2018/10/11
あーくのあれく
・アンネリッタに転生した
・転生したものだから90度違う
・名前がアンジェリカに変わってる(間違えてたけどしっくりきてるのでそのまま).
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大災害が起きた時、私はそれはもう奔走した。父親よりも奔走した記憶がある。人々を助けるために。そうして得た魔法であるが、まだまだ幼かった私に大量の重傷人を助けれるはずがなく。
ーーあの時の夢だろう。命が落ちる感覚がする。目の前にいた人の熱が冷めていく感覚、止まる呼吸、痛む頭。周りの視線。ごめんなさい、と何度もつぶやく。私は、この人を。
パチリ、と目を覚ましたらいつものようにお屋敷である。あぁ、ああやな夢を見たなと伸びをして窓の外をみた。快晴である。
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そろそろ闘技場のシーズンだなぁ、と思っていれば、グルガさんから手紙が来ていたのを思い出す。いや、最近なんやかんやとバタバタしてたからな、と思っていれば爺やがハンターを連れてきた。同い年ぐらいの年齢だろうか。とりあえず、お手数をおかけしました、と謝っておく。
「本来ならば、私とグルガさんで賄うべき仕事なのですが、お互い忙しくって」
そう言いつつ、彼らを見下ろす。
「お茶でもいかがとお誘いしたいのですが、ハンターさんもお忙しいでしょう?ありがとうございました」
「いえ、僕らも仕事なので」
「爺、お菓子か何かを渡してあげてくださらない?少しはお腹の足しになるでしょうし」
「はい、かしこまりました。お嬢様」
「では、私は仕事がありますので失礼いたしますね。貴方達の旅路が幸せと共にあらんことを」
頭をそう下げて仕事部屋に向かう。今日はレッスンもあった気がする。ぐぅ、最悪だ。逃げようか。
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髪の毛を束ねて、眼鏡をつける。分け目をずらして隠し持った男の子の服をきて、帽子を被った。これで準備はオッケーである。そのまま窓に手をかけていつものように外に飛び降りた。お嬢様の格好をしていれば周りはアンジェリカお嬢様として私をみる。まぁ、それでも街のみんなは随分とフランクだ。しかし、この服を着ていればお忍び(笑)であることがわかるようで、逃走を手伝ってくれたりする。グルガさんもそうで、彼は笑いながら偶には休息云々と言ってくれるのだ。あと、ついでに言うとリシャさんはわかっているが、ヴェルは気づいてない。素直というか、実直というか。まぁ、興味はないのだろうけど。ちなみに偶に爺がハンターに私の捜索の仕事を依頼する。
「私だって偶にはのんびりしたいんだけど」
ため息をはいて、そこに向かう。花屋さんと最近の話をして、花束を買って、街の人と話しながら歩き出す。困ったことがないかの確認ではあるけど、今の時期は闘技場の話題ばかりである。まぁ、それもそうか。ちなみに闘技場シーズンになるとタチの悪い輩も増えたりするが、ヴェルが倒してしまうのとグルガさんが戦うので意味はない。
やってきた墓地は相変わらず人一人いない。まぁ、年に一回人が来るか否かの場所だ。そんな場所に花を供え、地面に座る。ぼんやりと寝転がって空を眺めた。空に向かって手を伸ばす。今ならもっと助けれるのではないか。考えても意味がないのはわかっている、のだけど。青い空を目に焼き付けるようにして目を伏せた。
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「アンジェ、迎えがきたぞ」
グルガさんの言葉に目を開く。振り返ればグルガさんがあのハンター達を連れていた。
「あちゃあ、爺やがギルドに捜索願また出したか……」
「そのようだ」
「そんなことしなくても、戻るのに」
苦笑いしながらそういえば彼は「君が心配なんだろう」といつものように告げる。
「えぇっと、グルガさん、あの人があの」
一際幼い少年が伺うように少年に尋ねた。私は服を叩いて立ち上がる。
「あぁ、彼はアンジェ。アンジェリカお嬢様の従兄弟」
「あら、よく似た親族かしら?」
「いや、『街の人にはそういうこと』になってるんだ。恐らく、君たちは街の人にアンジェなら見たと言われたんじゃないか?」
「えぇ、言われました」
「まぁ、アンジェは私のお忍びネームってところなんですよ。街の人は気を使ってくれているわけです」
そう言って髪の毛を縛っていた紐をとる。眼鏡を胸ポケットに入れて帽子を外した。ホントに同じ奴だったのか……!と衝撃を受けた緑の青年に苦笑いする。
「さて、帰りますね。お迎えありがとうございます。グルガさんもお手数をおかけしました」
「いや、君にも休息は必要だろう?」
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「アンジェリーーアンジェ」
聞こえてきた声に振り返る。そこにいたのはハンターの少年である。覚えられたなぁ、と思いながら、こんにちは、ハンターさん、といえば彼は目を瞬いた。
「名前を知らないので」
「あぁ、そっか。僕はアレク」
よろしく、と差し伸べられた手によろしくと手を合わせて振る。
「アレク、今日は仕事は?」
「朝に終わらせたんだ。お昼からは自由時間。アンジェはまたお忍びかい?」
「午前中に仕事は終わらせたんだし、午後からのレッスンくらいは休みたい」
肩をすくめれば彼はまた目をパチパチと瞬いた。なんだ?と思っていれば街の人から声がかかる。
「アンジェー、林檎持ってくかい?」
「いいの?やったね、ありがとう。最近流通とかどう?」
「まぁ、飛行船がねぇから流通はある程度仕方ねぇわな」
「飛行船ね……また考えとく」
「まぁボチボチでいいさ。お兄さんもどうだい?」
「いいんですか?」
「おぅ!」
そうアレクにも林檎を渡した店主にお礼を言いつつまた歩き出す。
「そういえば、アレク、仲間は?」
「意見が分かれちゃって、色々」
アイテム協会とか、ウェポン協会とか。そう指折ったアレクに、ならば彼は一人らしい、と納得する。
「よかったら案内しようか。この街を色々」
「え、いいの?」
「いいよ、私も気晴らしだし。その代わり色々教えてほしいな、私この街から出たことないから」
「いいよ、僕が知ってることでいいなら」
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アレクと仲良くなった。あっちこっちに顔出したり、休みだというのに手伝ったりと色々とする。まぁ、手伝ってくれる彼は良い子だろう。
海を見ながらいいなぁ、とぼやく。こちらを見たアレクに、「旅も楽しそうだね」と言った。
「話を聞いてるだけで、アレクはハンターの仕事を楽しんでるとか、ハンターになれて嬉しいんだなってわかるよ」
「アンジェはこの街が好きなんだね」
「とっても。でも、偶に他の街を見に行きたくもなる」
そう言って頬杖をついた。海の向こうの世界は知らない。贅沢な悩みだなぁ、と自分でそう告げて苦笑いした。
「でも今は街のこととか、やりたくないレッスンとか、将来の勉強とかでいっぱいいっぱい」
「……アンジェは何になりたいの?」
そう尋ねた彼に、私?と首をかしげる。
「街のこととか、よくわからないけどレッスンとかしてるから」
「街の事はね、最初は義務感からなんだ。私の家が他より裕福で被害も何もなかったから、街の人の為になる事はなんだろうって考えて、再興に手を貸したのが始まり」
「レッスンは?」
「アンジェリカお嬢様が貴族の社交界でアシュフォード家の名前を汚さないための勉強。私がやりたいお医者さんの勉強は一番後回し」
「医者?」
「簡単な治療なら魔法で治るんだけど、どうしても上限があるでしょう?それを治せるようになりたい」
あの時。もっと救える命があったはずなのだ。思い知った。無力だと。零れ落ちる命にどれだけ泣いたことか。唇を噛み締めたことか。
「なんてね」
そう笑ってアレクの顔を見る。目を瞬いた彼は、なれるよ、とまっすぐにこちらをみた。
「ナマエはきっと、いい医者になる。僕が保証するよ」
こそばゆいな、と思いながら、ありがとう、と笑った。
==仲間になった!
マーシアと回復魔法についてああだこうだ言う。それを聞いてる一部が意味がわからないみたいな顔をしているのはこの際気にしない。
「でも、驚いたわ。アンジェは独学でしょう?」
「ええ、なんでどうしても上限があるんですよね。過去の研究資料もほとんどないですし」
「あら、じゃあ私の故郷に来るといいわ。面白い蔵書がたくさんあるから。回復魔法の本もあるし、先生にも教えてもらえるかも」
「行きたい……是非とも行きたい……でも、全部解決してからにします。とりあえずパルテに帰ったら父親にかけあって、飛行船と空港の整備して……」
「飛行船?ヒエンみたいなものですか?」
「ううん、それよりもっと大きいもの。大災害前は陸路・海路より飛行船で行き来するのが主だったから。飛行船があれば、物も人と行き来しやすいでしょ?そうすればホバークラフトがなくっても行き来ができるから」
「へぇ、良いですね!」
そう同調したテオの頭をぐしゃぐしゃ撫でておく。
「そんな金何処から……って、アンタは心配ないか」
「まぁね、アシュフォードの家を使うよね」
まぁ、金持ちがお金を使わないと下にお金はいかないし、何より新しい仕事に繋がるのだからいいだろう。難しい話になるから言わないけど。
「敏腕社長って感じよね、アンジェは」
「ひっそりゆったり暮らしたいんだけどなぁ」
「無理だな」
バッサリとヴェルがきる。まぁ、私も無理だとは半ばわかっているけども。
「パルテの連中がお前を手放すとは思えん」
「だろうなぁ」
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