2019/07/17
スランプ脱却のために書きなぐってるだけI
「……マスター?」
そう引っ張られた手にそちらを向く。そこにいた青年はジッと私を見た。貴女はレイシフトしていないはずでは、と続いた言葉に首をかしげる。
「あの、誰かと勘違いされていませんか?私は貴女の主人では……」
「……そのようですね、申し訳ありません」
私の手の甲をちらりと見た彼は手を離す。私は呼ばれた声に返事をして、彼に一礼してかけて行った。
「ナマエちゃん!?」
そう、そこにいたのは見知った姿である。今回の騒動に一緒にレイシフトしてきてくれているアルジュナが「リツカ、彼女は」と言いかけたがーーナマエちゃんの側にいた別の女の子が彼女の手を掴んできたことによりその言葉はとまった。
「ナマエの知り合い?」
「いえ……」
「リツカ、マシュ、彼女はマスターとは別人かと。手の甲に令呪がない」
「え、あ、ホントだ!」
「先程に重ね、申し訳ございません」
「いえ、それほど貴女の主人と私が似ているのでしょう。世界にはそっくりな人が三人もいるとおっしゃいますし」
そう苦笑いした彼女の手の甲には令呪が確かにない。しかしながら、そっくりである。ナマエちゃんに似た彼女を連れてきた女の子は私達を見上げた。
「お姉さん達は観光できたの?」
「うーん……まぁ、そんなところ、かなぁ」
「あははは、変な返答!夜ご飯食べるとこに困ったら、シャノワールにおいでよ!」
「シャノワール、ですか?」
「うん、街の人に聞けばわかるよ!」
「コクリコ、急がないと約束の時間に遅れちゃうよ」
懐中時計を取り出してそう告げたナマエちゃんに似た女の子に、コクリコと呼ばれた子はそんな時間!?と告げて、ナマエちゃんの手を掴む。
「観光楽しんでね、ヴィララフランス!」
「わ、ちょっとまって、コクリコ」
そうして二人はかけていく。嵐のような二人である。
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「あの、マダム。彼女たちは私の知り合いなので……いけませんか?」
そう告げたのはステージの上に立っていた仮面をつけた女の子ーー恐らくナマエちゃんにそっくりな人だろう。みにきたのはいいし、運良く入れたのもいいけれどなぜか失ったチケット、なぜかなくなった路銀である。彼女の言葉にマダムと呼ばれた女性はため息をついて、仕方ないねぇ、と呟いた。
「アンタが庇うなんて、ループいらいじゃないかい?」
「ははは……」
「しっかし、みたところ観光だろう?アンタら。路銀がなくて大丈夫なのかい?」
「大丈夫では……ないですね。確かにあったのですが、なくなってしまって」
「スリにでもあったかい?仕方ないね、ナマエ、知り合いなんだろう?部屋に止めてやんな。ラクシーヌをのぞけばアンタの住んでる場所が一番広いからね」
「……はい」
「嬢ちゃん達は明日店においで」
そう告げた女性に私達が固まる。彼女はそれをみて笑ったのだけど。
「なに、ちょっとしたアルバイトをしてもらうだけさ。せっかく巴里にきたんだから、路銀がなくちゃなにもならないからね」
==
「ええっと、まず名乗った方がいいんですよね。私は大神ナマエと申します。あぁ、でも、貴女の知り合いの方もナマエさんとおっしゃるのでしたね。私のことはイロハとでもお呼びください」
「イロハ?」
「はい、ステージネームですが、混同されるとややこしいかと思いますので」
そう苦笑いしたイロハさんはやっぱりナマエちゃんにそっくりである。時代やなんやらを考えるとおかしいのだけれど。
「イロハさん、ですね。私はマシュ・キリエライトと申します。こちらはマスターの……」
「藤丸リツカです!で、こっちがサーヴァンーー」
「彼女の使用人達です。私とそこの長髪の男は違いますが」
そう遮るように告げたアルジュナに彼女は貴族の方でしたか、と目をパチパチと瞬いた。そして一通り名乗った彼らに彼女はクスクスと笑う。
「ふふ、凄い、偉人達の名前ばかりですね」
「わかるんですか?」
「はい、幼い頃から本ばかり読んでいたので。まぁ、それは今も、なんですが……」
「イロハさんはフランス生まれなのですか?」
「いいえ、日本という極東の国です。今は武者修行といいますか……まぁそんなところです。ん?」
彼女はそう言って足を止める。その建物には電気が付いている。ガラリと窓が開くと、そこから少年が顔を出した。
「ナマエ、おかえり!」
「ループ、また勝手に上がり込んで……また追い出されたんですか」
「んーん!親方が、独逸の方に行くから僕はこっちに残ったんだ!ナマエのフルートの整備もあるしね!……その人たちは?」
「私の知り合いの方ですよ。泊まる場所がないそうなのでこちらに……」
その瞬間、少年がめちゃくちゃ嫌そうな顔をしたけれども。
==没!
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