2018/10/03

↓没


・陽月さんは鬼兵隊
・何気にそよ姫とあって仲がいい
・ずれてなんだかよくわからない関係性

昔からそういう人間は一定数いるのである。そしてそういう人間が増えれば増えるほど、時代は終わりへと近づくのだろう。それは一重に君主だけの問題では無いのだろうとは思いはするが。それにしても随分な言われようである。天女様、に似た何かはそうワァワァ喚くけれども。万事屋のそばにいる松寿がチラチラと私をみる。その様子に肩をすくめた。
「別に怒ってない」
嘘である。これは怒っているのだろう。こちらの世界の家康がどう言った人間だったかは知らないし、こちらの世界の私がどのような一生を遂げたのかは知らないが。まぁ、松寿がビクビクしながら「怒ってるだろ」と告げたが。
「え、真選組の葉月さんはともかくなんで鬼兵隊のナマエさんが怒ってるんですか」
新八くんのツッコミに、だから怒ってない、と言う。葉月がこちらをみた。
「で、本音は?」
「腹が立っている。何も知らないあの小娘をぶん殴りたい。壊れるのはいい。始まったものはいつか終わるものだ。だが、その経緯を笑うやつは好きじゃない」
「まぁ、言っちまえばお前が一番江戸が思い出深いたちばだもんなァ」
暁の言葉にため息をついた。この世界の話ではないよ、と思いながら怒りを逃すように目を伏せる。小娘の話などこちらは右から左である。
「とりあえず!原作からいますって顔してるそこの四人は!本来いない人なの!違う世界からきたの!」
そう私達を指差した彼女に、人に指をさしちゃいけない、と告げておいた。晋助がこちらを見下ろした。
「違う世界云々は否定しないのか」
「しない。だが、言っても信じる酔狂な人は少ないからな。天人とどう違うのかもよくわからない。私たちは似て非なる世界にいたが、他の星という可能性もあるから」
「その姿も仮初めなのよ」
彼女の言葉に、厄介なことを察知する。いや、戻る姿にもよる。松寿も葉月も暁もいい顔をしない。
「なに?なんで松寿さん達下がってるんですか」
「仮初めの姿から元に戻るのがちょっと……」
「なに?お宅ら結構顔整ってるけど、それも仮初めなの?」
「ナマエ先輩はどういう姿でもナマエ先輩ッス!」
そう告げたまた子ちゃんの頭を撫でる。しかしながら、顔面の問題じゃないのである。さて、どう防御するか、と思っていたらカチリという音がして足元に時計の紋章が現れた。
「さぁて、元に戻っちゃって!」
ケラケラと笑う声だ。葉月と私はお互い死んだ目をしているだろう。足元が光って、周りが光ったのに乗じて飛び上がり姿を隠す。それは葉月も暁も一緒だろう。ただ、そこに残った松寿が自分の両手を見てうわぁ、と何処か死んだ顔で呟いた。
「さいっあく」
「松寿さん、身長伸びただけって感じですね。って、他の三人は?」
「多分、厄介なことになるから隠れたんだと思う」
やれやれと息を吐いて松寿は彼女を見た。彼女はただ目を瞬いただけだ。海賊がギラギラとした目で松寿を見た。
「いやもう、なんでみんなそんな突発的に隠れれるんだ……おれが鈍いのか……あぁ、もう、意地だ意地!」
松寿は影に手を伸ばした。すらりと槍が現れる。
「冥土の土産にもってけ泥棒!俺の名前は黒田長政!別世の戦国乱世、戦国豊臣二大軍師の息子だ、馬鹿野郎!」
そう闇の婆娑羅を纏った槍を松寿は振るった。諦めた松寿つよい。まぁ、しかし周りが吹っ飛んだのを見るとやはり婆娑羅者≒夜兎と似た戦闘力ということか。そう冷静に考えていたら銀色がパニックになりながら口を開いた。
「え!?え!?松寿お前なに!?戦国時代からきたの!?」
「別世界のな!!こっち来た時死ぬほどビビったわ!!あとな!坂本辰馬んとこにいるのはな!俺たちの世界の元雑賀孫市だしな!」
「バラしてんじゃねェぞ、松寿丸!!」
そう高いところから銃剣をぶっ放した暁は、私の近くで隠れている葉月を指差した。
「そんなこと言うなら真選組にいんのは武田信玄の息子だろうがよ!!最後まで徳川に楯突いた方の!」
近くにいた葉月が頭を抱える。あの馬鹿ども……とぼやく。私はあの子に近づく、とそれとなく伝えれば頷かれた。こちらにやってきた海賊を凍らせた葉月は大太刀を鞘から抜くとそれを一刀両断する。それを見送って私は静かに駆けた。
「ぎゃあぎゃあ煩いぞ、お前ら。だいたい姿が変わろうが中身はかわらねぇだろうが」
「葉月……いや、葉月様……?」
「敬わんでいい。俺は元々武田信玄の養子だ。血が繋がっているわけじゃない」
「え、皆さん戦国からってことは、ナマエさんも?」
そう言った新八くんは周りを見渡す。
「よく考えてみろ、アイツは女だ。女が戦場に立つと思うか?」
「ですよね、危ないから隠したんですか?」
尋ねた新八くんに松寿が死んだような顔をした。私は彼女の上部から急降下して婆娑羅を纏わせた刀で峰打ちする。倒れかかった彼女を支えて小さく息を吐いた。
「まぁ、戦えるんだけどな」
「戦えるんかいっ!!!」
「まぁ、戦えないなら鬼兵隊にいても戦えないさ」
肩をすくめて彼女を寝かす。さて、どうするか、と考えていたら恐る恐ると言う風に銀色がやってきた。
「お宅は何処の軍勢にいたわけ?」
「いや、私はーー」
「そいつは、こちらの世界の歴史の徳川葵の上といえばわかるか」
葉月の言葉に何人か首を傾げた。万斉がほうと納得する。
「徳川家康の寵愛を受けた娘でござったか。蝶よ花よと愛でられてーー城から出ることは叶わなかったという」
「まぁ、俺たちの世界じゃソイツは徳川家康の懐刀だよな。本多に並ぶ家臣でもある」
「じゃあなんで鬼兵隊なんかにいるんだよ」
「終わりがあれば始まりがあるさ。それに私はただの根無し草でね。彼らに助けられたのだから、彼らに力を貸すのは当たり前だろう?」



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ぎんたま 

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