2019/04/03
なんか色々混ざってる
サクラ大戦おめでとー!
・ってわけで帝劇月組にいる主の友人はアルケミスト(たまに図書館に入り浸って宍戸さんに怒られる)
・もう一人審神者もいる
(同じく入り浸って初期刀に怒られる)
・ついでに主は偶に花組のピンチヒッターもしてる。
(多分全員現代→各所属)
・時間軸が行方不明
(文豪が「転生」しているが、桜組は本編時間軸)
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「なんか景品にチケットがあるんだけど」
そう告げたこの図書館の司書に、司書の友人の一人が本から顔を上げずに手を上げた。
「あぁ、それ私だ。楽団のチケットと歌劇のチケット、なおかつS席」
「は、は?」
「楽団のチケットも歌劇のチケットもきてくださいね!って言われて渡されたから自分で買った分が駄目になったというか。片方はクラッシックだし、もう片方は青い鳥の再演だから振り分けようと思ったけど面倒臭くなった」
それだけ告げてまた本に目を落としたその人物に、司書ともう一人の友人が顔を見合わせる。そして始まったビンゴ大会に二人が熱狂したのだが、なんということか本人が回収してしまった。変なオチがついたものだ、と頭を抱えたその人物に司書と審神者が手をあげる。
「ナマエ、芥川先生のサイン入り書籍と交換しよう!」
「ナマエ、刀研ぎ直してあげる券と交換しよう!」
「あー、別にいいよ。いや、二つとも欲しいけど。二人でうまく分けといて。ちょっと仕事の呼び出し来たから言ってくる」
そう告げた人物は飄々としているというか。じゃあ、と手をひらりと振ったその人物はエントランス方面に消えた。
「はー、相変わらず謎のお方ですね。休日だったのでは?」
「まぁ、馬車馬自称してるくらいには働いてるからなぁ。使う暇ないから溜まるって言ってた」
「そういや、苗字さんは、何処で働いてるんだ?」
館長の問いかけに司書が首をかしげる。
「あれ、言ってませんでしたっけ」
「司書の友人としか聞いていないなぁ」
「あー、あの子、劇場のスタッフなんですよ」
「劇場スタッフ?」
「コイツチケットがほしいがためにはぐらかしてるな……館長さん、あの子は帝国劇場のスタッフです」
その言葉に館長がぴたりと止める。
「と、いうことは」
「はい、あれは、帝国歌劇団花組の青い鳥再演チケットと、帝国歌劇団付きのオーケストラの公演チケットです」
その発言に、館長がそでをめくる。
「さて、司書くん、カンナギさん、なんの勝負をする?」
その発言に俺たちは目を瞬いた。
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司書の友人は二人いる。いや正しくはもっといるのだろうが、親しいのは二人だ。カンナギという少女と先程の人物苗字ナマエである。カンナギという少女がおそらく巫女であることはわかるし、何処かの令嬢であることもわかるのだが、もう一人がよくわからなかった。というか、性別も不明である。男か女か微妙なラインであり、図書館にきてもカンナギという少女のように誰かを引き連れてくるわけでもなくーーひたすら本を読んでいるだけだ。劇場スタッフであることはつい最近知れたのであるがそれにしても謎なのである。
しかしながら今日は違うらしい。一般利用者がその人物を見て口を開いたからだ。くん、とその人物の裾をひいて頬を赤らめる様は可愛らしい。まるで恋する乙女のようである。
「あの、もしかして、月下の君では?」
「……よくもまぁ、脇役の役者がわかったね」
そう言って彼女を見下ろしたその人物に彼女は目を瞬いて、小さく「ひぇっ」と声をあげた。
「あの、あのあのあの、貴方のファンです!」
「私なんかより花組さんを応援した方がいいよ」
「いやいやいや、あの、次はいつ舞台に?」
「私はピンチヒッターだからなぁ。普段は舞台に立たないんだよ。だからごめんね、多分次はないと思う」
「そ、そんなぁ……」
「いつも基本は裏方だからね。オーケストラと花組の予定調整したりしてるから。まぁ、時々モギリとして駆り出されてる時もあるからよろしくね」
そう告げて微笑んだ人物に、彼女はかぁっとさらに顔を赤らめる。じゃあ、と引き返そうとしたその人物を彼女は再度引き止めた。
「あの、お名前は?」
「秘密。知っちゃったら面白くないでしょ」
そう告げて今度こそその人物は歩いて行った。恐らくは食堂の方だろう。顔を真っ赤にした彼女は「推しが尊い」と告げて両手で顔を覆った。
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「……なんてあだ名がついてるんだ」
「なんて呼ばれたんだ?」
「月下の君」
私をファンだなんだと言った彼女をおいて食堂に入ってからそう告げる。私がそう言った瞬間、友人である司書が噴き出した。汚い。
「また大層な名前だなぁ」
「多分この前ピンチヒッター脇役で出た時、そういう役で出たからだと思うんだけど」
やれやれと息を吐いてお茶をすする。まぁ、実は脇役ピンチヒッターは偶にある。黒子以外で男性が舞台に立てないが故に、偶に、ごく稀にある事態だ。基本は夢組が脇役をするが、偶にその子が怪我をしたりすると私みたいなのが現れるわけだ。大神さんからは苗字くん舞台に立たないかと言われるのだけど、あいにくあんなキラキラした世界には行きたくない。いや、大神さんと話したりは楽しいんだけど。(これを告げると十中八九隊長が大神に毒された!というので秘密である)。友人はというと目を瞬いて、食事を頼む私を見た。彼は時折こういう幼い仕草をする。
「え、は?」
「結果ピンチヒッターでなんでもするよ。楽団のヘルプも行くし」
「なにそのハイスペック。いつからそんなハイスペックになったんだ?」
「聞いて驚け、生まれた時からだ」
ちなみに楽器は弦楽器である。でもどちらかというと二胡とかの方が好きだ。食堂の職員から食事を受け取り、空いてる席を探せば文豪さんが手招いたためにそちらに向かう。その前に鏡花先生がいたので声をかけた。
「鏡花先生、この前はありがとうございました。急かしてしまい申し訳ございません」
「いえ、構いません。貴方が取り立てにきた時は驚きましたが」
「作曲の関係などがございまして……またチケットの方をご用意させていただきます」
「楽しみにしています」
その言葉に一礼して席に向かう。まぁ、続いていた友人やそこにいた菊池先生達は目を瞬いていたが。
「珍しいな、鏡花先生と関わりがあったのか」
「舞台の戯曲の台詞調整をしていただいたんです。元から鏡花先生の書かれた話だったので相談させていただいて。すこし、言い回しなどを変えていただいたりしました」
「え、まじで、何やるんだ?」
「発表されてないから秘密。特に宇野田は口が軽いから」
そう釘を刺せば、友人ーー宇野田はウッと息を詰めた。
「まぁ、明日発表だし見て」
「うー、チケット」
「自分で頑張れ」
そんな会話をしつつご飯を食べていたら啄木先生がやってきた。
「苗字!金貸してくれ!」
「お金を返すためのお金は貸しません」
「げ」
啄木先生が固まる。やっぱりそっち目当てか。芥川先生の隣にいた太宰先生がこちらを見る。
「あれ、普通に借りる分には貸してくれんの?」
「それは別に」
「何の差だよ」
「借りたお金を借りたお金で返したら意味がないでしょう」
「なら金をくれ!」
堂々と告げた啄木先生は全くもって潔い人である。
「いくら」
「え、まじでいいのか?」
「無償はダメです。その額で仕事ふっかけてあげますよ」
「仕事」
「レビュウショーの歌にまだ余裕があるんで」
そう言いつつ頭の中で計算する。まぁこれが作家なら戯曲を書いてもらうのだけれど。そんなこんな話していれば見知った足音が聞こえて眉間にシワを寄せた。その様子に宇野田や先生達は首を傾げたが、私はため息をつくしかない。
「失礼いたします。こちらに鷹司少尉はおられますでしょうか」
聞こえてきた声にため息をつく。鷹司?と首をかしげる周りに立ち上がってそちらをみた。
「苗字?」
「いえ、私の友人ですので。大河少尉、生憎ですが私は退いた身ですので階級呼びはおやめください。あとここは多少騒がしいですが、ここは図書館にあたりますのでお静かに」
「あ、ごめん!っては!?退いた!?」
足音を鳴らしてやってきた大河にやれやれと肩をすくめる。私が月組にいることをどうやら知らされていないらしい。いや、これは知り合いだと知られていないのかもしれないが。
「なんで!」
「紐育に行ってる間に色々と」
「それって卒業してすぐじゃないか!」
「そうともいうね。あと鷹司の家も勘当された」
「はぁ!?」
「なので今君の目の前にいるのは君の年上の友人苗字ナマエさんです」
やぁやぁと手を上げれば、色々聞いてなーい!と叫ばれる。
「俺たち親友だろ!なんで手紙くれなかったんだ!」
「送ったじゃん、返事」
「あぁ、確かに……って、ちがーう!なんで相談してくれなかったんだ!苗字はいっつもそうだ!ぼくに隠し事ばっかりで!すぐどっかに行くし!肝心なこといわないし!」
「あぁ、それは、」
「……それは?」
「わ、ざ、と、」
そう言って大河のデコを弾く。イテッと言った彼はおでこを覆った。
「ちょい待ち、ナマエ、お前、は?いや、は?なに、は?」
「あぁ、ほら大河がいらないことをいちいちいうから飛び火した。そもそも誰に聞いたんだ?」
「一郎叔父に会いに行った時に、探してるって言ったら加山さんっていう……外交官の人が教えてくれた」
そこまで言って聞いてないのかぁ、と逆に思ってみるが、恐らくあの二人は二人で私の秘密的なものを何処まで大河が知ってるかわからないのだろう。逆も然りだろうが。
「大河にも宇野田にも他にも超わかりやすい話をしてあげよう」
そう言って大河を空いている席に座らせ、セットについていたわらび餅を口に突っ込む。
「鷹司分家に生まれたナマエは後継的な問題のため鷹司本家の言葉で海軍学校にはいり卒業するがそれから少ししてちょっとしたミスで秘密がバレてしまいその秘密を使って脅してきた上司を告訴した結果、鷹司の家に秘密が伝えられ弟が生まれたことにより勘当されたのだけども、外交官加山氏に拾われて帝国劇場勤の苗字ナマエになったのである」
そう一息に言えば大河が動揺した。まぁ、大河は学生時代に風呂覗いてきたから私の大きな秘密は知っているし、お家に関しては学校内で有名だったのだからまぁいいだろう。宇野田に関してはアレだ。前世の私を知るから女だと知ってるが、前世の名前を名乗ってるから知るわけがないというか。啄木先生が目を瞬く。
「鷹司って……おま、華族だったのか!?」
「今は普通の階級ですね、勘当されたので今は違いますね。まぁ分家なのでこれといったものでもありませんし、今のご時世華族も何にもないですって。ちなみに貴方に貸してるのは私が働いて得たお金です。使う暇がないので溜まっただけです」
イェーイと死んだ目をしていってみる。いや、別にいいんだけどね。上司恵まれてるし楽しいし忍者かっこいいから。
「……ったく、もう……でも、苗字が元気そうで良かったよ」
そういった大河の頭をかいぐりかいぐり撫でておく。だから、子供扱いするなって!と怒ったけれどもまぁ可愛いから子供扱いしてしまうんだよな、と。
「大河、紹介しとくよ。目の前にいるのは宇野田。この図書館で司書をしている私の友人。で、宇野田、先生方、私の隣にいるのは大河新次郎少尉。海軍で紐育に赴任してる私の友人」
「大河新次郎です。いつも苗字がお世話に」
「いやいやこちらこそお世話になってます」
「逆に二人とも私がお世話してる気がする」
そういえば二人とも目を合わせた。
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予定調整したり隠密したりとまた多忙な日々がやってきてーー頑張ってこなす。恐らく大河が帰ってきたことにより帰国した加山隊長が眉間にシワを寄せて、はたまた最近まで隊長の代理をしていた宍戸副隊長がため息をついた。なんだ?と首を傾げて書類から目を離して彼らをみれば書類をかすめ取られたけれど。
「苗字ぃ、たまには休むことも大事だぞ」
「その案件終わってから」
「隊長、その案件は俺がしますんで、苗字甘やかして来てください」
「あぁ、頼んだぞ、宍戸」
そんな会話にくびをかしげれば、持っていた資料が宍戸副隊長にかすめ取られた。あ、と声を出せば加山隊長が私を引っ張った。ズルズルと引き摺られていく様をほかの月組隊員が見たが、隊長がお前らも苗字を頼りすぎないでたまには甘やかせ!といったことに頷いた。なんだそれ。まぁ、誘導された部屋で甘えていいのだろうと隊長にもたれかかる。グリグリと猫が甘えるように顔を擦寄らせれば彼はぽんっと頭を撫でた。
「苗字、頑張りすぎだ」
「はい。でも、宍戸副隊長も忙しそうでしたし、私ができるのはご恩を返せるのはこれくらいしかないので」
自分でも盲目であると思う。自己犠牲的なそれではないけれど、二人に必要とされなくなった瞬間、足元が崩れ落ちると思うのだ。肩を掴まれてこちらを見た彼は真っ直ぐな目でこちらを見た。
「苗字、そんなことはない。俺も宍戸もとてもたすかってる。そんなことをいうな。自分を卑下しすぎなんだ、苗字は」
「隊長は、優しい人だなぁ」
そういってまた猫のように擦り寄る。眠たくなってきた目をそっと伏せれば、隊長がため息をついた。
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まぁ一週間の強制休日がきたので例のごとく図書館にこもるとする。ということで朝一番に宇野田の所に行き一週間の休みがあるといえば部屋を手配してくれた。優しい奴である。とりあえず本を二、三冊持って定位置である窓際のソファで開けばなんとも言えない眠気が襲ってくるではないか。うとうとしていれば意識がぷつん、と途切れる。次に目を覚ませば謎に医務室にいたのだけれど。猫のぬいぐるみをつつき、カーテンを開ければ森先生がいた。あぁ、起きたのか、と告げた彼に首をかしげる。
「君が寝こけたまま動かないものだから、文豪達が心配してな吉川が連れてきた」
「それはご迷惑をおかけしました」
「……あまり休めていないのか?」
「そうですね、でも、好きでやっているので治せないんです。困ったもので」
「働くのが好きか。ここにいる奴らに聞かせてやりたいな。だが、どうして好む?」
「……忙しいと、他を考えなくてすむでしょう?それに、誰かに必要とされているって思うから」
そうポツリと言葉を零せば、彼は目を少し見開いた。
「恥ずかしい話、休日に何をすればいいかかわらなくて。今までは、休みは家の事があったので、空いた時間に本を読むくらいだったんですけど」
「……急く必要はない。休みの過ごし方は人それぞれだ。それに、君は休みであっても必要とされていることには変わりない」
彼はそう言って私の頭に手を乗せる。くしゃりと撫でられた頭に優しい人だと目を伏せた。
「おっと、二度寝はしないほうがいい。もうすぐ昼餉の時間だからな」
「え、」
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「ナマエ、長期の休みならウチに遊びにこない?」
食堂でご飯もぐもぐしていたらもう一人の友人がそう告げる。隣にいるのは彼女が偶に連れてくる美青年エクセトラのうちの一人だろうか。
「だめでーす、苗字は本読む三昧をおくるのデース」
「次に織姫さんの真似したらデコピンする」
「すいませんでした」
「まぁ、司書の狙いはどうせ苗字に仕事を手伝わせることにあるだろうからいいんじゃないかな?」
今日の宇野田の助手は佐藤先生らしい。なんやかんや私を気にかけてくれる彼は優しい人である。宇野田はぐう、と息を飲んだ。図星だったらしい。
「でもどうせカンナギだってそれ狙いだろ」
「畑の収穫手伝って欲しい」
「ほらみろ」
「別にいいよ。ただ、カンナギのところは音信不通になっちゃうから三日くらいかなぁ。あとの二日は宇野田のところにいるよ」
「お前休み七日だろ?あと1日は?」
「オーケストラの方に顔を出そうかなって。とりあえず上司に連絡取れない事を説明していいかな」
「構わん、好きにやれい」
「何キャラだよ」
宇野田のツッコミに、連絡用端末を使い連絡を入れておく。隊長副隊長から即座に許可の返事がきたんだが、逆に大丈夫だろうか……と眉間にシワをよせた。
「ナマエ?」
「いや、即座に許可がでたから、職場になにかあったのかと……」
「おい、ワーカーホリック、なんでも仕事に関連づけさせるのはやめろ。お前からの連絡が珍しかったんだろ」
そう突っ込んだ宇野田の言葉に隊長に電話すれば、同じことを言われた上に念押しされた。後ろから大神さんの声がしたと思えば、遠くでサクラさんが「ナマエさん、加山さんはここでサボってるだけですよー」という声が聞こえ、隊長が慌てて訂正する声と大神さんが笑う声が聞こえる。なるほど、平和。とりあえず平和だとわかったので電話をきってカンナギをみる。
「大丈夫だった?」
「上司がいつも通りサボってた」
「そう、よかったわね」
「ほらな、言った通りだろ」
そう返したカンナギと宇野田に、私は刻々と頷いた。佐藤先生が私のお皿に甘味を乗せてくれつつ口を開く。
「サボってるのはいいのか」
「逆に上司が仕事しだすと本当にやばいので」
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とりあえず旅行道具をトランクに一式詰めてカンナギが普段いる神社に向かう。普段は普通の神社であるが歴史云々カンヌンとは私とカンナギが友人だと知った米田元司令官に聞いた話である。その時は首を傾げていたが、その意味がわかった。
「実家並みに広い」
「ちょっと第一声がそれ?」
「提督してる友人がいるんだけど鎮守府並みに広いね」
「あんたの人脈謎だわ〜」
まぁ、海軍学校の三席(もちろん主席が大河、次席が私である)が提督になっているだけであるが。……女の子苦手だと泣きついていたが大丈夫なのだろうか。むしろ私が女だとバレた暁が面倒臭いことになる気がする。
「で、今日は誰連れてるのかな?」
「え?」
「あぁ、やっぱ、アンタには視えてた?霊力高いもんね」
「うーん、時期にみえなくなるって聞いたんだけど。普通は見えないのか」
「みえないものよ。この子は加州。加州清光」
「加州くんだね、よろしく。私は苗字ナマエ。カンナギの友人だ」
そう手を差し出せば彼は目を瞬いて、知ってる、と言いながら手を握り返しーーそのままかけていった。ふむ、奏組に負けず劣らず美青年である。カンナギはため息をついたけど。まぁ挨拶もそこそこに案内するよと歩き出したカンナギについていく。
「そう言えばこの前の演劇チケット、四枚かと思ったら一枚ずつかと思ったらペアチケットだったんだね」
「あれ、そうだったのか。通りでいつもより高かったはずだ」
「知らなかったの!?」
「うん。宇野田はおいといて、私と図書館にいるちびっこ先生三人組で行くかとか思ってた日にカンナギが小さい子二人連れてたから」
「ああ、だからあの丸投げ……館長さんが気づいてくれてよかったよ」
「結局誰が行ったの」
「館長と文豪の先生達が融通きかせてくれて、図書館の三人と宇野田と私と私のところから三人。クラシックチケットは館長と文豪の誰かが行ってたよ」
その問いにカンナギと一緒に行った三人は視えるのだろうかと首を傾げる。見えるようにしていったわよ、と言われたので何か術があるんだろう。まぁそのあと彼女の使用人?にあったが、顔と名前を覚えられる気がしなかった。
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「なんでみんな遠巻きなんだ……?」
そう首を傾げたナマエに、まぁ、ナマエの霊力の関係なんだろうなと思う。とりあえず大丈夫なのは三日月とか天下五剣、もしくは三条や平安刀あたりだろうか、と考えてみる。現に獅子王はナマエに対して普通であるのに対し、幕末刀なんかは固まってるが。畑の収穫手伝ってもらってたら何やらせてんの!?と一部がナマエの仕事を奪って今に至る。
「そりゃあナマエの霊力の関係だと思うぞ」
「あぁ、やっぱり?」
「なんだそれ」
「なんというか、溢れる高貴オーラ」
「いらないなぁ、そんなの」
そう怪訝そうな顔をしたコイツは勘当されたとは言え元はあの鷹司の家の人物である。即ち、公家の血を引いているわけだ。そりゃあこうなる。
「収穫楽しかったのになぁ」
そう言ってナマエは縁側に寝転んだ。
「道場いって手合わせしたら?」
「刀とか……やってこようかな」
むくり、と腹筋だけで起き上がったナマエは少し
嬉しそうである。獅子王に頼んで連れて行って貰ったが、後で同田貫達と仲良くなっていたので打ち解けたのだろう。いや、同田貫が気にしないのもでかいだろうけど。
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図書館の猫しかり、本丸ーーカンナギの屋敷をさすらしいけどーーにいる狐しかり可愛らしい。五虎退の連れている大きなトラなんかは大人しくて大変愛らしい。獅子王の鵺は謎の生物であるが、まぁ触らせてもらえるので良しとしよう。まぁ、カンナギが本丸にいる狐になにやら許可をとって演練という場所に赴くことになった。ナマエの引退後のお仕事体験などと評されたそれである。と言ってもカンナギについて行くだけだけども。とりあえず別の門をくぐればかなり広い道場のような場所だ。どういう原理かは考えるのはやめた。神社の敷地ではないことは確かである。私も手合わせできるんだろうかとワクワクしていれば獅子王に否定されたけれど。
「はぁー、見てるぶんには飽きないよね」
一頻り笑い終えたらしいカンナギに、人ごとだなぁと彼女を見下ろす。きゃあきゃあと寄ってくる女性陣にどうしたことかと思っていれば三日月さんが助けてくれ、今に至る。
「いや、まず、ナマエ単品だけでも目立つけど、じっちゃんに並んだところで目立つ」
そう言ってみせた獅子王に、三日月さんは見た目が麗しいからなぁとぼやいておいた。私はどこで見つかりますか、と聞いてきた女の子に刀剣じゃありませんと丁寧にいえば、またカンナギがケラケラ笑った。笑い事ではないぞ、この感じは。
「おにいさま!鷹司のおにいさまではありませんか!ええい、みなのども、おのきなさい!」
聞こえてきた声に周りがぴたりと止まる。そちらを見れば可愛らしい着物を着た人物がこちらに着ていた。二条家の御令息である。そう、可憐な姿をしているがあの子は私の逆、即ち男だ。三日月さんがこちらを見て「あぁ道理で見知った霊力を持つのだな」と小さくぼやく。恐らく家のことを指してだとは思うが。あと、獅子王「だから周りが高貴高貴言ったんだな」と納得されたが納得されてもこまる。周りをかき分けてやってきた二条家の御令息は私の手をとった。
「あぁ、鷹司のお兄様!貴方が家を出てから何年の時が経ったでしょうか。連絡をとろうにも行方知れず。もしやこの界隈にいるのではと、お兄様をお探ししてこの界隈にきたのに……頼みたくないのにあのクソジジイに頼んでこの界隈にきたのに!お兄様とは巡り会えず!この二条の蘭はずっとお兄様を探していたのに!」
相当怒っているらしい。とりあえず、ご隠居をクソジジイ扱いはいただけないのでメッと口を開いた。
「二条くん、口調」
「あら、ごめんあそばせ。でも、鷹司のお兄様とまた出会えたのは運命ですわ」
そううっとりした彼に、カンナギがナマエの周りはキャラ濃いなぁとぼやいた。知ってる。ちなみに提督の花嵐は私は平気なのに彼には鳥肌を立てる。彼の基準はなんだろうか。
「鷹司のお兄様、今度こそ祝言をば」
「ご遠慮します。二条くん、私はもう鷹司のではありませんよ。ただの、ナマエです」
「ならば入り婿に。これで二条も安泰ですわ」
「ご遠慮します。二条くんにはきっと私より相応しい方がおられますよ」
「もしや、お兄様、駆け落ちを!?相手はあの准尉ではないでしょうね!隣の方は……」
バッと彼はカンナギを見た。鬼の形相である。
「友人です。連れてきました」
カンナギが片手をあげながらそう言った。こら、と注意したが、まぁ、二条くんがでかした!と言ってるあたりいいんだろう。
「二条くん……いや、君付けはおかしいのか。二条様、お爺様ということは二条のご隠居さまがいらっしゃるんですか?」
「……!!今日は来ておりませんわ」
見事にしまった、という顔である。突っ込んだ方がいいのだろうか。そう思っていれば、「鷹司の、来てるぞ」という声が聞こえた。二条くんが両手を広げ、視界を遮ろうとする。
「来てませんわ。私には見えません」
二条くん首根っこを掴んだその人は二条くんをのかした。ぎゃっ!と声をあげた彼に詰めが甘い、と思うがまぁそれは彼の愛嬌なので良しとする。
「久しいな、鷹司の。いや、家を勘当されたのだったか……」
「……はい、なので、ナマエとおよびください」
「ナマエ、話は聞いている。鷹司も惜しいことをしたと鷹司の隠居が悔やんでおった。どうだ、自由になった身であればワシの寵愛を受けて見ぬか」
「ご冗談を」
「半分は本気だぞ」
ケラケラと笑った二条のご隠居様に苦笑いしておく。半分は冗談である。カンナギがナマエ、白梅様とも知り合いなの?と首を傾げた。なるほど有名らしい。
「二条家の元当主様だよ」
「え、じゃあ、そっちの子は」
「彼は次男だから当主にはならないね」
「あー、なるほど、次な、ん、?」
カンナギと近くにいた刀剣がピシッと固まった。わかる、可愛らしい姿だ。
「え、男!?女の子がナマエに淡い初恋抱いたみたいな感じじゃなく!?」
「ははは、男子が淡い初恋を抱いた結果がこうよ!実に女々しい男子だ!」
ケラケラと笑ったご隠居様に、このクソジジイー!と二条くんが肘をいれた。周りの審神者がザワザワしてる。とりあえずフォローは入れておこう。
「似合ってるからいいじゃないか。可愛らしいし、私はどんな二条くんでも好きだよ」
「はぁん、お兄様」
「ナマエ、甘やかしてもらっては困る。二条一族は此奴の扱いに困っておるのだ。特に此奴の兄がな」
「あら、お爺様、私は家督を継ぐ気は御座いませんわ」
「そこではないぞ、許嫁も呼べんと嘆いておったわ」
「鷹司のお兄様がいらっしゃるじゃあないですか」
「ナマエはいかん。鷹司を出たなら一族に欲しいと五摂家内で揉めに揉めている。鷹司も慌てておる」
その言葉に頬が引きつった。いや、これは、まさしく。
「嫌な話を聞いてしまいました」
「ナマエ何したの?」
「特には何も」
「あら、鷹司のお兄様は素晴らしいのですわよ。柳生新陰流は免許皆伝ですし、執務も軽やか、物腰は柔らかく穏やかでいらっしゃいますし、立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花とは女性よりお兄様の為の言葉ですわ」
「それは妄想が入ってる気がするなぁ」
そう頭をかいて息を吐く。私はそこまで凄くはないし見た目が整っているわけでもない。まぁ、免許皆伝は本当であるが。
「もうしばらくそちらには顔をのぞかせないようにします」
「ああそうしろ……と言いたいところだがそうもいかん。鷹司の本家と海軍が動き出しているからな」
「本家と海軍が?」
「あぁ、海軍は除籍ではなく予備役にしていると言っていてな。お前の上司だった男は左遷されたときいた。鷹司の慌てようからして、他の家の求めに戸惑いではなく、あれは本家分家双方に何かあったな」
「しかしながら、貴方に話がいっていないとなると身内の話ですね」
「恐らくな」
そう頷いた彼に、ありがとうございます、とお礼を告げておく。全く厄介なことになったものである。
「審神者になるなら口利きしてやるぞ」
「考えておきます」
==設定整理して改変する所存
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