2018/01/24
雪合戦する
「雪合戦?」
棋院の言葉に首をかしげる。そうなんだ、と苦笑いした棋院曰く、高村さんたちの話を聞いた菜乃花がやりたがっているらしい。で、館長がそれなら会派対抗でやればいいんじゃないか?といい、按司が私なら雪が積もってる場所に連れて行ける云々言ったらしいけれど、先週から降った雪のおかげで図書館の庭は雪模様である。
「外ですればいいのでは」
「まぁ、場所はね」
「井伏さんは渋ると思いますが、他はいいと思うよ」
そう返答すれば、棋院がまた苦笑いをした。なんだ?ともう一度首をかしげる。
「佐藤さん達の、うらぎりものー!」
そう叫んでしまうのは仕方がなかった。当の佐藤さんは苦笑いしたが。笑って牧水さんは酒飲んでるし、菊池さんは腰に手を当ててるし、森先生は救護班である。文豪達と向かい合わせになってるのは私一人である。陸奥守、と刀を撫でれば陸奥守がふわりとあらわれた。
「主、雪合戦かえ?」
「そうだよ、この構図腹立つから文系男子コテンパンに叩き潰す」
「なんか不穏な言葉が聞こえた気がすんぞ」
「敵にかける温情はない」
按司にそう言って人指し指を立てる。いつもの形式面倒くさい。強制じゃないし。
「雪合戦したい非番はこの指とまれ、はーやくしないときっちゃうぞ」
その言葉に反応するように、刀剣達が刀の状態で現れる。
「ごー、よんー、さんー、あ、勝てたら馬番罷免で文豪におしつける、にー、いち、」
「苗字さん、なんか余計な言葉入らなかったか?」
「ゆびきった!」
そう手を叩けば、桜が舞って人型が現れた。短刀多めかと思えば非番面子が全員いる気がする。こっちの方が人数少ないけど。
「あるじさま、ゆきがっせんですか!」
「そうだよ」
「あー!春夫達が向こう側にいる!なんで!うらぎりものー!」
「この構図を見るに、文豪さん達と僕らが戦えばいいのかな?」
「怪我させないでね。私たちは全員に雪玉当てれば勝ちだから」
「俺たちってことは、向こうは違うのか?」
「向こうはあの真ん中気持ち私たち目にあるフラッグ取っても勝ち」
「なるほど、じゃあ僕は厨を借りて温かい飲み物でも作って置こうかな」
「歌仙、打刀は強制参加だから」
そう釘を刺せば歌仙がため息をついた。
「子供、中心、かな?なんか、以外というか」
そう首を傾げた蓮子に菊池さんが頭を抱える。
「子供に見えるからって油断しない方がいいぞ」
「館長ー、準備オッケーです。御手杵は一緒に雪玉作ろう」
「おー、」
私の言葉に館長が頷く。ヨーイ、始め、の声に、短刀が飛び上がった。
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ギャアギャアと騒ぐ文豪と刀剣達を眺める。愛染と今剣と箒を持った岩融がフラッグを守ってるのを見るとしばらく大丈夫だろう。しかし、菊池さんが上手く今剣に雪玉当て、それを見た岩融にも菜乃花の投げた雪玉があたる。いや、あれは当たってあげたが正しいかもしれないが。とりあえず私は刀剣を戦場に送り込み、後ろから眺める。按司が本気出してるあたりえげつない作戦たてるから、勝負はわからない。陸奥守が佐藤さんに勝負仕掛けてるけど。
「平和だなぁ」
そうぼやけば、日本号が隣で酒を飲みながら「そうさなぁ」と呟いた。
「俺は若山や井伏と酒呑みに来たんだがなぁ」
「あぁ、やっぱそうなのか。長谷部いないしね、遠征で」
「主、少しいいかな?」
そう現れた堀川に、どうしたの?と聞いて見る。
「遡行軍の気配がするんだ」
「……なるほど、異常な大雪はそれが原因でもあるかな。適当に負けた短刀脇差連れて様子見頼める?」
「はい、わかりました!」
頷いた堀川は上手く雪玉に自分から当たった。兼さん庇ったふりしたけど。目があって、頷けば堀川は今剣と消えた。
「また、この時代にもきてるのか?」
「ちらほらとね。図書館付近以外でも報告あがってるみたいだし」
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ナマエが誰かとずっと話してるなぁと思っていれば、同じように酒を飲んでいた牧水さんが「日本号じゃねえか」と呟いた。吉川さんが「ああ、あの黒田の」という。時たま入る吉川さんの解説はわかりやすい。誰が何の話が残っている、だとか、誰が誰が持っていた刀なのか。たまにこちらの戦力を弱めるけど。今剣くんと岩融さんの話とか。佐藤さんとサシ対決してる陸奥守は坂本龍馬の刀らしい。話を聞きたいものだな、といった彼に私はそうだね、と頷く。
「陸奥守ー!春夫たおしちゃえー!」
「ねらっちょるんじゃ!ねらっちょるんじゃが、以外とすばしっこいき、」
「佐藤ー、陸奥守倒せよ、お前の役目だからな」
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