2019/06/22
スランプ脱却のために書きなぐってるだけA
・鷹司ちゃんがいるカルデア
・何故かマスター枠。しかしながらサーヴァントはいない。鷹司ちゃんはスタッフ保護に走ってた
==
同い年あたりの鷹司ナマエちゃんはマスター枠で召集されていたらしい。本人曰くいてもいなくてめた変わらない存在、所長であったオルガマリー曰く私と同じくらいの奴であるし、あの事件の時も運良く出遅れたため他スタッフ保護に走った子である。そんな彼女は、サーヴァントが増えるたびに「ひぇっ」と声を上げて隠れるのだ。どうやら人見知りらしい。たまたま通りかかったキャスターのクー・フーリンなナマエちゃんの服をつまんで連れてきたが。
「またリツカちゃん人増えてるじゃないですか、やだ〜」
「まぁ、戦力は増えた方が嬉しいし」
「まぁ、そうなんですけど、外見がいい人が多いから心臓止まる……」
書類の束で顔を隠したナマエちゃんに、私はそばにいたシェイクスピアをみる。外見がいい……枯れ専なんだろうか。
「なんですかな、マスター、その顔は」
「……ナマエちゃん、こっちはシェイクスピア」
「シェイクスピア?まさかあのシェイクスピア?」
「あのシェイクスピアがどのシェイクスピアかはわかりませんが、劇作家をさすのは吾輩ですな」
その発言にナマエちゃんがパッと表情を明るくして目を輝かせた。それが珍しくて目をまたたけば彼女は口を開く。
「シェイクスピア先生、あなたの作品が好きで……ええっと、そう、ファンです」
「おや、それはありがたい」
「今度サインいただいてもよろしいですか」
「いいですとも!なんならハグもつけましょうか?」
シェイクスピアの発言にナマエちゃんは固まって、ひぇっと飛び退いた。顔が赤い。
「それ、は、シェイクスピア先生、ハグは、キャパシティオーバーするので……最悪泣いちゃうので……」
ブンブンと首を左右に振ったナマエちゃんは、失礼します、と頭を下げてそのまま廊下をかけて行った。
「ナマエちゃんおじ専かぁ」
「というよりはソイツの重度のファンじゃねぇの」
そういったクーフーリンにそうなのかなぁと頷いておいた。
==
シェイクスピア先生のスキンシップが激しくて困る。いや、大神さんはあれじゃん。ラッキースケベとかじゃん。この人はさらりと肩や腰に手を回したり顔が近かったりするから本当に心臓がうるさくなる。いい匂いするし。ひぇっ、と小さく叫んだものの当の本人はどうされました?なんて、知らない振りで至近距離で尋ねてくるのだからタチが悪い。
「うっうう、シェイクスピア先生、わかっててやってるでしょう?」
「何をですかな?まぁ、林檎のように赤くなって」
「うううっ」
「……。……貴女は本当に見ていて面白い。実にからかいがいがある」
そうパッと手を離した彼に私は半ば涙目になって彼をみる。
「……あんまり経験ないんですよ、悪かったですね」
「ほう?あんまり、と言いますと?ファーストキスは?」
その発言に目をそらす。シェイクスピア先生が面白そうに目を輝かせた。やめてほしい。
「では、初恋は!」
「うるさいです!あんまりベタベタすると惚れますよ!」
「構いませんよ?それはそれで面白いですからな」
ははは、と笑いながら廊下に消えた彼にこれが年上の余裕か……と呟いておく。というより彼の場合作品の題材になるとかしか考えてなさそうな気がするが。ため息を一つついて資料を抱えスタッフルームへ向かった。
==
「このぴっくあっぷ、ってなんですか?」
「この英霊がいつもより出やすいよってこと。まぁ、私達は会ったことがない英霊ばっかなんだけどね。引いても出ないし」
そう哀愁を漂わせて告げたリツカちゃんに、マシュちゃんがこちらをみる。
「ナマエさん、あんまり突っ込んじゃいけないところですよ」
「あ、ごめん。でも、まだ色んなサーヴァントがいるんだね」
そう言ってリツカちゃんのタブレットをみる。老若男女選り取り見取りである。その中にちらほら日本人っぽいサーヴァントがいるのに気づいた。
「このお爺さん柳生家の家紋入ってる」
「ナマエちゃん詳しいの?」
「ちょっとだけね……片目が潰れてないから、宗矩様の方か……すごいな英霊……」
そうぶつぶつといっていればリツカちゃんとマシュがこちらを凝視した。なんだろう?と首をかしげる。
「ナマエちゃん詳しいね」
「お爺ちゃんが詳しかったからね」
「ナマエさんのお爺様、ですか」
「うん。私、お爺ちゃんに育てられたから、こういう知識がちょっとだけ」
そう言ってほかの英霊をみる。あとは神話とか偉人とか……色々である。
「……まだ増えるのかぁ」
「そうだねぇ……」
「ナマエさんは人見知りを直さないとですね」
「うっ」
私が固まれば、彼女たちは笑ったのだけど。
==
ジリジリとシェイクスピア先生と攻防(クーフーリンの兄貴曰く何時もの日常茶飯事)していたら、リツカちゃんがかけてきた。
「ナマエちゃん!セイバーのピックアップだったからね、召喚したんだけど……」
「おや、マスター。その様子を見ると爆死は免れましたか」
「そう!今回はね!シェイクスピアは明日周回連れまわすから覚悟しといてよ!」
「げ」
シェイクスピア先生が逃げようとしたので仕返しとばかり服を握っておく。これで逃げれまい。しかしながら、何故彼女がかけてきたのか、は、後ろに続いていた存在で理解した。
「柳生……宗矩様?」
「……私を知るか」
そう告げた彼に、うわぁ、本物か、と佇まいをなおす。リツカちゃんが笑いながら口を開いた。
「柳生さん、こっちはスタッフ……ええっと補助とか色々してくれてる……鷹司ナマエちゃんです」
「鷹司?」
「……お初にお目にかかります。鷹司ナマエと申します。かの柳生宗矩様にお会いでき、光栄です」
「さて……貴殿はどちらの鷹司か」
やっぱりそうくるよなぁ、と思いながら、公家の、と告げれば彼はすっと眉間にシワを寄せた。正しくは私は今公家の鷹司にいるが、両親ーー父は武家の鷹司の出である。
「私は貴方様に敵対するつもりはございません。ただ、柳生新陰流初代である貴方様の剣を近くで見れることを喜ばしく思います」
そう告げて頭を下げておく。すっと細められた目に動揺することなく彼を見つめる。フッと笑われたけど。
「公家がただの一兵卒に頭を下げるか」
「ここでは家は関係ありますませんので。私でよろしければカルデアをご案内致しますが」
「いや……それは主殿に頼む故」
断った彼に、そうですか、と告げる。何かあれば、とだけ告げて頭を下げ、その場を離れる。うーむ、稽古をしてもらいたいけど、あの警戒からして無理だろう。くっついてても邪魔なだけだろうし。
「当たり前だけど参ったな……鷹司を知ってる人が来ちゃったか……」
==
「ナマエちゃんって、素はどっち?」
そう告げられて首をかしげる。どういう意味かはわかっているけれど、最後の抵抗というか、そういうものだ。
「柳生さんと話してる時と、私達と話してる時は違うから、どっちが素なのかなって」
「うーん、どっちも、かなぁ?リツカちゃん達は家を意識しなくていいけど、柳生様はそういうわけじゃないから……」
「鷹司とか云々っていってた奴?」
「まぁね」
苦笑いしか浮かべられないそれである。カランと音を立てたグラスの中の氷に、まぁ、色々あったんだよ、と言えば何処からかやってきたシェイクスピア先生が私の腰に手を回した。
「ひぇっ!?」
「その、色々をお伺いしたく!」
「ご、ご遠慮いたします、シェイクスピア先生、近いです!」
「おや、私とナマエの仲ではないですか」
「どんな仲ですか!」
ジタバタと逃げるようにもがく。彼は笑いながら私の手を取ってまたキスをする。ひぇっと再度口を開けば、ストンと手に何かが落とされた。そちらを見れば柳生様である。
「ーーこれはこれは、サムライ殿。どうされましたかな?」
「鷹司の、話がある。来るがよい」
そう言われたので、はい、と告げてシェイクスピア先生に頭を下げてその場を後にする。彼についていけば特に話という話も無さそうなので、助けてくれたらしい。
「あの、ありがとうございます、助けていただいて」
「いや……気をつけられよ」
そう言って去っていった柳生様に、良い人だなぁ、と思う。たったとおいついて、お茶をおいれしましょうか、といえば彼はフッと息を吐いたのだけど。
==
「あれは保護者だね、保護者」
そうケラケラと笑ってシェイクスピアをみる。この人、完璧に拗ねている。というのも、今までずっとナマエちゃんを揶揄うのを生きがいとばかりにしていたのに、柳生さんが保護者のようになってからは近けないからである。揶揄うこともできず、接触することもできず、だからだろうか。
「しかしながら、あの、シェイクスピアさん、自業自得かと」
マシュの言葉は正しかった。シェイクスピアがナマエちゃんにベタベタするからそうなったのであり、シェイクスピアがあんなことをしなければそうはならなかったのだ。
「しかし、マスター、あの可愛らしく真っ赤に染められた顔を見て、何も思わないのですか」
「思わなくはないけど……というか、シェイクスピアって、ナマエちゃんのこと好きなの?」
「揶揄いがいがある方だとは思っておりますが」
「それだけ?」
「それだけ、とは?」
「まさか、吾輩が彼女に恋をするとでも?」
「嫉妬してるからそうかなって」
「ふぅむ。嫉妬、ですか。例えこれが嫉妬でも、子供のような嫉妬。おもちゃを他人にとられたような感覚でしょう」
そう告げたシェイクスピアに、本当に?と尋ねてみる。
「本当ですとも、マスター」
=
「あ、ああああの、シェイクスピア先生?」
多分、この人は酷く酔っ払っている。私のマイルームにいるその人は片手で私を抑えつけると、獣のように舌舐めずりをした。ギラギラとした目でこちらを射抜いた彼はつっと私の顎をあげる。鼻と鼻がぶつかりそうに近い。ひぇっと声を出して目をぎゅっと瞑る。彼は面白そうに笑う。遠のいた吐息にちらりと彼をみる。その瞬間、待っていたと言わんばかりに彼は距離をーー。
「っあああ、あー!」
そういきなり叫ばれて肩を跳ね上げる。危なかったぁなどと告げた彼は私をぬいぐるみのように抱き寄せた。私はピシッと固まる。
「危ない、実に危ない。吾輩の強靭な精神力があったからこそ振り切れましたが、実に危なかった!まさか酒にパラケススの薬が盛られているとは!」
なるほど、そういう理由らしい。
「ナマエ、今日は部屋に鍵を閉めて閉じこもった方が良いですぞ。同じようなサーヴァントが多数いますが故に」
「わ、わかりました」
そう頷いておけば、彼は笑いながらパッと体を離して部屋を出た。それを確認して扉に鍵をかける。今日は出ないでおくとしよう。
次の日に部屋を出れば、令呪を使い切ったリツカちゃんやマシュに安否を気づかわれたのでシェイクスピア先生が来たことを告げておきました。
==
「んー、私お爺ちゃんと暮らしてるからなぁ」
「そうなんだ」
「ナマエのおかあさんはいないの?」
そう尋ねたジャックに、そうだなぁ、と苦笑いする。
「私の両親は人魚だったみたい」
私の発言に周りはギョッとしたように私を見たが、きにしない振りである。子供がキャッキャと喜ぶのを傍目に「まぁ私はそんな二人の人間の部分だけ引き継いだので人間なわけなんだけど」と言えば見るからに残念がられた。……危ない危ない。そのうち興味がずれた彼女たちを見送り、シェイクスピア先生の原稿に目を通す。アンデルセン先生が死んだ目でこちらを見る。
「親が人魚?そんなわけあるか」
「わからないですよ?私の両親はたしかに海に入ったっきり戻って来なかったので」
その発言にまた彼らは動きを止める。
「私も海につかったんですけど、爺ちゃんが引っ張り出して今ですね」
「……海難事故ですか?」
「……ある意味は?」
そう首を傾げて、ああでも海浜事故になるのかもしれないと思うがまぁそこはいいだろう。
「発端が発端なんでアレなんですが、爺ちゃんがよく言ってました。あの二人は人魚だったから海に帰ったんだって。そんなこんな色々あって、私は母方の爺ちゃんと暮らしてました」
苦笑いしてそう告げる。
追記はちょっと改変
・鷹司ちゃんがいるカルデア
・何故かマスター枠。しかしながらサーヴァントはいない。鷹司ちゃんはスタッフ保護に走ってた
==
同い年あたりの鷹司ナマエちゃんはマスター枠で召集されていたらしい。本人曰くいてもいなくてめた変わらない存在、所長であったオルガマリー曰く私と同じくらいの奴であるし、あの事件の時も運良く出遅れたため他スタッフ保護に走った子である。そんな彼女は、サーヴァントが増えるたびに「ひぇっ」と声を上げて隠れるのだ。どうやら人見知りらしい。たまたま通りかかったキャスターのクー・フーリンなナマエちゃんの服をつまんで連れてきたが。
「またリツカちゃん人増えてるじゃないですか、やだ〜」
「まぁ、戦力は増えた方が嬉しいし」
「まぁ、そうなんですけど、外見がいい人が多いから心臓止まる……」
書類の束で顔を隠したナマエちゃんに、私はそばにいたシェイクスピアをみる。外見がいい……枯れ専なんだろうか。
「なんですかな、マスター、その顔は」
「……ナマエちゃん、こっちはシェイクスピア」
「シェイクスピア?まさかあのシェイクスピア?」
「あのシェイクスピアがどのシェイクスピアかはわかりませんが、劇作家をさすのは吾輩ですな」
その発言にナマエちゃんがパッと表情を明るくして目を輝かせた。それが珍しくて目をまたたけば彼女は口を開く。
「シェイクスピア先生、あなたの作品が好きで……ええっと、そう、ファンです」
「おや、それはありがたい」
「今度サインいただいてもよろしいですか」
「いいですとも!なんならハグもつけましょうか?」
シェイクスピアの発言にナマエちゃんは固まって、ひぇっと飛び退いた。顔が赤い。
「それ、は、シェイクスピア先生、ハグは、キャパシティオーバーするので……最悪泣いちゃうので……」
ブンブンと首を左右に振ったナマエちゃんは、失礼します、と頭を下げてそのまま廊下をかけて行った。
「ナマエちゃんおじ専かぁ」
「というよりはソイツの重度のファンじゃねぇの」
そういったクーフーリンにそうなのかなぁと頷いておいた。
==
シェイクスピア先生のスキンシップが激しくて困る。いや、大神さんはあれじゃん。ラッキースケベとかじゃん。この人はさらりと肩や腰に手を回したり顔が近かったりするから本当に心臓がうるさくなる。いい匂いするし。ひぇっ、と小さく叫んだものの当の本人はどうされました?なんて、知らない振りで至近距離で尋ねてくるのだからタチが悪い。
「うっうう、シェイクスピア先生、わかっててやってるでしょう?」
「何をですかな?まぁ、林檎のように赤くなって」
「うううっ」
「……。……貴女は本当に見ていて面白い。実にからかいがいがある」
そうパッと手を離した彼に私は半ば涙目になって彼をみる。
「……あんまり経験ないんですよ、悪かったですね」
「ほう?あんまり、と言いますと?ファーストキスは?」
その発言に目をそらす。シェイクスピア先生が面白そうに目を輝かせた。やめてほしい。
「では、初恋は!」
「うるさいです!あんまりベタベタすると惚れますよ!」
「構いませんよ?それはそれで面白いですからな」
ははは、と笑いながら廊下に消えた彼にこれが年上の余裕か……と呟いておく。というより彼の場合作品の題材になるとかしか考えてなさそうな気がするが。ため息を一つついて資料を抱えスタッフルームへ向かった。
==
「このぴっくあっぷ、ってなんですか?」
「この英霊がいつもより出やすいよってこと。まぁ、私達は会ったことがない英霊ばっかなんだけどね。引いても出ないし」
そう哀愁を漂わせて告げたリツカちゃんに、マシュちゃんがこちらをみる。
「ナマエさん、あんまり突っ込んじゃいけないところですよ」
「あ、ごめん。でも、まだ色んなサーヴァントがいるんだね」
そう言ってリツカちゃんのタブレットをみる。老若男女選り取り見取りである。その中にちらほら日本人っぽいサーヴァントがいるのに気づいた。
「このお爺さん柳生家の家紋入ってる」
「ナマエちゃん詳しいの?」
「ちょっとだけね……片目が潰れてないから、宗矩様の方か……すごいな英霊……」
そうぶつぶつといっていればリツカちゃんとマシュがこちらを凝視した。なんだろう?と首をかしげる。
「ナマエちゃん詳しいね」
「お爺ちゃんが詳しかったからね」
「ナマエさんのお爺様、ですか」
「うん。私、お爺ちゃんに育てられたから、こういう知識がちょっとだけ」
そう言ってほかの英霊をみる。あとは神話とか偉人とか……色々である。
「……まだ増えるのかぁ」
「そうだねぇ……」
「ナマエさんは人見知りを直さないとですね」
「うっ」
私が固まれば、彼女たちは笑ったのだけど。
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ジリジリとシェイクスピア先生と攻防(クーフーリンの兄貴曰く何時もの日常茶飯事)していたら、リツカちゃんがかけてきた。
「ナマエちゃん!セイバーのピックアップだったからね、召喚したんだけど……」
「おや、マスター。その様子を見ると爆死は免れましたか」
「そう!今回はね!シェイクスピアは明日周回連れまわすから覚悟しといてよ!」
「げ」
シェイクスピア先生が逃げようとしたので仕返しとばかり服を握っておく。これで逃げれまい。しかしながら、何故彼女がかけてきたのか、は、後ろに続いていた存在で理解した。
「柳生……宗矩様?」
「……私を知るか」
そう告げた彼に、うわぁ、本物か、と佇まいをなおす。リツカちゃんが笑いながら口を開いた。
「柳生さん、こっちはスタッフ……ええっと補助とか色々してくれてる……鷹司ナマエちゃんです」
「鷹司?」
「……お初にお目にかかります。鷹司ナマエと申します。かの柳生宗矩様にお会いでき、光栄です」
「さて……貴殿はどちらの鷹司か」
やっぱりそうくるよなぁ、と思いながら、公家の、と告げれば彼はすっと眉間にシワを寄せた。正しくは私は今公家の鷹司にいるが、両親ーー父は武家の鷹司の出である。
「私は貴方様に敵対するつもりはございません。ただ、柳生新陰流初代である貴方様の剣を近くで見れることを喜ばしく思います」
そう告げて頭を下げておく。すっと細められた目に動揺することなく彼を見つめる。フッと笑われたけど。
「公家がただの一兵卒に頭を下げるか」
「ここでは家は関係ありますませんので。私でよろしければカルデアをご案内致しますが」
「いや……それは主殿に頼む故」
断った彼に、そうですか、と告げる。何かあれば、とだけ告げて頭を下げ、その場を離れる。うーむ、稽古をしてもらいたいけど、あの警戒からして無理だろう。くっついてても邪魔なだけだろうし。
「当たり前だけど参ったな……鷹司を知ってる人が来ちゃったか……」
==
「ナマエちゃんって、素はどっち?」
そう告げられて首をかしげる。どういう意味かはわかっているけれど、最後の抵抗というか、そういうものだ。
「柳生さんと話してる時と、私達と話してる時は違うから、どっちが素なのかなって」
「うーん、どっちも、かなぁ?リツカちゃん達は家を意識しなくていいけど、柳生様はそういうわけじゃないから……」
「鷹司とか云々っていってた奴?」
「まぁね」
苦笑いしか浮かべられないそれである。カランと音を立てたグラスの中の氷に、まぁ、色々あったんだよ、と言えば何処からかやってきたシェイクスピア先生が私の腰に手を回した。
「ひぇっ!?」
「その、色々をお伺いしたく!」
「ご、ご遠慮いたします、シェイクスピア先生、近いです!」
「おや、私とナマエの仲ではないですか」
「どんな仲ですか!」
ジタバタと逃げるようにもがく。彼は笑いながら私の手を取ってまたキスをする。ひぇっと再度口を開けば、ストンと手に何かが落とされた。そちらを見れば柳生様である。
「ーーこれはこれは、サムライ殿。どうされましたかな?」
「鷹司の、話がある。来るがよい」
そう言われたので、はい、と告げてシェイクスピア先生に頭を下げてその場を後にする。彼についていけば特に話という話も無さそうなので、助けてくれたらしい。
「あの、ありがとうございます、助けていただいて」
「いや……気をつけられよ」
そう言って去っていった柳生様に、良い人だなぁ、と思う。たったとおいついて、お茶をおいれしましょうか、といえば彼はフッと息を吐いたのだけど。
==
「あれは保護者だね、保護者」
そうケラケラと笑ってシェイクスピアをみる。この人、完璧に拗ねている。というのも、今までずっとナマエちゃんを揶揄うのを生きがいとばかりにしていたのに、柳生さんが保護者のようになってからは近けないからである。揶揄うこともできず、接触することもできず、だからだろうか。
「しかしながら、あの、シェイクスピアさん、自業自得かと」
マシュの言葉は正しかった。シェイクスピアがナマエちゃんにベタベタするからそうなったのであり、シェイクスピアがあんなことをしなければそうはならなかったのだ。
「しかし、マスター、あの可愛らしく真っ赤に染められた顔を見て、何も思わないのですか」
「思わなくはないけど……というか、シェイクスピアって、ナマエちゃんのこと好きなの?」
「揶揄いがいがある方だとは思っておりますが」
「それだけ?」
「それだけ、とは?」
「まさか、吾輩が彼女に恋をするとでも?」
「嫉妬してるからそうかなって」
「ふぅむ。嫉妬、ですか。例えこれが嫉妬でも、子供のような嫉妬。おもちゃを他人にとられたような感覚でしょう」
そう告げたシェイクスピアに、本当に?と尋ねてみる。
「本当ですとも、マスター」
=
「あ、ああああの、シェイクスピア先生?」
多分、この人は酷く酔っ払っている。私のマイルームにいるその人は片手で私を抑えつけると、獣のように舌舐めずりをした。ギラギラとした目でこちらを射抜いた彼はつっと私の顎をあげる。鼻と鼻がぶつかりそうに近い。ひぇっと声を出して目をぎゅっと瞑る。彼は面白そうに笑う。遠のいた吐息にちらりと彼をみる。その瞬間、待っていたと言わんばかりに彼は距離をーー。
「っあああ、あー!」
そういきなり叫ばれて肩を跳ね上げる。危なかったぁなどと告げた彼は私をぬいぐるみのように抱き寄せた。私はピシッと固まる。
「危ない、実に危ない。吾輩の強靭な精神力があったからこそ振り切れましたが、実に危なかった!まさか酒にパラケススの薬が盛られているとは!」
なるほど、そういう理由らしい。
「ナマエ、今日は部屋に鍵を閉めて閉じこもった方が良いですぞ。同じようなサーヴァントが多数いますが故に」
「わ、わかりました」
そう頷いておけば、彼は笑いながらパッと体を離して部屋を出た。それを確認して扉に鍵をかける。今日は出ないでおくとしよう。
次の日に部屋を出れば、令呪を使い切ったリツカちゃんやマシュに安否を気づかわれたのでシェイクスピア先生が来たことを告げておきました。
==
「んー、私お爺ちゃんと暮らしてるからなぁ」
「そうなんだ」
「ナマエのおかあさんはいないの?」
そう尋ねたジャックに、そうだなぁ、と苦笑いする。
「私の両親は人魚だったみたい」
私の発言に周りはギョッとしたように私を見たが、きにしない振りである。子供がキャッキャと喜ぶのを傍目に「まぁ私はそんな二人の人間の部分だけ引き継いだので人間なわけなんだけど」と言えば見るからに残念がられた。……危ない危ない。そのうち興味がずれた彼女たちを見送り、シェイクスピア先生の原稿に目を通す。アンデルセン先生が死んだ目でこちらを見る。
「親が人魚?そんなわけあるか」
「わからないですよ?私の両親はたしかに海に入ったっきり戻って来なかったので」
その発言にまた彼らは動きを止める。
「私も海につかったんですけど、爺ちゃんが引っ張り出して今ですね」
「……海難事故ですか?」
「……ある意味は?」
そう首を傾げて、ああでも海浜事故になるのかもしれないと思うがまぁそこはいいだろう。
「発端が発端なんでアレなんですが、爺ちゃんがよく言ってました。あの二人は人魚だったから海に帰ったんだって。そんなこんな色々あって、私は母方の爺ちゃんと暮らしてました」
苦笑いしてそう告げる。その話詳しく、と告げたシェイクスピア先生にポン、だか、音がして視界が埋まる。突然にして意識が闇に堕ちたのだから驚きである。
==
ポン、と音がして目の前にいたナマエちゃんが煙に包まれる。なんだ、と思ったらナマエちゃんが縮んでいた。その拍子に彼女はぶつけたらしい。「いてて……」と頭をさすった彼女に私達はポカンとする。
「って、は!?」
「ん……?貴方は誰だ?」
そう覗き込んだナマエちゃんは立ち上がると周りを見渡した。
「ここは……見たことがない場所だな……誘拐か……」
彼女はそう告げて私達をみる。
「いや、その線は薄い、か」
そう一人で納得した彼女は私達をみる。少しだけ縮んだ身長に、彼女は人懐っこい笑みを浮かべた。
「失礼、お嬢さん。私はイマイチ状況が読めないのだがーー」
「お嬢さっ!?」
「おや、もしかしてお兄さん、だったかな?間違えていたのなら詫びよう」
「お前、ナマエか?」
「私の名を知るとなると……変な感じだな。確かに私はナマエだが、私達は君たちを知りそうもない」
今度は困ったような顔である。それでも何時もと違う表情に、静観していた柳生さんが口を開いた。
「……お前は今年で幾つになる?」
「15ですが」
「ということは、えーと、縮んだってことですよね」
「縮んだ……ああ、なるほど、だから私だけが君たちを知らないのか」
彼女は納得したらしい。そして、もう一度彼女は私達を見た。
「君たちは私の?」
「私達はナマエちゃんの友達だよ。柳生さんやシェイクスピア達は仲良い大人って感じじゃないかな」
そう言えば彼女は目を瞬いて、嬉しそうに笑った。しかしながら、一瞬、何かを戸惑ったように見えたのは気のせいだろうか。
「そうか、ナマエ『ちゃん』の、友達か。未来の私は過去の私をなんと?」
「今しがた話されていたのですが、お爺さんと暮らしているとだけ」
「なるほど、ならば区別して貰った方がいいだろう。君たちの知る私と私は違うだろうから」
ケラケラと彼女は笑う。どういう意味かと考えるまえに、彼女は私達の名前を尋ねる。
「私は藤丸リツカ」
「私はマシュ・キリエライトです」
「感覚が人間なのはマシュにリツカだな。私も新たに名乗ろう」
そう佇まいを直したナマエちゃんは「君たちは少し驚くかもしれないが」と前置きを置いて口を開く。
「某は武家鷹司家嫡男、鷹司ナマエ」
「嫡男……?」
「あぁ、嫡男だ。未来の私がどうであれ、今の私はそういうものとして存在している。君たちが知る鷹司ナマエとは違うだろうが、どうか私とも友人になってほしい」
少し困ったような顔をして手を差し伸べた彼女に、私達は勿論と返す。柳生さんがつっと眉間にシワを寄せたけど。
「武家鷹司家ときたか……」
「貴方は……柳生の家紋をお持ちのようですね」
「左様、某は柳生但波宗矩」
その言葉に彼女は眼を爛々とかがやかせた。
「本当か!?ああ、いや、偽物だとしても手合わせをだな……未来の私の師だろうか……」
「未来のお主は公家鷹司を名乗っていたが」
そう告げた柳生さんに、ナマエちゃんは笑った。それはもう明るく。
「マシュは私を祖父と暮らしていたと言ったな。父方か、母方か……言っていただろうか?」
「母方と言っていましたぞ」
「そうか、なら簡単な話だ。君たちが未来の私をちゃん付けで呼ぶのもな。私は何処かの時点でしくじって、武家鷹司家から追い出されたんだろう。本来なら生きていてはいけない」
明るく、極めて明るくそう告げるものだから私達は何も言えない。
「私の口から友人の話は聞いただろうか?」
「いえ」
「なら、友人にも見限られたか。まぁ、新しい友人が出来たのならそれでいいか!」
彼女はそう言ってニコニコと笑う。笑い事じゃないよ、と言えば、彼女はきょとんとしてこちらをみた。
「笑い事じゃないよ、全然」
「リツカが悲しむことじゃない。よしてくれ、そんな顔は」
怒る私に対しては困ったような顔だ。
「悲しんでやるなら、私ではなく未来の私と悲しんでやってくれ。少なくとも私はーー15歳の私は男としてまだ歩んでいる。私が悲しまれるのは違う。私はまだ何も失っていない」
「失うとわかっていても立つか」
「あぁ、それが私に与えられた役目だ」
「……おい、過去のコイツはとんだ主人公気質だぞ」
アンデルセンは嫌々そう吐き出す。ナマエちゃんは主人公気質?と首を傾げたが。
「よくわからないが、君は?」
「アンデルセンだ。年上だぞ、敬え」
「アンデルセン?あの童話作家の?ふぅむ、ここは死者によく出会う場所だな。人に見えるが人じゃないだろう?」
「わかるんですか?」
「感覚の問題、か。マシュも違うが……彼らより私達に近い感じがする。まぁ、だからといって何もないんだが……触れるということは対処ができるから」
彼女はそう告げてカラカラと笑った。
「飛んだ高スペックだな、欠点はないのか、欠点は」
「貴方達は重大な欠点をもう知ってるじゃないか」
彼女は困ったような笑みを浮かべて告げる。
「女として生まれた、それだけだよ」
そう言ってまた彼女は笑う。それは明るく。そんなことなど思っていないかのように。
==
「これ、どうあがいてもカリスマAでしょ」
いつも一線引いていたようなナマエちゃんに対し、ナマエくんはとても人懐っこい。本当に同一人物なのだろうか。彼は今も円卓組と何か話している。ナマエちゃんはあまり関わらなかった人達である。というか、ナマエちゃんはスタッフと一部英霊しか関わらなかったが、ナマエくんはほぼ全員と関わっている。
「ナマエが!ああなった!過程が!知りたい!」
シェイクスピアがそう言って叫んだ。その過程こそが重要であるのだから、その過程が詳しく知りたい!と喚いたシェイクスピアに、変に首を突っ込めば嫌われるよ、と言っておく。まぁ、聞いていなさそうだが。というか、やっぱり保護者の柳生さんがはたき落としそうである。
「しかし、私はよくわからないのですが……公家と武家はどう違うのでしょうか」
「あー、あー、っと、なんて言えばいいのかな。王家と騎士の家って感じ?」
「公家は天皇家……王族の側近の家だね。武家は将軍の部下の家って感じかな。日本は独特でね。きちんと王族がいるんだけど、同時に将軍の支配があったんだ」
「権力争いにはならないのですか?」
「ならなかったね、ざっと300年は。僕や以蔵さんなんかの攘夷を掲げる人達が担ぎ上げて表に出てきた。新撰組は将軍側だよ」
「……鷹司は公家でありながら家光公の正妻を出した家。その正妻の兄が公家の鷹司を継ぎ、弟が家光公を頼ったがため武家ができた」
さらりと告げた柳生さんに、シェイクスピアが身震いする。両家の確執に翻弄される子供……とペンを走らせ始めたシェイクスピアはひとまず置いておこう。
「主殿、原因はわかったか」
「薬を混ぜられたみたいで……犯人は捕まえました。いま、パラケススが解毒薬を作ってます」
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元に戻ったナマエちゃんがトコトコかけてきて、シェイクスピアの後ろに回り込んだ。なんだ?と思えば、後ろから円卓が来たので多分そういうことだ。
「あー、人見知りに戻っちゃったのか」
「うっ、どうせ今の私は根暗な人見知りですよ……」
本当に何があったんだこの子。そうは言ってもシェイクスピアの服を握る手が震えているあたり、これは本当に怯えているらしい。やってきた円卓が、ナマエ殿?と首を傾げたが、私はとりあえず前に戻ったことと記憶がないことを言っておいたし、シェイクスピアがそういえば新作ができたと彼女の手を引いていった。
「まるで違う人物ですね」
そう少し残念そうに告げたガヴェインに、私もそう思う、と返す。本当に何があったんだ。
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新しい特異点?のガチャがきていたのでひいてみる。現れたのは星3つと4つの新キャラだ。それぞれ真名を開かせないのか、京のキャスター、京のバーサカーと名乗った二人をマシュと案内する。丁度食堂にきたとき、二人が何かを見つけて隠れた。
「まて、お前のカルデアどうなってる!?」
そう告げたバーサカーに、首をかしげる。キャスターの方が、ぱぁぁっと目を爛々とかがやかせた。
「お兄様……いえ、この年代はお姉様かしら。あぁ、今日も麗しい身姿ですわ。ちょっと声をかけてーーぐぇっ」
「待て待て待て待て」
「誰か知り合いがいるの?」
「あの英国人と喋ってる奴だ」
「ナマエちゃんのこと?」
顎で示された先にいたのはナマエちゃんである。そう尋ねれば二人はナマエちゃん……と呟いて、バーサカーは目をそらし、キャスターは唇を尖らせた。可愛いなこの子。
「あぁん、羨ましいですわ、マスター。お姉様とお親しいのね」
「えっ?ナマエちゃん?ナマエちゃんと知り合いなの?」
「……とりあえず、マスター、俺たちはアイツの前に出ることはできない」
そう消えたバーサカーに、キャスターは不服そうに見つめる。
「お姉様、マスターと同じ服着てるわね。誰かのマスターなの?」
「ううん。スタッフを手伝ってくれてるよ」
「……そう」
キャスターもそう言って消える。霊体化したんだろう。マシュと二人で顔を見合わせる。
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理由がわかった。
やってきた特異点にいるのは大人のナマエちゃんである。あまりに酷似していたために、ナマエちゃん?と呼べば多数対一でやりあっていた彼女は少し不思議そうに私達を見たのだけれど。
「君たちは私の真名をしるのか。私と……何処かで?」
「えっと、同姓同名そっくりさんではなく……」
「カルデアに英霊でないお前がいる」
そう告げたエミヤに、ナマエちゃんは「そうか」と緩やかに笑った。
「まぁ、昔の私が世話になったよしみだ。手を貸してくれないか、マスター」
彼女はそう言って服を叩く。
「先程もお一人で戦われていましたが、何があったんですか」
「ははは、簡単に言うと命を狙われている」
「笑い事!?」
「二度目となれば笑い事だよ、全く、困ったものだ。一度目は祖父達がいたから逃げ切れたが……今度ばかりは違うだろう。多数の英霊対英霊だ。しかも敵は無限にわいてくるときた」
「聖杯のせいか……」
「聖杯?ああ、あの願いが叶うと言うやつか」
「はい、私達はそれを回収しに」
「なるほど、では余計に手伝ってもらおう。私はここを元に戻したくてね」
「なぜだ?」
「ここは誰かの見た夢だから」
彼女はそう言ってついてこいと茂みに消える。その途中で、思い出したかのように、「私は連れてきてくれるなよ」と釘を刺したのだけど。
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何故か今回は関わっちゃダメだと念押しされた。なんでだ、と思いながらスタッフやダヴィンチちゃんに他のことを頼まれて図書室で篭るように仕事をしている私である。誰かはいる気配がするが、霊体化してるのか見えない。慣れたけど。今日も今日とて鼻歌を歌いながら仕事をしていれば、リツカちゃんとマシュがレイシフトから帰ってきた。
「なま、ナマエちゃぁぁぁん、」
「え、なに、なんで号泣?」
抱きついてきた二人をあやす。状況がわからない。
「なに、なにがあったの?」
「うっうっ、アヴェンジャーがぁ」
「うん、」
「うわぁぁぁ、」
「え、なに、気になる」
「令呪をもって命令するぅ、京のバーサカーはぁ、ナマエちゃんの前に現れなさいー」
そう言った瞬間、なにに令呪を使ってるんだこの子は、と思ったが、近くにいた霊体化していた人物が姿を表してこちらにきた。私はその姿を見て動きを止める。
「マスター!卑怯だ!卑怯だぞ!」
「うるせえ、拗らせ野郎!」
「ちが、」
怖くてたまらないので私は席を立つ。彼は頭を抱えた。呼吸が荒くなる。
「……こうなるからやだったんだよ……」
「なん、で、花嵐、が」
「……英霊だ。特異点でバーサカーしてたからこうなってる……悪かった、ですまされないのは理解している。俺はどうであれ、お前を裏切った。許されなくても構わない」
「……違う、私が君たちを裏切った」
「いいや、違う。お前は裏切ってなんかいない。お前は男だろうと女だろうと変わらない。俺の世界で俺がそれに気づいた時にはお前はもう手の届かない場所にいた。飛んだ下衆に手を貸したとも思った。許さなくてもいい、信頼をよこさなくてもいい、から、ただそばにいることは許してくれないか」
彼はそう言って私の頬を撫でた。キャパシティがオーバーしている私は、バーサカーなのにきちんとしてるとかいう思考が周りーー。
「……なんだ、夢か」
なんて言葉をのこし、意識を飛ばしたらしい。起きたらマイルームで柳生さんがいた……夢かな?
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「ナマエちゃん、ガチャ引こう!ガチャ!」
呼符をもたされて連れてこられた召喚所である。彼女が持つのはなけなしの一枚ではなかろうか。いいの?と聞けば彼女は大きく頷いたのでとりあえず召喚してみる。金色のアサシンだろうか。やっぱりきたー!と騒いだ二人に首をかしげれば、聞き覚えのある声が聞こえた。
「京のアサシン……まぁ、忍者ってということだ……おい待て、小娘、なんで小さいナマエ様がここにいる?」
「なぜって、ナマエちゃんがアサシンのマスターだから!」
「そうじゃない。マスターなのはわかる……」
「ナマエさんがここにきた経緯は私達も知りませんが、私達の仲間です!」
「で、友達!」
そう発言した二人に私は意識を戻して現れたアサシンを見る。恐る恐るさわれば触れたそれに、涙腺が緩む。
「馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、できない約束はしない主義じゃなかったのか、馬鹿」
「基本的にはしない主義だ。だが、俺がああしなければお前は死んでいた。俺がいなくとも、隠居様は優しかっただろう」
「違う、そういうのじゃない、私なんかのために死んでほしくなかった」
「忍に無理を言う奴だ。第一お前なんかのために死んだんじゃない。お前のためだから死んだんだ。まぁ、今はお前のサーヴァントになったから、またお前の為に死ねるということだな」
「違う、次はない。次は私の為に生きろ。死ぬことは許さない」
そう言えば彼は目を瞬いて、ああ、と少しはにかんで頷いた。そしてリツカちゃんとマシュをみる。二人とも顔が真っ赤である。
「聞いたか小娘共、側から見たら逆プロポーズというやつだが、厄介なことにコイツにその意思はない。バーサカーになってる小僧には言ってくれるなよ。アイツは俺が殺す」
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