2018/10/09

大神妹ちゃんと役者さん

妹ちゃんが死んだと思ったらa3にトリップした
リハビリ

コレと同じ設定

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大神ナマエちゃんは少し変わっている。世間知らずであるし、服も和洋折衷でたまに袴をきていることもある。タイムスリップしてきたのでは、と思ってしまうぐらいだ。それとも、どこかの奥座敷で育った女の子か。まぁ、成り行きはどうであれ経営の事務や売り上げの管理をナマエちゃんは手伝ってくれたり、家事を引き受けてくれたりするのである。それだけでも、どれだけありがたいことか。たまに舞台に連れて行けば、目を輝かせる彼女は舞台が好きだと伝わってくるし。
「ナマエちゃんの家族って、どんな人?」
なんとなしだ。家事をしているナマエちゃんにそう尋ねれば、彼女は目を瞬いてーー過保護な両親と姉が一人と兄が一人、と苦笑いして答えた。
「過保護?」
「昔は病弱だったので……姉はそうですね、肝っ玉母さんといいますか。二天一流の師範で兄をボコボコにすし、兄の友達もボコボコにするしで大変でした」
「なんか想像できないなぁ……お兄さんは?」
「それとなく過保護な人誑しといいますか。年関係なく誑し込むある意味天才ですね」
ナマエちゃんの言葉に、あ、なるほどそれは兄妹で似たのか、と理解する。あと、と口を開いた彼女は言葉を続ける。
「監督さんに似てる気がします」

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「楽譜だ」
そう言ってテーブルに置かれた楽譜を摘まみ上げる。昨日、椋君たちが話していたから恐らく彼らのものなんだろう。もうすぐで音楽のテストがある、とは昨日の会話だ。楽譜を見れば二人に分かれているのを見るに恐らくは二人で歌うものなのだろう。音符を頭の中で組み立て、それを鼻歌で歌ってみる。そこでようやくそれがこの前″てれび″でみた活動写真ーー映画の挿入歌であるとわかった。しばらく楽譜を眺めーー朝ごはんの準備を思い出して慌てて立ち上がる。早く準備しないと臣さんに手伝ってもらうことになってしまう。

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臣さんが被写体にさせてほしい、と言ったので(多分袴を着れるからだろう)久しぶりに袴を着てみる。そんな格好で談話室の方へ向かったのだから、春組以外がざわついた。春組が騒つかないのは私が最初は私服として袴を着ており、綴さんに止められたからである。オー!ナマエ!懐かしいネ!とやってきたシトロンさんに、懐かしいってなんだ、とは万里くんの言葉である。
「ナマエちゃん、最初私服だーって言って袴着てたから綴くんが止めたんだよね」
「は?」
「いや、ホントに。袴の上にエプロンつけて家事仕事するもんだから、いつ汚すかヒヤヒヤして……」
眉尻を下げた彼に苦笑いをした。袴に興味津々であろう幸くんに、後で見てみる?と尋ねれば頷かれる。あぁ、ごめんごめん、とやってきた臣さんはニコリと私を見て笑った。
「着てくれたんだな、よく似合ってる」
「ありがとうございます」
ふふ、と笑いながらそう返せば周りが固まった。なんだろうか?ととりあえず二人で首を傾げて、二人でとりあえず出かけることにした。

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とりあえず公園にて撮影してたら紬さんと丞さんと鉢合わせしたのでそのまま撮影続行してお洒落なカフェでランチを食べて帰宅である。紬さんが苦笑い気味に監督さんに何か報告をするのを側に、丞さんが首を傾げた。
「慣れてたな、大神」
「あぁ、それはわかります。目線とか、表情とか、ポーズとか」
苦笑いである。ブロマイドの癖だろう。とりあえず写真をとる趣味の方がいたので、と言っておく。その言葉に、周りが写真を撮りに行ったのかと納得した。
「よく被写体になった?」
「よく、ではないですが、ほどほどには……?」
そう首をかしげる。舞台の数だけ写真は撮られたし、加山さんなんかがたまに撮ってくれた記憶はあった。カメラを構えた彼は穏やかな顔をして笑うのだ。
懐かしいなぁ、と思いながら目を伏せる。弱っていく私を支えてくれた彼は元気にしているだろうか。ワガママばかり言ってしまったなとは思う。それでも、彼は最後に笑うのだ。仕方ないなぁ、だなんて。
「大神?」
そうこちらを覗き込んだ丞さんに、なんでもないと首を振る。会いたいなぁ、だなんて言葉は飲み込んだ。

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「私は幸せだなぁ〜」
そう言ってお酒をちょっと飲んだナマエちゃんに私達は彼女を見た。顔をお酒で真っ赤にした彼女はジッとグラスに入った酎ハイを見つめている。彼女がお酒を飲むのは珍しいが、誰かが勧めたらしい。
「しあわせ、だったなぁ」
まさかの過去形である。ナマエちゃん?と声をかければ彼女はポロポロと涙を流した。ギョッとした私達に彼女は慌てたようにそれを止める。
「ごめんなさい、思ったより酔っちゃったみたいで」
そう苦笑いした彼女は何にもなかったように料理を口に運び、美味しい、といつものように笑った。

思えば、私はこの子のことを何一つ知らないのかもしれない。励まされたり、手伝ってもらったり、それは私だけではなく支配人や劇団員だってそうだ。舞台が好き、世間知らず、袴を普段着といったりする、ちょっと変わったところがある女の子ということくらいだ。何故あそこにいたのかも、何故彼女は荷物をロッカーに預けていたのかもしれない。どこの出身なのかもわからない。
「ナマエちゃんは、どこから来たの?」
なんとなくだけど、そう尋ねた言葉。彼女は少し目を見開いてーー苦笑いした。
「……紐育から?」
そんな彼女の言葉に、私達は動きを止める。
「ちょっとまって、まさかの帰国子女なの?」

==王子様は今日も来ない



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雑多 

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