2018/01/26
mgsにいたっぽい主の文アル
・友人がアルケミスト
・雑用係としている主はmgs的なとこに元々いてボス殺しちゃった人
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例えば、いつも笑っているあの娘が何か憂鬱げに紫煙を蒸している時。普段の姿とはかけ離れたソレに酷く心が揺さぶられる時がある。何を思ってから、何を思い出してか。どこか遠くを見ているその有様は、儚い。まぁ、視線に気づいた彼女はいつもの様に人懐っこい笑みを浮かべてやってくるのだが。今も携帯灰皿にソレを押し付けて、さとはる先生、とニコニコと笑った。
「さとはる先生もタバコを吸いに?」
「いや、そういやアンタもタバコを吸うんだったな、と」
「いや、偶にですよ。タバコというか、細身の葉巻なんですけど」
そう苦笑いした彼女は、偶に恋しくなるから困ったものなんですよね、と呟く。
「俺が言えたことじゃないが、肺を患うぞ」
「葉巻の煙は喉で止まるから肺は綺麗なままですよ」
「そうなのか?」
「吸ってた人の受け売りですけどね。実際は喉を患うらしいですけど」
そう肩をすくめた彼女が呼ばれる。雑用係も楽じゃないなぁ、と小さくぼやいた彼女は声に向かって投げかけた。
「さとはる先生と雑談してるのに邪魔する奴は何処のどいつだ!」
「イタリアだ!ごめん!」
「オランダだ!さぼんな!」
相変わらず仲がよろしいことで。
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ナマエくん、一本くれないかい?タバコをきらしてしまってね、と尋ねた芥川さんに、便乗した菊池さんにソレを渡した――のだけど、渡すんじゃなかったなぁ、と思う。他人から香るその匂いは酷く動揺するし、酷く精神を不安定にさせる。友人に体調悪い?と聞かれて、医務室を勧められる程度には。もう他人にはあげないと決めて、医務室で寝転がる。医務室の主となりつつある森先生がこちらを見た。隣では誰か休んでいるらしい。
「君がそうなるとは珍しいが、何があったのか?」
「たいしたことじゃないんですよ」
「だが、君がそうなるほどのことだろう?」
「葉巻の匂い」
「葉巻の匂い?」
「私が偶に吸ってるやつ、芥川さんと菊池さんに一本あげたんですよ」
猫のクッションに顔をつっこむ。もふり、としたソレは安心する。
「私、葉巻、精神安定させるために吸ってる節があるので、その匂いが他人から香って精神が不安定になったというか」
「恋人か誰かが吸っていたのか?」
「恋人じゃないんです。血が繋がった親ってわけでもないんですが、まぁ、親みたいな人で、もういない人なので、なんというか、他人から香るとその人が現れたんじゃないかって期待して幻滅して落差で精神不安定」
「そこまで分析できているなら大丈夫だろうが、まぁ、今日は一日休むといい。隣には佐藤がいるぞ」
「まじで!」
そう勢いよく起き上がり、カーテンを開ける。パチリとあった目に、さとはる先生だー!と言えば苦笑いされた。気にしない。
「さとはる先生、ホンット美男子ですね!寝転んでるだけで色気があるっていうか、やっぱり結婚しましょう!」
「それくらい元気なら大丈夫か。これは判断を間違えた。あと、カーテンは勝手に開けるな」
そう森先生に首根っこを掴まれて医務室を追い出される。ちぇ、っと悪態をついて、部屋に戻った。
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――白い、花。舞い散る花びら、彩る赤。
庭に咲いた白い花は花畑のように一面を飾り、一部を彩る赤い花は、あの時のような――。あの人は、この手は、仕事、違う、どうすれば。頭を駆け巡るその記憶に酷く混乱しているのがわかる。これは、やばい、と冷静な自分が判断するが、それは歯止めになんかならず、近くのナイフを手に取る。そのまま首元に持っていけば、あの人のそばに行ける。
「苗字!何してるんだ!」
――不意に掴まれた手にそちらを見る。さとはる先生がいる。ギリギリと掴まれた手が痛む。ナイフはゆっくりと落ちる。なんだなんだと寄ってきた文豪に、険しい顔をしているさとはる先生に、あぁ、幻滅されてしまったな、と思う。でも、だけれども。
『どうして死なせてくれないんですか』
友人が押しのけてやってくるのがみえる。佐藤先生は何も言わない。
『どうして同じ所へ行ってはいけないんですか。どうして。仕事はきちんとこなしました。そのあとに私がどうなろうといいでしょう』
カーテンが閉まる音がする。ナマエ、と小さく呼ぶ声もする。ああ、いけない、と頭の冷静な部分がまた声をあげた。なんちゃって、と笑え。笑うんだ、笑え。手で顔を覆う。肩を、震わせろ。笑うのだ。ナマエ、どうしたの?と尋ねた友人に、手を外す。
「なんちゃって、ね、」
そう笑えば、友人はため息をついた。笑えているんだろう。
「心配するからそういう悪戯はやめてってば」
「ごめん、この前そういうマジックを見たから、できるかなって。止めるつもりだった。人が見てるって思わなくって、さとはる先生もごめんなさい」
ヘラリと笑う。さとはる先生の眉間のシワは戻らない。軽蔑されたんだろうか。
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