2019/07/17
スランプ脱却のために書きなぐってるだけG
・学パロ軸の司書
ナマエ……父親がパティシエなので森先生と仲良し、お手伝いしてるので森先生と仲良し。その影響で森先生を訪ねて学校に来たりする。他校の初等部。幼馴染がむっちゃん。
按司たちもいるよ。
「隠し子疑惑ですか。りんたろーせんせの学校は大変ですねぇ、で、どんな子なんです?」
会計が終わり、シュークリームを箱に詰めながらそう尋ねれば、林太郎先生はため息をついて「君のことだ」と告げる。私は林太郎先生の隠し子ではないので首を傾げた。
「この前ナマエが訪ねてきていただろう?その時見られたみたいでな」
「私は林太郎先生の子供じゃないですよう」
「それを説明して欲しい。ついてきてくれないか」
「んー、今日は兄もいますのでお父さんに相談してきます」
そう言って工房に行く。生クリームとの格闘を終えた父に林太郎先生のところに遊びに行ってもいいかと聞けば、二つ返事でいいよと返された。新作ケーキとマカロン、紅茶を持たせてくれたのでエプロンを脱いでそのまま外に行く。
「そう言えば今日は学校は?」
「創立記念日でお休みです」
手を繋いで、レッツゴーである。
ざわざわとしている。視線が痛いので森先生に隠れながら進む。やはり隠し子疑惑は私らしい。違うんだけどなぁ、と思っていれば、夏目先生をみつけて手を振った。
「夏目先生」
「おや、君はパティスリーオサフネの娘さんでは?あぁ、なるほど、私も森さんに伺ってパティスリーには行きましたが、気づきませんでした。隠し子疑惑はこの子ですか」
「そうみたいですねぇ。お父さんに新作ケーキとマカロンと紅茶もらいました。みんなで食べましょう?」
「なんと!」
「あぁ、何を持っているかと思えば……また気を遣わせてしまったな」
そう言った林太郎先生と夏目先生を手招く。屈んでくれた二人の耳元に口を寄せた。
「いえ、あのですね、試食はお母さんと私が担当なんですけど、お母さん太っちゃったから兄が禁止したんです……」
こそこそ、と二人に言えば二人は納得したらしい。周りは何か黄色い声をあげたが。何に反応してるんだろうか、と首をかしげる。林太郎先生は私の手を引いて歩く。夏目先生は箱を持ってくれた。ありがたい。
==パティスリーオサフネとビストロオサフネがある
「えーと、名前は?」
「小豆ナマエです。小学生です」
「森先生との関係は?」
「林太郎先生が、お父さんと仲良しなので遊んでもらったりします。お父さんのお店の常連さんです。夏目先生も」
「隠し子じゃない?」
「違いますねぇ」
そう言いながら紅茶を淹れる。最近ようやく父親のお墨付きをもらえたのだ。それを林太郎先生と夏目先生、正岡先生に渡せば褒められる。嬉しい。花袋さんという方はやれやれと息を吐いた。
「噂は噂ってことだな。おかしいと思ったんだよ」
「お店って何屋さんなの?」
「ケーキ屋さんです。お兄さんはマカロン食べますか」
「マカロン?」
「フランスのお菓子です。おいしいですよ」
鞄からマカロンの入った袋を取り出す。一袋6つ入りだしいいだろう。
「うわ、こりゃまたカラフルなお菓子だな」
「食べれるの?」
「はい。甘いのでコーヒーとかお茶とかと一緒にどうぞ。小麦色がカフェ、ピンクがフランボワーズ、緑が抹茶でオレンジがキャラメル、茶色がショコラ、紫がカシスです。みんなでおやつにでも」
「えっと、ごめん、もう一回いいかな?」
「……小麦色がカフェ、即ちコーヒー味、ピンクのフランボワーズはキイチゴ、緑が抹茶でオレンジがキャラメル、茶色がショコラことチョコ、紫がカシスがクロスグリというフルーツですね」
そう言ってお兄さんの手に袋を渡す。可愛いお菓子だね、と告げた部室で飲み物入れて食べようよと提案した。それは飲まれたようだが。
「ナマエ、私達にはマカロンはないのですか」
「ありますよう。でも先にケーキがいいです。今回の新作はゼリーとロールケーキなんですよ」
そう言いつつケーキの箱を開ける。金魚が泳いでいるゼリイが四つとロールケーキ一本が入っている。
「ははぁ、このゼリーは綺麗だな!」
「涼やかでいいですね。ロールケーキは夏のフルーツですか」
「はい、甘夏です」
「しかし、四人でこの量は多いな……切り分けて後で食べるか。シュークリームは生徒会にでもやるしかないな」
そう言いつつ切り分けてくれた林太郎先生は優しいのだ。
==
ケーキをもぐもぐしていれば人が数人増えた。なんでもみんな先生らしい。私はとりあえず挨拶だけしてケーキをもぐもぐするけど。紅茶も淹れたけど。隠し子隠し子と言われて林太郎先生が永遠と否定している図だ。それを無視して夏目先生とお話である。
「ロールケーキ、美味しいですねぇ」
「そうですね、甘夏なさわやかな酸味がよくあいます」
「あとは毎年恒例夏限定のレモンパイもありますよう。昨日食べましたが美味しかったです」
「羨ましい。あのパティスリーは閉まるのがはやいので、なかなか仕事終わりに行けないんですよ」
「何時に閉まるんだ?」
「5時半に閉まります」
「たしかにはやいな」
「お父さん、6時半から隣のお店のお手伝いするんです。だから、はやめにおわります」
その言葉に林太郎先生も食いついた。
「隣のお店?隣も店なのか」
「ビストロオサフネです。おじさんが美味しいご飯作ってくれます。デザートはお父さんがつくります」
ちなみに双方定休日は日月祝日です。
ケーキをもぐもぐする。口が小さい為同じ大きさでもなかなか進まないのが現状である。
「ビストロということはフレンチか?」
「おじさんの気分でメニューが和食になったりします。お父さんも思い立ったように和菓子作ります」
「店がそれでいいのか?」
「んー?たぶん?」
こてん、と首を傾げた。そして考える。
「おいしいからいいんです、きっと」
「真理ですネ」
==
最近お手伝いをしていると林太郎先生のところの先生がよく来るようになった。営業の成果!といえば、暇が好きな兄にため息をつかれたが。実はこの店、父の趣味である。そして隣のビストロもおじさんである光忠さんの趣味である。なので、利益は無視なわけだ。曰く、おじさんの大般若さんが代表取締役をしているオサフネコーポレーションの役員らしい。そりゃあ趣味になる。私は今日もお店番である。別に友達がいないわけではないが、粟田口のきょうだいはみんなで旅行だし三条の今剣くんも旅行だしエクストラ。夏休みの今友達は旅行に出払っているのだ。なので、お店番だ。宿題も終わっちゃったし。兄たちはアルバイトである。カランカランとベルが鳴ったのでそちらを見ればいつぞやみた制服のお兄さん達がいた。
「いらっしゃいませ」
「お、いたいた。俺のこと覚えてる?」
「覚えてますよう、隠し子疑惑の時のお兄さん」
「そうだけどそうじゃない」
「へぇ、おしゃれな店だな」
「みて、美味しそうなケーキがたくさんあるよ」
「急にごめんね、先生達が通う店が今度は噂になっちゃって」
そう言った彼は苦労性だろう。ご苦労様です、と労われば彼はホントにね、と告げた。
「ねぇ、マカロンはないの?」
「マカロン溶けちゃうから夏はないですねぇ」
「おや、ナマエのおともだちかい?」
奥から顔をのぞかせた父に、林太郎先生の教え子さん、といえば理解したらしい。娘がいつもお世話に、と言った父に四人はいやいやと首を振った。
「お店が学校の噂になってるから、取材だって」
「あぁ、なるほど。あつかっただろう?いいものをあげよう、ちょっとすわってまってなさい」
「写真を撮ってもいいですか?」
「かまわないよ」
父親が工房に入る。私は別の扉の奥にちょっとだけあるイートイン(多くは食べる場所ではなくそういうデザインのインテリアだと思っている)の扉をあけた。冷房が効いていてとても涼しいし、庭は綺麗なので私の好きなスペースである。
「お、こんな場所まであるのか」
「基本的に皆さん食べませんねぇ。たまに私とお兄ちゃんが勉強したりしてます。お庭がお気に入りです」
そう言って椅子に大人しく座って涼む。外の日差しは暑そうである。そのうち写真を撮り終わったらしい他の人もひょこりと中を覗いて椅子に座った。
「いつからあるんだ?」
「私がちっちゃい頃からありますよ」
「おまたせ」
そう言って父親がパフェを持って入ってくる。目の前に置かれた可愛らしいパフェにわーいと喜べば彼はにこにこと笑った。
「あまなつとレモンのパフェだよ。のみものはどうする?コーヒー、こうちゃ、オレンジジュースもある。ナマエはオレンジジュースだね」
「うん」
「じゃあ、俺はコーヒーでお願いします」
「僕も」
「俺はオレンジジュース!」
「僕もそうします」
その言葉に父はにこにこ笑って工房にはいっていった。
「はぁぁ、うまそう。あ、写真写真」
「柑橘系のパフェかぁ」
「たぶんチーズクリームですよ」
そう言ってうまうまする。冷たいアイスにほっぺに手を触れた。おいしい。父親がまたジュースを持って入ってきた。
「いくつか質問しても?」
「かまわないよ」
「いつぐらいからお店をしてるんですか?」
「うーん、いつだったかなぁ。ナマエがにさいくらいのときだから……ごねんめかな。しゅみでやってるんだ」
「えっ、趣味?」
「おや、ナマエからきいてないかい?わたしにはべつのしごとがあって、しゅみでおみせをしてるんだよ」
そうほんわか笑った父親に、四人が趣味と繰り返した。
「となりのおみせもそうだよ」
その情報はいらないとおもう。
==
お父さんに、林太郎先生にお菓子差し入れしてきてと頼まれたので自転車にクーラーボックスをとりつけて帽子を被り、自転車で走る。とりあえず校門までついたので開けてもらうためにチャイムをならそうと背伸びをしたが届かない。何度かトライしても届かない。うーん、と考えれば後ろから「どうしたんだ?」と声がかかった。振り返ればこの学校の生徒さんである。
「林太郎先生にお届けものをしたいので、なかにいれてください」
「あぁ、門が閉まっているからか」
そう言った彼は自転車と私が通れるぐらいの幅を開ける。自転車はどこそこに止めたらいい、森先生なら一階の保健室だろう、と言った彼にありがとうございますと頭を下げておく。とりあえずクーラーボックスとは別の鞄からクッキーを取り出し彼に渡す。
「くれるのか?」
その言葉に刻々と頷けば彼のありがとうな、と言って笑いーー誰かに呼ばれたのでそちらに行った。わたしはとりあえず指定の場所にまで自転車をもっていき、クーラーボックスとかばんをかついだ。重い。とても重い。ヨタヨタと歩いていれば途中で部活終わりの子規先生が私をみつけてくれ、クーラーボックスを持ってくれたのだけど。
「ナマエの店、宅配でも始めたのか?」
「お父さんが、林太郎先生に差し入れしてきてって」
「ということは、中身は甘味か!」
そう言った彼に刻々と頷く。校内はちょっと蒸し暑い、が、外に比べれば随分マシだ。そのまま保健室に向かえば、随分と涼しい。クーラーが効いているらしい。
「ん?正岡殿とナマエか。どうした?」
「お父さんから、差し入れです」
そう言って子規さんの持つクーラーボックスを差し出す。あと鞄の中の焼き菓子も差し出し、預かった手紙も渡す。多分これ、兄が部活で1日いないし、むっちゃんもバイトで1日いないし、母親は叔母達と出かけるし、父親は会社にいくから私を預けたいだけだと思う。林太郎先生は手紙を読んで、まぁ構わないと言ったあたり当たりだ。
「なんて?」
「ナマエの家族が出かけるので少し預かってくれないかということみたいだ」
「わいろです、お父さんからの」
ずずいとお菓子を渡す。彼は的を得てるなと笑ったが。
「別に構わない。まぁ、学校内は広いから暇つぶしにはなるだろう」
「中身なんだ?」
「なんだろう……」
そう言って私もクーラーボックスを除く。ふーむ、レモンパイとパフェを作れる中身だ。
「レモンパイと、ナマエスペシャルセットの中身」
「ナマエスペシャルセット?」
「パフェです、私が作るパフェをみんなそう言います。器がない」
「器なら家庭科室にあるぞ」
「ちょっと作ってきます。レモンパイは林太郎先生の冷蔵庫に保管してもらえますか」
「構わない」
レモンパイの入ったケーキボックスを取り出し、彼に渡す。中身を見た彼は口元にちょっと笑みを浮かべた。
「よし、家庭科室はこっちだ」
「つくって、もってきます」
とりあえずクーラーボックスと鞄の中のクッキーをとり、家庭科室に向かった。
==
グラスの大きいものがなかったので、小型パフェを量産するとする。とりあえず冷蔵庫に材料を突っ込み、グラスをかき集めてみた。
「小さいグラスだと量産できますねぇ」
「ナマエスペシャルを?」
「はい」
まぁ、実際はナマエスペシャルなんて名で家で呼ばれるが、中身は昨日の甘夏とチーズクリームの爽やかパフェとほぼ同じである。ヨーグルト風味のアイスとクリームが加わったくらいだろうか。どうしてナマエスペシャルかというと、私が父親の製菓材料の残りでパフェをつくりはじめ、飾り付けに没頭しだし、形を完璧にしだしたからだ。
「子規先生は、チーズクリームとヨーグルト風味どっちがいいです?」
「悩ましいなぁ」
「濃厚か、さっぱりかです」
そんな会話をしつつ私はとりあえず林太郎先生用に二つパフェをつくり、冷蔵庫に入れるとする。
「ぐっ、どっちも美味そうなんだよなぁ」
「のぼさーん」
ひょこりと顔をのぞかせたのは体操着を着た二人の生徒である。のぼさんとは、と思っていれば子規先生が「おー」と声をあげたので子規先生のことらしい。
「何してるんですか?」
「ナマエ……この子がぱふぇ作ってくれるから悩んでるんだよ」
「ぱふぇ!?俺も食べたい!」
「おい、秉」
「たくさん材料はあるし、林太郎先生の分は死守したので大丈夫です。チーズクリームとヨーグルト風味、濃厚とさっぱりどっちがいいですか?」
「のぼさんどっちにするんですか?」
「それを悩んでんだよ」
「じゃあ、俺濃厚なほう食べるので、のぼさんはさっぱりの方食べたらいいんじゃないですか、交換しましょう、交換!」
「そうだな、そうする。清はどうする?」
「俺もですか」
「かまわないよなー?ナマエ」
「はい」
「なら、さっぱりの方を……」
とのことなのでグラスを取り、パフェをつくり始める。おおっ、と声を上げるあたり可愛らしい。
「本日のナマエスペシャル、甘夏とヨーグルトのパフェと、甘夏とチーズクリームのパフェです」
「うまそう!」
「お店で食べるレベルだ……」
「もっとこう、子供が作るものを想定してた」
その言葉にへへん、すごいだろう!と思わなくもないが、あれだ。子規先生が持ってきた台に乗って作業しているあたり敗北感がある。
「どうぞ」
そう言ってとりあえずスプーンを渡し、材料を冷蔵庫にしまい、林太郎先生のパフェをお盆に載せる。林太郎先生にお届けといいかけたところで本人が夏目先生と来た。
「今林太郎先生にお届けしようとしたところです」
「ふむ、夏目先生が来られたのでレモンパイを切り分けていいか一応聞こうと思ったのだが」
「正岡、何を食べてるんですか!」
「ナマエスペシャルっていうパフェだよ。うまいぞ」
「先に頂いています」
「おいしい!」
「夏目先生も食べますか?チーズクリームで濃厚なのとヨーグルト風味でさっぱりがあります。林太郎先生はふたつあげます」
「いや、片方でかまない。さっぱりの方を頂こう」
「では私は濃厚なのを」
そういった二人にパフェを渡す。私も自分用にパフェをつくる。
「将来はパティシエになるの?」
「将来は……うーん?」
こてん、とくびをかしげる。むっちゃんは私が大人になったら世界一周行くぜよ!といって聞かない感がある。
「うーん?」
「決まってない?」
「むっちゃん……近所のお兄ちゃんは、私が大人になったら、世界一周に連れてってくれるっていってました」
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