2018/10/14

あーくrのアレク


・r軸アンジェ。相変わらず貴族
・ガイルとは知り合い
・アレクとできてるアンジェ。シェリルとは親友
・アンジェには3世界の記憶がある

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「誰かにあったの?」
何か考えているアレクにそう尋ねる。この少尉家にいると比較的に無防備であるが、彼は眉間にしわを寄せていることが多い。それを何度指でぐりぐりしたか。今日も眉間にしわをよせて椅子に座っている彼を上から覗きこむ。はい、とホットコーヒーを渡せば彼は目を瞬いて、ありがとうと笑った。そう言う姿は酷くあの世界の彼に似ているというのに、こちらでは軍隊にいるからか幾らかは考え方がシビアだ。まぁ、根は変わらないのだろう。ちなみに出会ったのはパルテではなく、幼い私が幼い彼と幼いシェリルエクストラを救ったのが布石であり、そのままアルディアの国のパーティーで再開という形である。あの世界よりもきな臭いこの世界はあまり好きではないが、彼が行方を変に眩まさないのはいいかもしれない。私は根に持ってるんだからな。帰ってくるっていったのに、帰ってこなかったことを。ちょっとしたトラウマだ。だから私は遠征に向かう彼と約束をする。意味が無いとはわかっていながら。しかし、それは同時に彼を縛り付けているのだろう。彼の気持ちを揺すぶってるのは紛れもなくアークスという人達や英雄達の言葉だ。本来なら彼は向こう側にいるべき人なのである。
「アンジェ?どうかしたのか?」
「アレク、たまには帰ってこなくても、いいんだよ」
そう言えば彼は目を見開く。
「アレクはもう大人なんだし、好きなところに行く権利はある。だから、律儀に約束を守らなくってもいいんだよ」
「どうしたんだ、急に」
「なんとなく、思っただけ」
そう言って笑う。僕は帰ってくるよ、とアレクは私のほおを触っていった。
「何処かに行くとしても、アンジェを置いていかないさ」
だから、そうじゃ無いと言うのに。


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誰をかくまっているかなんて知っている。やってきた兵士達が私の屋敷の戸をたたいたが、見ていないと言えば彼らは撤収する。まぁ、その後ろからアレクとシェリルが来たからだろうけど。
「アンジェ、無事!?」
「あー、びっくりした、誰か逃げてるの?」
そう尋ねれば、アークスの連中が、という情報を教えてくれた。アレクはまさかと思うけど、といって屋敷の中を見る。
「かくまってないよな?」
「誰を」
「アークスの連中を」
「アンジェはお人好しだからあり得るよ、アレク」
「私そこまでお人好しじゃないんだけど」
やれやれと息を吐いて二人を見る。お茶していく?と聞けば二人とも仕事中だと言われる。残念。しゅんとすればアレクが笑いながら私の髪を撫でた。
「夜には帰るよ」
「料理作って待ってる。シェリルも一緒にご飯食べる?」
「いや、あたしは……」
「そうだね、シェリルも一緒に。どうせ最近まともに料理してないんだろ」
「アンタ人が気を使ってやってんのに!あと、食べる!」
こういう時は向こうと変わらないのだ。そろそろ行くよ、と手を振ったアレクに、私も手を振る。必ず帰ってくるから、といった彼に私は行ってらっしゃい、とだけ告げた。

その背中が見えなくなるまで見送って扉を閉める。さ、もういいかと自分の部屋の扉を開けた。聞き耳を立てていたらしいガイルが苦笑いをしてこちらを見る。まぁ怪我も治ったようで何より。
「ねぇ、なんでアンタは私達を匿ってくれたの?アイツらと仲がいいんでしょ?」
「私は貴方達が世界を変えてくれると信じてるから、と言ったらおかしい?」
そう首を傾げて告げる。きょとんとした彼らに苦笑いした。相変わらずだねぇ、と言ったガイルは口を開く。
「いい加減アークスに入らないか?アンジェリカ」
「それはお断りさせてもらうわ。私はこの家を守らないといけないから。ここは帰ってくる場所なのよ、あの二人の」
「……」
「そのかわり、あの二人を連れていって頂戴。あの二人はこの国にいるべきじゃない。あの二人こそ、貴方達といるべきよ」
そう微笑んで彼らを見る。彼らは目を見開いて私を見た。

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アレクが帰ってこなくなったのは、恐らくアークスに加わったんだろう。だんだんと物騒になっていくこの国で相変わらず私はいる、のだけど。そろそろ身がやばいな、と思う。恐らくはアレク達があちらについたことがバレたのだ。そして、軍の上部は私とアレクがどういう間柄だったか理解している。聞こえてきた破壊音に読んでいた本を閉じる。使用人を逃がしてよかったと心底から思った。ドタドタと聞こえた足音に私は自室の扉を開け、玄関に出た。一斉に向いた銃口に私は彼らを見下ろす。
「マナーがなってないわね。そんなことをしなくても、私は逃げなくってよ」
そう言えば兵士を引き連れた男は笑った。

このまま死ぬんだろう。恐らくは。牢屋のような小さな部屋のようなそんな場所。牢獄でないのは恐らく、私の身分が身分だからだろう。それとも私が取引材料だからだろうか。私をここに連れてきた男は全く品のない男である。馬乗りになった彼を淡々と睨めば、頬を打たれる。それでも男を見た。
「私は決して貴方に屈しません」
ただまっすぐにそう告げる。男はもう一度私を打った。

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「おっとそこまでだ。この方がどうなってもいいのかな?アレク少尉。いや、元少尉か」
相変わらず品のない笑い方だと思う。ギリギリだ。体力も、精神もギリギリの綱渡りだった。引きずられるように髪を掴まれてそこにいく。見下ろせばいたのはあの時匿ったハルトという少年とミズハという少女、そしてアレクとシェリルとガイル、英雄たちだ。目を見開いたアレクが小さく私の名前を呼ぶ。シェリルが叫ぶ。
「アンジェ!!ちょっとアンタ、アンジェに何したの!!」
「さぁ、いろいろとね。今では彼女と私はこんなにも仲良しだ」
そう私を引き寄せた彼に誰が、と小さく言えば彼は私を見下ろしてまた打った。痛い。それを見てアレクが叫ぶ。
「やめろ!アンジェを離せ!!」
「ふん、こうも都合がいい女を離すと思ってるのか?」
「やめろ、やめてくれ、お前達の狙いは僕なんだろう!僕は降伏する、だからアンジェを離せ!!」
そう武器を下ろしたアレクに、男は告げる。
「なら、アレク少尉、そこにいる奴らを片付けてくれるな?」
「そ、れは、」
「できないか?ならばこの女を殺すまでだ」
そう告げて男はナイフを私の首元に構えた。アレクがそれを見て、握っている剣に力を込めたのがわかる。そして、ハルト達に対するように動く。
「ちょっと、なにして、」
「ごめん、僕は、」
小さく呟いた彼に男は笑った私はシェリルを見て口をパクパクさせる。アレクを狙うと見せかけて男の手を、と言えば彼女は通じたのかゆっくりと銃口をむけた。
「恨まないでよ、アレク」
「……あぁ、恨みっこなしだ」
アレクが剣を構える。周りも構える。戸惑っているミズハが助けを求めるように私を見る。
「ねぇ、アンジェリカもなんかいってよ!」
そんな叫びをかき消すように銃声がなった。
「ぐ、あ、!」
銃撃された男が手を離す。私はそのナイフを掴んで走り出す。が、男が髪を掴んだ。ので、ナイフで戸惑いなく髪をバッサリと切り落とす。何かしようとした男に慌てて魔法を使った。
「クリスタルダスト!」
出来上がった氷の壁、だけども、私の魔力も体力も赤字状態であるがゆえに薄い。ので、仕方ない。アレク!と叫んで手すりから飛び降りれば、ハッとしたアレクが私をキャッチして魔法を使う。
「インパルスボム!」
その声に爆発音がして、アレクが他のメンバーに声をかけて走り出すのが聞こえた。

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あの後、無事に飛行船に逃げれたが、私は見事に気を失ったらしい。らしい、というのは今目が覚めたからだ。そばにいるのはアレクだろう。私が目を覚ましたことに気づいたアレクは私の名前をか細く呼んで、抱きしめた。

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「このまま旅をしていたいな」
そう言って飛行船から下を見下ろす。不謹慎だとはわかっているけども。色んな国を見て色んなことを学びたくなる。
「じゃあ、そうしようか」
隣を陣取ったアレクがそう告げた。
「僕にはアルディアでの地位もないし、ある意味自由なわけだし、旅をしよう」
にこり、と笑われた笑顔に、そっちの顔の方が良くってよ、と頬杖をついてお嬢様言葉にいってみる。目を瞬いた彼に笑みを浮かべる。
「貴方には侵略なんかより人助けの方が向いてるのよ」

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「風邪ね、寝ておきなさい」
ピシャリとアンジェがミズハを叱る。ミズハが首を左右に振った。
「大丈夫よ、これくらい」
「大好きなハルトに足手纏いって思われたいのかしら。それともハンターの仕事はそんな状態で行ってつとまる仕事だと思ってるのかしら。貴方もレディなら引き際を覚えなさい」
「でも〜!」
「心配しなくても貴方の王子様は帰ってくるわよ」
そう言って頭を撫でる。大人しく頭を撫でられた彼女はしゅんとした。僕はハルトを肘でつつく。なんだ、としか言われないけれど。仕方ないな、と息を吐いて僕はミズハの目線に合わせて少し屈んだ。
「元々敵だった僕の言葉なんて、足しにならないだろうけど、僕が無理やりにでも連れ帰ってくるさ」
「……ハルトに怪我させたら許さないんだから」
「肝に銘じるよ……いってくるね、アンジェ」
「いってらっしゃい」
そう緩やかに笑みを浮かべて彼女は手を振る。それを見てハルトと一緒に歩き出した。

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偶にアンジェはお嬢様の面より医者の面が勝つときがある。今だってそうだろう。手当を拒むハルトを重力魔法で動けなくして笑顔を浮かべながら手当する様はいつかを思い出す。僕やシェリルが大人しく手当を受けるのはもう癖になってるからいいとして、他はそうではない。ちなみにこれも周りはギョッとしている。
「怪我を放置してるとどんなに小さな傷でも人間死ぬときは死ぬんだよ、まさか死にたい自殺志願者じゃあるまいし」
そうニコニコ笑いながらハルトの手当てを終わらせた彼女はリフレッシュと最後に異常を外した。
「お節介な奴だな」
「諦めな、ハルト。コイツのお節介は筋金入りだ」
ガイルがアンジェの頭をポンと叩きながらいった。僕はその手をどかしつつ口を開く。
「あと、誰かさんと同じように怪我を隠そうだなんて思わないことだね」
「うっ」
目を逸らしたシェリルにミズハが目を瞬いた。
「でも、たかが怪我でしょ?どうしてアンジェはそんなに過敏なのよ」
「これが家での料理中の怪我ならほっとくわ」
「余計に意味がわかんない」
「ミズハ、たかが怪我でもね、そこから命を落とす人は何千人といるのよ。死ぬ傷は手に負えない重傷だけじゃないの。少しの怪我だって、そこから悪い菌が入って仕舞えば命を落とす可能性もあるのよ」
アンジェはそう言って息を吐いた。それは僕にも覚えがあった。僕らはあの日、アンジェに助け出されて屋敷に招かれたがそこは町の人たちでごった返していた。彼女は毎日毎日その手当をし、そして沢山の死に対面したのだろう。誰かは彼女を責め立てる。その姿を僕とシェリルは嫌という程みた。僕らは知ってる。彼女が魔力が尽きてもなお、医療技術によって誰かを救おうとしていたことを。僕は知ってる。彼女が助けることができなくて涙を沢山流したことも。
「貴方達もこんなことで死にたくないでしょう。帰る場所があるなら些細なことにも気を使いなさい」
釘を刺したアンジェに僕もまた苦笑いをする。スメリアの将軍がアンジェの頭をポンっと撫でた。


「アンジェリカはあの日動けない大人を置いて動き回ってた奴だからなぁ」
そう頭をかいたガイルに僕も頷く。
「大崩落が起きた日、貴族の多くは富を守る為にしがみついて民衆を拒んだ。アンジェリカの家は偶々両親が不在だったみたいでな。それを好機とみたアンジェリカは市民に屋敷を開けたんだ。手当も率先してやってたみたいなんだが、やはり間に合わない奴らもいたらしい。そんな奴らを嫌という程みたんだろ」
酒を煽ったガイルに、ミズハがそうだったんだと小さくこぼした。英雄達は思うところがあるのか何も言わない。僕はそちらよりもガイルを見上げる。
「……なぁ、ガイル。なんでそんなにアンジェについて詳しいんだ?」
そう突っ込んでみれば「家同士の腐れ縁ってやつだ」と言われてしまったが。
「あの嬢ちゃん昔っから澄ましてたから苦手だったんだ。いかにも蝶よ花よって育てられた温室育ちの薔薇って感じだろ。人形みたいだったし」
「そう?」
「まぁ、アンタは知らないだろうよ。言っとくがアイツ、社交界では高嶺の花だったんだからな。俺はお断りだったけど。それをアンタみたいなどこの出かもわからないポッと出の少尉が摘んじまったんだから貴族の社交界はてんやわんやよ」
ガイルの言葉に目を瞬く。でも、そういえば、上司たちは彼女をみてコソコソと何か言っていた気がする。僕は気にすることなく彼女に近づいて、喋りかけたのだけど。彼女から贈られたゴーグルをいつもつけていたのが功を評したのか、彼女はすぐに僕を見抜きーー笑みを浮かべたのだ。
「僕もシェリルもあの時、アンジェに助けられた一人だったからね。彼女は僕を知ってた。それだけさ」
彼女の隣に並びたくて軍に入った僕らは、彼女の隣に並ぶのを許された時はどれほど嬉しかっただろうか。それは今も変わらない。このままずっと一緒にいれたらどれほど夢のような話だろうか。

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随分と昔の夢をみたな、と目を開く。たしか、みんなと旅してる時の夢だ。懐かしいな、と思いながら伸びをした。あいも変わらず飛行船である。最近はもっぱら船医的なポジションに収まっている私は戦闘に行くことはほとんどない。偶に難民キャンプに診察に連れて行かれたりするけど。ガイルにはそっちの方が向いてるのではないかと言われた。自分でもそう思うけど。
「アンジェに弱点はないわけ?」
そう誰かに尋ねたミズハの声がして扉を開ける。アレクが苦笑いしているのが見えた。シェリルが銃の整備をしながら私を見た。
「アンジェ、弱点聞かれてるよ」
「あら、ミズハ、女は秘密を着飾るものよ。でもそうね、あえて言うなら……」
「あえて言うなら?」
向いた視線にアレクが笑う。
「無駄ですよ、アンジェの弱点を聞こうものなら逆に好きなもの言われるから」
「お、お前も経験があるのか」
「どう言うこと?」
「嫌がらせしてやろうと言われたものを用意するだろ?そしたらな、逆に喜ぶんだよ。俺はマカロンだったな」
「僕は外国語の本でしたよ」
「アタシは林檎だった」
サラリと告げられた言葉に、ミズハがみつがされるってこと!?と言ったけど、そう言うことだ。スイレンが私をみた。
「元はスメリアの伝承ですね?」
「えぇ、だからアルディアには馴染みがないの。みんな引っかかってくれるわ」
クスクス笑ってミズハを見下ろす。でもまぁ、私の弱点はアレクたちなんだよなぁとは思うのだけど、黙っておこう。あとは。
「あえて言うなら、怖い夢は苦手よ」
そう、帰ってこない夢とか。助けられない夢とか。周りが意外そうに見たけども、怖い夢は怖いから怖い夢なのである。

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雑多 

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