2019/04/12
人魚の娘は攻略お断り 2
とりあえず、また間に入る日々である。あとやっぱり少年役は取られたのでお兄さん役とか青年ぐらいの役がおおい。大神さんに身長伸びたねって言われた。美人なおねいさん(多分敵)が入ってきた。以上。そもそも2って加山さんどーんと出てくるけど、悪役が陸軍だったり米田支配人が撃たれたり、さくらさんの血筋が云々スミレさん云々があった気がする。まぁ私のイベントはもうないだろうけど。今年も大変な年になるなぁ、と箒に顎を乗せてぼうっとしてたらもぎり服の大神さんがやってきた。
「やぁ、ナマエくん、掃除かい?」
「ちょっとだけサボり気味ですけどね」
そう苦笑いして言えば、大神さんは近くの階段に腰掛ける。それを見て私も掃除を終わろうと思う。
「隊長もサボりですか?」
「休憩っていってほしいかな」
「じゃあ私も休憩に。海はどうでした?」
「ははは、まぁ、しごかれたよ」
だろうなぁ、と思いながら、人魚に会えました?と聞いてみる。目を瞬いて、会えなかったよ、と目を伏せながら告げた彼にそうですかと頷いた。
「森中将は元気かい?」
「森中将……森先生のことですか?え?あの人軍人?」
いや、前の記憶ではそうだけど、今回名だたる文豪があそこにみんな集まってるしちょっと違うのかと思ってたというか。いやまぁ、うん、容姿が他のゲームの容姿だから、そっち基準で転生したのかと思ったというか。
「元がつくけれどね。元海軍軍医だったはずだよ」
「へぇ、少尉の上司だ。森先生なら元気ですよ。この前も色々と話してましたし。なんか、お父さんみたいで、よく舞台褒めてくれます」
so happy!みたいな顔で言えば、大神さんが「マリアが去年いってたことは本当だったんだなぁ」とぼやかれた。なんだ、と首を傾げる。いいや、なんでもないよ、と誤魔化されたけど。ちなみに後でマリアさんに聞けば、ナマエは人見知りなのよと言った気がするわ、と言われた。的を射ている意見である。ちなみに楓さんは向こうからぐいぐいくるので慣れました。米田支配人のアドバイスだそうで。
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娘役の格好して出れば見つからないんじゃない?とはサクラさんの言葉であるが、恥ずかしいから着たくないわけで。いやもう男装もどきが楽といいますかね。ずっとズボンばっか履いてるし。隊長どこで私を女だと理解したんだろうか。あれ、もしかして覗かれた?いやいやまさか、何かで見抜いただけに違いない。ひやりとした感覚にぶるりと体を震わせる。話考えよ。
「まだ夜風は寒いですね」
聞こえた声に顔をはねあげればいたのは逆さの加山さんである。それでも驚いて、ひぇ、と肩を跳ねさせたけども。
「すいません、驚かせちゃって」
「いえ、なんというか、すいません、未だになれなくって、頭に血が上りません?」
そうワタワタすれば彼はとん、と窓枠に着地した。おお、動きが忍者だ。
「加山さんもおかえりなさい、ですかね?あ、違う、お久しぶりです」
「はい、お久しぶりです。身長伸びました?」
「喜ばしいことなのか、残念ながらなのかわからないんですけど。ついでに脱少年役はしました」
「いやぁ、また、鷹司さんが大神から逃げ回るのを見れるとは」
そう言われて気づく。
「……最近は言うほど逃げ回ってないような」
今日とか緩やかに喋ってたし。目を瞬いた彼は、大神に惚れました?とか言ってくるけどそれはない。
「なんだろう、あの人……お兄ちゃんみたいな?」
「お兄ちゃん」
「修羅場になる可能性があるところに飛び込むのはちょっと」
そう拒否すれば、加山さんは肩を震わせ、そして耐えきれないというふうに笑った。たしかに、修羅場だ、とは彼の言葉である。
「大神、刺されないといいなぁ」
「みんな常識があるのてそれはないのでは」
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部屋に原稿用紙を置いてたら、偶に加山さんが読んでいたり、米田支配人が読んでいたり、綾女さんが読んでいたりしていたのだけど、今はアレだ。米田支配人が読んでいたり、楓さんが読んでいたりーーレニが読んでいたりする。ちなみに榊原姉妹はちゃんと読ませてって言ってくるあたり可愛らしい。レニ?と声をかければ、原稿用紙からこちらを見たレニは口を開く。
「ごめん、開いてたから」
「いや、閉めてない私が悪いので……」
「この続き、書かないの?」
そう告げたレニの手にはなんてことのない日常冒険譚的な話だ。恋愛小説は恥ずかしくてかけない。
「ううん、稽古が落ち着いたら?」
「僕、このシルビアって子を演じてみたい」
「小説だからなぁ」
「戯曲にすれば?」
「ちょっとそれは無理です」
そう断れば残念と言われた。また続きかけたら教えてね、と外に出た彼女に息を吐く。その子はレニがモデルです、とは言えない。
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クリスマスを回避するのだ。聖母に選ばれた暁にはメインヒロインの座に陥ってしまう!ということで少しずつ大神さん回避を始めた……かった。なんということだ!お節介さが付属されたらしい大神さんからは逃げれない!仕方ないので話していれば恋愛相談をうけるポジションになった。やったぜ。これはアレだ。各キャラの好感度教える役割だ。攻略ルートがないキャラだ。やったぜ!と隠れてガッツポーズしておく。去年は部屋でガッツポーズして加山さんに見られたのでもうしない。
「あ、ナマエちゃん、下に人がみえてるわよ」
不意に聞こえたサクラさんの声にひぇっと肩を跳ねさせる。
「サクラさん、みました?」
「え?なにを?」
「みてないならいいです」
首を左右に振ってエントランスですか?と聞けば、そうよ、と言われた。奏組だろうか、と思っていれば、「でもなんでガッツポーズを?」と言われた。見てたんじゃないですかぁ、やだぁ。
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「あれ?森先生?どうしたんですか?」
エントランスにいたのは和装の森先生である。こちらを見た彼にわたわたと駆け寄れば、森先生は口を開く。
「いや、なに、図書館にいる面子で少し遠出をするからあそこはしばらく休館だと教えた方がいいかと思ってな」
「遠出?」
「あぁ、まぁ慰安旅行に似たものだ。佐藤たちも司書もしばらくはいない」
そう告げた彼に、しゅん、としながら彼を見上げる。私の癒しがなくなる、だと。
「先生、帰ってきますか?」
「……大丈夫だ、帰ってくる」
「ほんとに?」
「ああ、」
そう笑った彼は私の頭を撫でると、なんでもないように帝劇の外に足を踏み出す。その様子が五日の父親にかさなって、駆け出してしまったのは仕方ないと思うのだ。まぁ、他の先生に念押しされたけど。
==以下3-4のあいだふきんかもしれないはなし
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