない。笠を被った彼はただただじっとしている。
「いてて、ナマエ氏の知り合いでござるか?」
「まぁね、君は相対しないほうがいいよ。いや、相対したら君の何かは目覚めるかもしれないけど一か八かだね」
「あぁ?どう言う意味だそりゃあ」
「刀の振い方の話。刀は振るわれた記憶がある。その記憶を元に刀を振るう。北斗一心流で振るわれた刀は北斗一心流を振るう。私は我流の人だったから、私もまた彼と同じ振るい方になる。本当ならトッシーも貴方と同じ戦い方ができる。彼はできないと決めつけてやらないだけ」
==紅桜と戦わせたかったけどぼつ!
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