2019/02/23

兼任司書遠呂智入り 没1


・神さましてる兼任司書は召喚されたようです

見慣れない場所である。すん、と犬のように鼻を鳴らせば、香ったのは焼け焦げた香りである。嫌な臭いだな、とため息をついて見晴らしがいい場所に移動する。見下ろしたそこ、は、合戦場だろうか。人とーー相手は人ではない。しかしながら遡行軍や検非違使というものでもなさそうだ。どちらかといえば人が不利なように見える。さて、どうしたものか、と思っていれば、危ない!と誰かに引っ掴まれて庇われた。そこに降り注いだ矢に助かった、と息を吐く。大丈夫?と尋ねられた言葉は元は日本語ではなさそうではあるが、頭が勝手に日本語だと判断する。何か強い術が働いているらしい。
「ありがとうございます」
「あんなところでボーっとしてたら危ないわ」
「ここは、何処なのでしょうか」
そう言葉を告げれば彼女は目を見開いた。そして、私に隠れておくように告げてまた彼女は軍を率いて駆け出した。まぁ、半刻もしないうちにかのは戻ってきたのだけれど。

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「よくわからないけど、とりあえず他の世界から来たってことだね」
そう告げたのはかの竹中半兵衛である。少年のような姿の彼の言葉に彼女ーー孫尚香が頷いた。竹中半兵衛に孫尚香とは。戦国史と三国史が混ざっているようである。そのあと紹介された人たちをみるに完璧に混ざっているらしい。何処か違う世界に来た、といえば聞こえはいいがこれは少々逸脱しすぎな気がしなくもない。
「なにがどうなってこんな世界に?」
「それを話し出すと長くなっちゃうんだなぁ」
そう腕を頭の後ろで組んだ竹中半兵衛さんに人ではない人が現れる。年齢は同い年ぐらいだろうか。彼女は私を見て目を瞬いた。
「貴女は」
「……この地に迷い込んでしまったものです」
そう言えば彼女はゆるりと私に近づいて私の手を掴む。
「どうかその力を貸していただけませんか、異界の方」
その言葉に他は目を見合わせたのだけれど。

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話を聞いて頭が痛くなる。困った。これは困った。私は原則歴史を守る人だ。それは神様のはしくれとなった今でも変わらない。頭を抱えていれば、彼女、達、は心配そうにこちらを見上げる。
「私は原則、歴史の道筋を変えてはいけないのですが」
それだけ告げて、いや待てよ、て彼らを見た。
「……貴方達が全員元の世界に帰らなければ元の歴史がぐちゃぐちゃになってしまいますね……わかりました、できることは協力しましょう」
その言葉に彼女は目を見開いて、嬉しそうに笑った。可愛らしい。
「しかしながら、私はあまり戦向きとは言えません」
本来ならば戦となれば武芸である兄の領域だろう。自ら申告すれば司馬昭さんが「見りゃわかる」と頭をかいた。しかしそれに意を唱えたのは彼女ーーかぐやさんである。
「いいえ、そんなことはございません。貴方様は単身時を超えることができるはず。そして貴方様が守護すべき方もこの世界では戦っています」
「……なるほど、後に引けない理由ですね」
やれやれと息を吐いて彼らを見た。こうなれば、参加するしかないだろう。
「私の名前は……苗字ナマエと申します。できることは協力致しましょう」
まぁ、そのできることが問題なのだろうが。

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なんだこのごちゃ混ぜ感。かぐやはさしひいても、戦国や三国だけでなく封神や義経公、ジャンヌダルクもいると見た。なんて世界を作り上げたんだろうか、遠呂智とやらは。相変わらずナマエは謎だし、と告げた竹中さんに周りはこちらを見た。太公望さんがさらりと告げる。
「あの子は人の子ではないからな」
その発言に一部がピシリと固まった。人じゃない?とこちらを見つめた彼らに「言ってませんでしたっけ」といえば、言ってないと言われた。
「本来ならば素戔嗚の方にいるべきではないのか」
「私の世界の素戔嗚様とこちらの彼はまた違う方でございましょう。味方をする義理はございません。もう一ついうならば、彼らはこちらの味方をしたいでしょうからね」
「彼ら?」
「お気にせず」
本当に彼らが気にする事ではないため、首を左右にふった。

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美味しい桃まんをいただいた瞬間、花が舞ったからああ感化されているな、と感じる。花?と首を傾げた周りに、私はとりあえず美味しいですともぐもぐしておく。それにしても馬岱さんは筆なのかー、と思ったり。私と似たようなことができるのだろうか、と思いつつ馬岱さんの筆を凝視した。
「どうしたの、ナマエ」
「馬岱さんの筆は絵を描くのですか?そもそもどうやって攻撃を?」
「うーん、絵を描いたり色々だよ。攻撃もそれでするんだ。そうか、ナマエとは一緒に出陣したことがないね」
「ナマエ自体出陣してないもんね」
甲斐姫の言葉に、苦笑いしておく。まぁ、戦おうと思えば戦えるのだけれど、周りが心配したり色々とエクセトラ。私が恐らく周りの年より幼く見えるからだろうか。同じく桃まんを食べていた竹中さんがこちらを見た。
「ナマエも出陣してくれていいんだよ?」
「かなり足手まといになるのでご遠慮しますね」

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なんというか、まぁ、といえばいいのか。ただまっすぐとその先にいる人物を見つめる。困ったことに元気なのは私ぐらいしかいなさそうである。仕方あるまいと息を吐く。集団の中にいる
「あまり武力的なものは得意ではないのですけれど」



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