2019/05/06

タイトル未定 2



目が覚めたら病室である。また全部夢落ちだろうか、と思いながらのそのそと周りを見た。個室である。窓はカーテンがひかれている。何処からが夢なのか、と思ったが手が包帯ぐるぐる巻きなのを見ると恐らくは全部現実である。扉が開き、顔をのぞかせたのはオセロットの隣にいた男性だ。夢の中の彼とかぶり、私は反射的に口を開いた。
「ジャック?」
その声に彼は顔を跳ねあげた。知っている顔よりは歳を重ねている彼は私に急いで近づく。
「ナマエ、目が覚めたんだな、待っていろ、いま看護師を……」
「貴方は、本当に、ジョン?」
そう尋ねた私に彼は目を見開いた。彼はそっと私の頬を撫でた。
「あぁ、そうだ」
「貴方も、ジョン?」
「いいや。俺がジョンだ」
「でも、アレは、夢で……」
頭がひどくごちゃごちゃしそうだった。心拍数が上がったのかモニター音がはやくなる。顔をのぞかせた女医が彼を見て叱る。
「ちょっと、スネーク!何してるの!面会はお断りって言ったでしょう!こんなことに才能は活かさなくていいの!」
「いや、だが、」
「さっさとでて行く!」
そう扉を指差した彼女に男性はシュンとする。また見舞いに来ると言って席を外した彼を見送った。

===

沢山の質問の中で、貴方とは別人の記憶があるか、という質問をされた。別人の記憶、というよりかなりはっきりと覚えている夢だと言えば彼女はどんな夢?と尋ねた。それに対してなんというかあぐねる。ゆっくりでいいわ、と言った彼女に、口を開く。
「大切な人に、殺される夢、と、大切な人を見送る夢」
「始まりはどんな?」
「戦場で拾われることから始まる」
そこからポツリポツリと話す。彼女は相槌を打つくらいだろうか。そうして全部を話せば彼女はわかったわと優しく笑った。
「貴女は詰らないんですね」
「どうして?」
「日本ではそんな馬鹿なことは言うなって言われます」
「そうか……貴方は日本国籍だったわね。この夢は徐々に?」
「いいえ、少しの間意識を失っていたことがあってその時に。医者も親も私が変わったことに驚いて」
「意識を失った?」
「事故にあったと聞きました。二ヶ月ほど意識がなかったみたいです。私が夢を見たのは丁度その時ですね。未だにこの夢をーー夢で得た知識をどうすればいいのかわかりません」
自嘲しながらそう告げる。彼女は「わかるわ」と頷いた。
「私もそうだったから……でも、マイナスに考えちゃいけないわよ。プラスに捉えなきゃ……いけないもうこんな時間ね、また後でくるわ」
慌てたように立ち上がった彼女は病室を後にする。それを見送ってまた目を伏せた。

==

暇である。恐らく面会謝絶されているからだろうけど、やることがない。部屋の扉が開いたのでドクターかと思えばジョージである。
「具合はどうだ」
「具合はいいけど、暇だ」
「だろうな」
そう言って近くの椅子を引いた彼はそこに座るとチェス盤を出した。
「今がいつなのかもわからない」
「まだ一ヶ月もたってない。マスコミは君にご執心だ」
「寮に帰れなさそうだなぁ」
「帰れんだろうな。私の家に来ることになると思うが」
「……ん?」
「長男が君を我が家に連れてくる手筈を整えている」
「長男……?」
「なんだ、聞いてないのか。この前から忍び込んでは追い出されてる男がいるだろう。髭面の俺に瓜二つの男だ」
瓜二つ、とは。こてん、と首を傾げる。トントンと進む駒に少し考えてーー口を開く。もしかして。
「ジョンのことか?」
「あぁ」
「似てないだろう、君の方が上品だし気品がある」
「ーー悪かったなぁ、気品がなくて」
聞こえてきた声にそちらを向く。扉に持たれた彼はムッとした顔でこちらを見た。
「ほら、君はノックするが彼はしない。そして君は許可を得て来ただろうが、彼はまた無許可だ」
「許可も何も俺が権限を握ってるはずなんだが……そいつの方が無許可だ」
「クラーク博士とお前の上司の許可は得た。あとはパトロンもな」
「パトロン?」
「だから、違うって。オセロットは保護者みたいなものだ。向こうが年上だから気を回してくれているだけだよ」


==没!
・壮年オセロットとソリダスたんを書きたかっただけなんだ……



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